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40番 '潮の香りと鯛の味'

その名に愛ある県、愛媛県。
海沿いの道を歩きました。
愛媛の南西に位置する宇和海。
波が煌めいて揺れていました。

そこから柏坂という峠に入っていきました。
木々の間から見える蒼い海は
とても印象的でしたが
少しずつ飲み水がなくなっていることに気づき
焦りだしました。
真夏の炎天下。
山登り。
水飲みたい。
でもちょっとやばいかも。
この峠道いつまで続くの?

下りの道にさしかかるも
水がつきて不安になっていた頃
山中の畑にでて
そこで軽トラが止まっていました。
「飲み物ください。」
そして1Lのアクエリアスを
丸々頂きました。
あのおじさんに救われていなかったら
今頃山奥でで野垂れ死んでいたことでしょう。
本当に感謝です。

それからたどり着いた
ファミリーマート津島岩松インター店。
車でやってきたのは先に歩いていた海くんと
大学のサークル仲間、通称「トーレス」。
サッカー好きならご存じ
元スペイン代表のフェルナンド・トーレス
からきています(笑)
宇和島に住む彼の家に泊めてもらう約束を
僕らはしていたのでした。
毎日、日が昇ってから沈むまで
歩いていましたが
その日はお昼まで。
まずコインランドリーに行き
いつも水道や川で手洗いしていた服を
洗濯。
文明の利器です。
洗濯機が衣服に染み着いた汗を
流してくれている間に
僕らは身体の垢を流しに
道の駅「津島やすらぎの里」へ。
道の駅に温泉があるんです。
※現在温泉施設は長期休止中だそうです
心も体もきれいさっぱり。

そしてトーレスの計らいで
宇和島の割烹料理屋さん「ほづみ亭」へ
いきました。
毎日毎日、スーパーで割引になっている
お惣菜を貪り続けていた半月。
目の前に広がる暖かい郷土料理。
初めて食べた「宇和島鯛めし」。
宇和島の鯛めしは、焼いた鯛と一緒に
炊き込むいわゆる炊き込みご飯の
「松山鯛めし」と違って
新鮮な鯛の刺身と生卵を醤油だれで
食べます。
ホクホクの白米の上に
プリプリの鯛、
トロトロの生卵とたれを絡めて
口の中に入れる。
あの感動は忘れることはありません。
トーレスは一緒に飲んで話したかったらしい
ですが僕と海くんはお酒そっちのけで
食べ物にがっついていました(笑)
もちろんご飯おかわり。
後に
「あんなに白ご飯美味しそうに食べる人ら
初めてみた。」
と彼に言われました(笑)
この過酷な旅で
日々食べる美味しいご飯をより
有り難く感じるようになったのは確かです。

まだまだ続く道のりですが
ここでトーレスくんとその家族に
お接待した頂いたのは
本当に感謝です。
ありがとうございました。

明くる日
僕は前日に拾ってもらったコンビニまで
送ってもらって歩きだし
海くんは一旦就活の為に
岡山に帰っていきました。

今度は
この時の想い出を語りながら
お酒を酌み交わし
締めに鯛めしをかきこみたいものですね。
宇和島万歳。

16日目
40番札所「観自在寺」
歩行距離 約25km


四十番札所「観自在寺」


南無大師遍照金剛


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