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いまさら闘病記 day4

4日目の朝はもう熱も感じなかった。
どうしても行かないといけない用事があり、通勤と変わらない時間に外に出る。
日差しが眩しい。
寝たきりで甘え切った心臓が、歩行と言う最も低い強度の運動に文句を言う。
駅に着くまでの数分間で喉がイガイガ。
慌てて水を買って誤魔化す。

伝染病扱いではなくなってから、この状況で外に出る事もまあ、不可能ではなくなった。
もちろんしっかりとマスクをしてだけれども。

帰宅後はのんびりと過ごす。
島耕作の残りを読破する。課長、部長、専務、常務と読んだので次は社長を買いたい。

残る症状としては、わずかな頭痛、サラサラの鼻水、鼻から喉に移行した黄色い鼻水。
お昼は久しぶりにレトルトのカレーを食べた。

この時に違和感を感じた。

玄関にお香を焚いてみた。
しばらく自分の部屋に居たが、何時もならそれでもしばらく残る匂いや、部屋まで匂いが漂ってくるのにこの日はしない。

そこでやっと気づいた。

匂いがしない・・・

そう、嗅覚障害になった様だ。
最初は鼻水が止まらなかったので全く気にしていなかったのだが、
鼻が通じるようになっているのに、何の匂いも感じない。

食べ物は脳が記憶を辿って、ほんの少し補正をするらしく匂いがある気がする。強いて言えば、食べている時に「こんな匂いと味のはず」と思いながら食べている。
強烈なブルーレットも、お香を鼻に付けても匂いはしない。

晩御飯でフライパンに油を引いても、匂いがしないもんだから適温なのかも分からない。
煙が出始めても、どうにも。
そこでふと思った。
これって、火事になっても臭わないから焼け死ぬか、先に一酸化炭素中毒になるのでは?
ついでにガス漏れも気づかないだろうな。

そう言った面も恐怖だが、当然元から気づきにくい自分の体臭もしない。
シャンプーが無臭に感じるのだから、自分の臭いなど全く。
外に出る機会はないとしても、何だか気持ちが悪い。
来週復帰してからが怖い。

ネットで調べると、アロマオイルなどを鼻に近づけてリハビリするらしい。
しばらく気づく度にお香を嗅ぐことにした。

なってみるとやはり色々と実感する。


自己肯定が爆上がりします! いつの日か独立できたらいいな…