曲ふりナレーション回顧録:八代亜紀編
歌謡ショーや音楽番組での楽曲紹介でおなじみの前口上。
歌い出しまでのわずかな尺が勝負となるが、
逸話や情報を盛り込んだり、詩的に表現してみたり。
テレビ番組用に書いた曲ふりナレーション原稿の回顧録。
八代亜紀「だいじょうぶ」
平成時代も残すところあとわずか。
変わりゆく時代の節目、
激動の今をひたむきに生きるすべての人へ、
「だいじょうぶ」の輪を広げましょう。
八代亜紀さん、「だいじょうぶ」。
八代亜紀「おんな港町」
ファンキーなリズムに宿る浪曲とジャズの魂。
これぞ八代演歌の真骨頂ともいうべき名曲です。
八代亜紀さん、「おんな港町」。
八代亜紀「一枚のLP盤(レコード)」
古いレコードに刻まれた父と娘の遠い想い出。
父さんゆずりの声で歌う喜びと、今は亡き父への感謝。
八代亜紀さん、「一枚のLP盤(レコード)」。
八代亜紀「舟唄」*ニューヨークでのライブ映像
歌は故郷を旅立ち、国境を越えていく。
八代さんの歌手としての原点、ジャズの本場ニューヨークが
あぶったイカとぬるめの燗に酔いしれた夜。
八代亜紀さん、「舟唄」。
八代亜紀「明日に生きる愛の歌」
絵を描くように歌を描き、
歌うように筆をとる。
そんな八代亜紀さんが令和の時代に贈る応援歌です。
「明日に生きる愛の歌」。
八代亜紀「ワタシウタ」
50年の歩みを糧に、更なる未来へ歩き始めた八代亜紀さん。
ヒット曲が散りばめられたユニークな歌詞に注目してお聴きください。
「ワタシウタ」。
余談
子供の頃から絵を描くのが好きだった亜紀さんが12歳の時、浪曲師の父がレコード店で「娘が描く肖像画に似ているジャケット写真」のLPレコードを見つけ、それがどんな音楽なのかも知らずに購入。
そのレコードはジュリー・ロンドンのアルバムだった。
彼女のハスキーなスモーキーボイスに魅了された亜紀さんは、自分も同様の声質であることに自信を持ち、一流のクラブシンガーを目指したと言う。
あまりにも出来過ぎたエピソードだが、運命の出会いとはそういうものだろう。父のふとしたジャケ買いが偉大な歌手を生むきっかけとなったのだ。
いつまでも初心を忘れずに歌い続けた亜紀さんは、生涯を通じてジャズシンガーだったと言えるかもしれない。
ちなみに、中学卒業後にバスガイドとなり、最初の給料でビートルズのレコードを買ったというエピソードも好き。ただし、それがどのレコードだったのかをご本人に聞き忘れてしまったことが今となっては悔やまれる。
いつもにこやかに話してくれた亜紀さん。改めてご冥福をお祈りします。
headline photo by komurock@New Orleans
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