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地方議会はあなたの暮らしを変える

本記事をご覧いただきありがとうございます!

元公務員ライターの 稲井 亮介 です!


私のnoteでは、「地方議会」というものにスポットライトを当てています。

地方議会はすごくすごく大事なものなのに、びっくりするほど興味を持たれていない・・・そんな現状を打破すべく、懸命にパソコンをカタカタしているわけです。



さて、今回のテーマは「地方議会の役割」

地方議会の場で何が行われているのか・・・小学校で習うような内容ではありますが、まずは、その辺の基礎知識を説明させていただきたいなと。


と、まぁ、これから私のつたない文章を読んでもらうわけですが、途中で飽きちゃったとしても、これだけは覚えておいてください。


「地方議会はあなたの暮らしを変える」


関心がない、興味がないっていうのは、すごくもったいないし、あまりに危険ですよ。

地方議会の役割その1:税金の使い道を決める

「税金は適切に使うべき」

これは、当然の考え方です。実際、税金の使途が問題になることもしばしば。


では、税金の適切な使い方ってどうやって決めるんでしょう。


例えば、私は、子ども2人を育てる親です。

私からしたら、「子育て支援にもっと税金を使え!」とやはり思うわけで。

ただ、子どもがいない人にとっては、自分に直接関係のないところで税金が使われてしまうことになるんですよね。


人それぞれ考え方や立場が異なる以上、全員が笑顔になれる税金の使い道を見つけ出すのは、残念ながら不可能。

県民・市民一人ひとりの意見を吟味していくことは現実的ではありません。

ただ、その中でも、できるだけたくさんの人に賛同を得られる税金の使い道、つまり、予算を決めることが自治体の責務なのです。


じゃあ、具体的に、誰が予算を作って、誰がその良し悪しを判断するのか。


やっときました。ここで、議会の登場です。

議会の場で、自治体の長(知事とか市長とか)が予算案を提出し、議員が良し悪しを判断します。

議会が始まると「〜するための予算案を作成しました。適切なご審議をお願いします」みたいな感じで、自治体の長が議員に呼びかけるのがよくあるパターンですね。


===少々、脱線します===

自治体の長が予算案を地方議会に提出するのですが、もちろん、多忙を極める長が、一から予算を考えるわけにはいけません。具体的な予算の中身を考えていくのは、自治体の職員です。

私が勤めていた県庁では、来年度の予算作りを、秋頃から始めていました。

担当者レベルで考えた素案は、たくさんの目で、膨大な時間をかけて、ブラッシュアップされていきます。副知事や知事以上への説明までくると、予算作成から3〜4ヶ月が経過しているはず。

当然、このタイミングで大きな方向転換を指示されることも。特に、知事が言うことは絶対。知事の発言は、県民の発言と同じですから当然のことです。

しかし!地道に積み上げてきた予算案が知事や副知事のたった一言で吹き飛ぶ瞬間は、なんとも、絶望的です。。。ここまでくると時間もないですし、徹夜してでも、早急に予算を修正しなければなりません。

そして、知事のOKが出ると、ようやくひと段落。あとは、議会の承認を得られることを願うばかりというわけです。

予算というのは、知事をトップとした何百何千という職員の血と汗の結晶であることを少しでもご理解いただけると嬉しいなと。

===話を戻します===


そんなこんなで、議会に提出された予算の審議が終わり、議員さんたちが「異議なーし!」と言えば、晴れて予算が成立。税金の使い道が確定するというわけです。

私たちが選挙で選んだ自治体の長と議員が予算、つまり、税金の使い道を議論する場、それが地方議会が持つ役割の一つです。


地方議会の役割その2:みんなのルールを決める

地方議会には、もう一つ、大事な役割があります。

それは、条例の制定です。


条例は自治体のルールを定めるもの。義務を課したり、権利を制限したりもできます。

もちろん、「法律の範囲内で」という条件付きですが、これって、すごく影響が大きいと思いませんか?


最近、話題になったのは、香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」。

ネットとゲームの利用時間を制限するという、いかにも賛否両論巻き起こりそうな条例です。(今、裁判沙汰にもなっているようですね・・・)

18歳未満の未成年がゲームできるのは、1日60分、休日は特別に90分。また、中学生以下がスマホを使えるのは21時まで、それ以外の子どもは22時まで。※簡略化して書いてます。ご了承ください。


違反しても罰則はないとのことですが・・・どう思いますか?

私は小さい頃に、1日何時間もゲームを楽しんできた経験がありますし、今や、プロゲーマーも立派な職業の一つ。また、スマホで仕事をすることもあるので、スマホの扱いに慣れておくことの重要性も感じています。

ただ、親の立場になって考えてみると、ゲームやネット依存は確かに怖い・・・

正直、すぐに良し悪しを判断することはできません。


こんな感じで、香川県の地方議会でも、さまざまな議論が交わされたことでしょう。

実際、自己決定権とかプライバシー権とか、いろいろ問題視される部分があるのも事実です。


ちなみに、条例は、議員からでも、自治体の長からでも、どちらからでも提案することができます。

「ネット・ゲーム依存症対策条例」は議員提案の条例みたいですね。ある議員のお子さんやその友達がゲームに没頭する姿を見て、危機感を覚えたことがきっかけとのこと。


ただ、まぁ、この条例の制定をどう捉えるかは人それぞれ。極論言えば、香川県民以外は、直接影響するものでもありません。


しかしですね、議会にはこのように、暮らしに直結する条例をつくる力があるんですよ。

もちろん、暮らしをより良くするために、条例がつくられるのが大前提。

ただ、そのときの時世や、議員の質などによって、暮らしに悪影響を与える条例ができてしまう可能性も否定できません。


議会に無関心でいると、知らぬ間に、自分の暮らしが脅かされることにもなりかねないのです。


なので、ちょっと話はズレますが、議員や自治体の長を選ぶ選挙はめちゃくちゃ大事。

選挙にはいきましょうね!!!



地方議会はあなたの暮らしを変える


長々とお話しさせていただきましたが、地方議会の役割、なんとなくイメージしてもらえたでしょうか?

何度もいいますが、地方議会はあなたの暮らしを変えます。

あなたが住む街の予算と条例を審議する、非常に大事な役割を担っているのです。

もちろん、それだけが議会の役割ではないので、その辺も、また別の記事でお話しできればなと!


では、また次回!引き続き、ご愛読いただければ嬉しいです!



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