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弾丸にゃんこ

「東京に遊びに行くよ。」
ある夏、南米の地で僕を狂わせ
忘れ難い想い出をもたらしてくれた
ブラジル人の女の子から連絡がありました。

当時またまた岡山の僕の下宿に
プチ居候をしていたポーランド人の旅人、
プッシュと共に
考えます。
「遠いなぁ」
なんとなく岡山から東京への夜行バスを
調べてみると
3200円。
「え、そんなもんで東京までいけんの?」
気づけば購入ボタンを
クリックしていました。

「プッシュ、俺行ってくるわ!」
と彼下宿に残し
夜の岡山駅西口から旅立ちました。

明朝辿り着いたのは新宿。
彼女と出逢ったのは南米の夏。
約一年がたち、北半球のこちらの
季節は冬。
凍てつくような都会の朝でした。
何度来ても驚かされる蟻の巣のように
複雑な東京の路線。
電車に乗って向かったのは
今はなき「豊島園」。
そこで待ち合わせました。
雪が地面に残るなかしばらく待って
約一年ぶりにイザベラと再会しました。
その友達ジュリアニと一緒に。

そして三人で豊島園で
アイススケートをしました。
彼女らは南半球から来たので季節は逆。
それに加え、冬もそこまで寒くはならないので
故郷で雪が降ることはないそうです。
睦月、寒さが染みる日本を
楽しんでもらいました。

そこから移動し
猫カフェへ。
僕も人生初の猫カフェ。
癒しの空間です。
人生の悩みなどどうでもよくなるような。
もふもふ。もふもふ。
二人ともとても満足してくれた模様。

夕方になり
僕は岡山への新幹線に乗りました。
岡山に残してきた相棒プッシュが
明日発つとのことで
帰ってお別れパーティーをするためです。

地球の裏側で出逢って、一目惚れをし
我が旅路を狂わせた愛しい人。
ぐるっと回った、裏側の裏側で
今度は1人の友人として
たった1日ですが
かけがえのない1日を
過ごすことができました。

ブラジルで会ったときは
ひどく迷惑をかけたかもしれない。
心のつっかえでした。
でもあの頃のことを笑って
話し合えることができて幸いでした。
ありがとう。

そんな想い出のように
車窓の景色は次から次へと過ぎ去っていき
気づけば岡山駅に到着。

家に着いたらプッシュが言い放ちました。
「やっぱりもうちょっとだけ
居ていい?」
「え?」
「ほならもうちょっと東京おれたやん?」
さすがのマイペース。
少し腹が立ったけど
やっぱりどこか嬉しかったのでした。



 雷に撃たれた日↑

合掌

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