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【特別区経験者採用】面接カードの注意点5選


(1)表記の統一

面接カードを書く際は様々な言葉を使うことになる。例えば「とりくみ」という言葉には、「取組」、「取組み」、「取り組み」などの書き方がある。どれも妥当だが、設問1で「取組」と書き、設問2で「取組み」と書くなど、表記に揺れがあるのは統一感を欠く

同様に「こども」という言葉も、「子供」と書く場合もあれば、「子ども」と書く場合もある。これもどちらが正しいというわけではないが、表記を統一することが重要である。

なぜなら、公用文では表記が完全に統一されているからである。行政組織や公務員は文書主義を採用しており、文章を通じて活動を展開するため、言葉づかいを非常に大切にしている。表記の不統一には非常に敏感である。

したがって、面接カードの表記が統一されていないと、面接官である現職の公務員に違和感を与える可能性がある。自分が書く言葉について、表記を統一することを意識してほしい

(2)文体の統一

簡単に言えば、「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかに統一することである。

特別区の面接カードでは設問1~4まで文章を書く必要がある。よく見かけるのが、設問1~3は「です・ます調」で書かれているのに、設問4だけなぜか「だ・である調」になっているケースや、設問1の途中までは「です・ます調」なのに最後だけ「だ・である調」になっているケースである。

文体が統一されていないと推敲不足だと一目でわかるため、評価にネガティブな影響を及ぼす可能性がある。「だ・である調」と「です・ます調」が混ざっているだけで不合格になることはないが、数点で合否が分かれる特別区経験者採用においては、文体の統一は重要だ。

個人的には、「です・ます調」のほうがマイルドで丁寧な印象を与えるため好ましいと思うが、どちらが優れているという話では必ずしもない。どちらのスタイルにするにせよ、文体を統一することが大切である。

(3)全てに答える

どういうことかを説明するために、令和5年度の設問1を引用しながらご案内しよう。

【設問1】あなたが特別区職員を志望する理由を、あなたのこれまでの職務経験や専門知識を踏まえ、携わりたい職務と、その職務を通じて実現したいことを交えて入力してください。

【特別区経験者採用】職務経歴書の記載項目(記入内容)

これを見ると、中核的に問われていることは4つである。

  1. 志望動機

  2. 職務経験

  3. 携わりたい職務

  4. 実現したいこと

しかし、一部にしか答えていない面接カードが毎年非常に多い。例えば、4つのことを問われているのに志望理由と携わりたい職務しか書かれていない、あるいは職務経験と実現したいことしか書かれていないなど、問われたこと全てに答えていないケースが本当に多いのだ。

したがって、設問1~4まで自分が問われていることは何か、それらに対してしっかり回答できているかをよくチェックしてほしい。

(4)エピソードは1つに

設問2~4について、引用するエピソードは1つに集中するべきだと考える。

ここでは2つの理由を挙げようと思う。

1つ目は、320字しか書けないからである。320字という文字数では、細かいことまで書くのは原理的に難しい。この文字数を踏まえると、2つも3つもエピソードを書くと、どちらも抽象的で薄ぼんやりした内容になり、面接官に何も伝わらない可能性が高まる。だからこそ、エピソードは1つに絞るべきなのだ。

2つ目は、「他には攻撃」への備えである。特別区経験者採用の面接では、「他には?」とエピソードを次々に聞かれることがある。複数のエピソードを書いてしまうと、予備のエピソードがなくなり、「他には?」と聞かれた際に答えられなくなってしまう。しかし、メインエピソードだけを書いておけば、「他には?」と聞かれたときにサブのエピソードで対処することもできよう。

以上の理由から、設問2~4ではエピソードを1つに集中することが重要である。

(5)細かい部分は諦める

ここでのポイントは、エピソードの骨格部分だけを書くということである。

これがポイントとなる理由は、320字しか書けないという制約条件にある。自分のメインエピソードについて細かい部分まで説明したいと思うのが人情だろうが、320字では具体的な内容を書く余裕はない。

現実的には、「こういう課題がありました→自分はこういう行動をとりました→最終的にこんな成果が得られました」というストーリーの骨格部分しか書けないだろう。

真面目な受験生ほど具体的に書きたいと思い悩むものだが、詳細な説明は面接で行うという割り切りが大切だ。面接カードにはストーリーの核となる部分だけを書くべきである。

以上、本日は面接カードを書くうえで重要な5つの要素について解説した。これらのポイントを押さえるだけでも、しっかりした内容になるはずである。この内容を踏まえ、面接カードに書く内容について再度検討してみよう。

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