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消防士の面接試験で実際にあった質問50選とその対策【完全版】

※2022年9月19日 記事更新
※2023年8月29日 記事更新
※2024年2月4日 記事更新

内容:消防士の採用面接で実際にあった質問50選と、それぞれの質問に対する回答のアドバイスと解説

こんにちは、元公務員(消防士&事務職)です。


【内容について】

この記事は「消防士の面接試験で実際にあった質問とそのアドバイス」の完全版です。

新たに多くの質問を追加しており、さらに1問1問深掘り解説した内容になっています。

実際にあった質問というのがミソで、すべて過去の受験者の報告書を基に作成しています。

予想問題ではなく、本当にあった質問です。

実際にあった質問を把握しておくことで、事前に本番に近い「想定問答」を行うことができるので、何も知らない受験生に比べ圧倒的に有利になります。

この事前準備というのは、面接が苦手な人ほどやっておくべきです。

変な沈黙や、あたふたする回数を確実に減らすことができます。

私自身、面接は苦手でしたが、実際にあった質問を基に「想定問答集」を作成して、東京消防庁と政令指定都市の消防局から内定を貰うことができました。

さらに言うと、私は町役場や政令指定都市の行政職としても働いた経験があり、もちろんそれらの面接試験も経験済み、内定ももらっています。

ただ、消防の試験を受験した当時、実際の質問を基にした消防経験者からのアドバイスや、解説が載っている資料というものはありませんでした。

そこで今回、自分が受験生だったらほしいと思うような、解説付き質問集を作成しました。

【詳しい情報】

♦このnoteのメリット
・実際にあった質問を50問知ることができる
・消防の知識&消防以外の面接も突破してきた経験を踏まえた解説付き

♦対応試験
・高卒程度
・大卒程度
・既卒

♦文字数:約1万9,000文字

1万9,000字と聞くと多いと感じるかもしれませんが、内容も1問ずつ区切ってあるのでサクッと読む事ができます。

♦価格:1,200円 → 無料

誰でも気軽に購入できるように1,200円 →「無料」にしています。

5,000円~1万円ほどかかる予備校の面接対策講座に比べると、お手頃だと思います。

本編に掲載している質問の内容については、14のカテゴリーに仕分けしているので、参考に紹介します。

【面接の導入】・・・・・・2問
【志望動機】・・・・・・・2問
【消防業務について】・・・8問
【不安・ストレス】・・・・4問
【消防の知識】・・・・・・3問
【外国語について】・・・・2問
【学生生活】・・・・・・・4問
【社会人・アルバイト経験】2問
【友人関係】・・・・・・・2問
【性格】・・・・・・・・・5問
【趣味・余暇・関心ごと】・3問
【志望先・自治体について】4問
【その他】・・・・・・・・6問
【面接の終盤】・・・・・・3問

・ガッツリお金をかけて対策する余裕はないけど、何の情報もないのは不安
・ある程度対策したけど、実際の質問をできるだけ把握しておきたい
・予備校の講師ではなく、実際の経験者の意見が欲しい

そんな方には是非おススメです。

みなさんのお役に立てるように一生懸命記事を作成しましたが、万が一内容に不満があるのならもちろん返金OK!→ 無料になりました

いまのところゼロです。

♦ちなみにnoteとは?
文章などの作品を配信しているウェブサイトです。
利用者は増加中で、2020年5月には月間アクティブユーザーが6,300万人を超えました。
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【質問50選 一覧】

50の質問は以下のとおり。

14のカテゴリーに分けて紹介しています。

【面接の導入】
① 緊張していますか
② 何時にここに来ましたか

【志望動機】
③ 消防士を目指した理由(志望動機)を教えてください
④なぜ他の消防ではなくうちの消防を目指したのですか

【消防業務について】
⑤ 興味がある部署はありますか
⑥ 殉職や危険にあう覚悟はありますか
⑦ 24時間勤務も考えられますがどう思いますか
⑧ 市民が消防に求めるものは何だと思いますか
⑨ 消防士になってからの目標ややりたいことはありますか
⑩ 市民とどのように接していきますか
⑪ 上司と意見が違った場合どうしますか
⑫ 集団生活は大丈夫ですか

【不安・ストレス】
⑬ 消防士になることに不安はありませんか
⑭ 消防でうまくやっていけますか
⑮ 消防学校の訓練に耐える自信はありますか
⑯ ストレスについて

【消防の知識】
⑰ 消防の広域化について
⑱ 防災サポーターについて
⑲ 火災報知機の設置率について

【外国語について】
⑳ 英語は喋れますか
㉑ 外国人に対してどのように接しますか

【学生生活】
㉒ 大学では何を学びましたか
㉓ 卒論について
㉔ 学生時代に頑張ったことは何ですか
㉕ 部活動について

【社会人・アルバイト経験】
㉖ 社会人として学んだ事は何ですか
㉗ アルバイトについて

【友人関係】
㉘ 友人について
㉙ 友人からどう思われていますか

【性格】
㉚ 自分の性格について
㉛ 長所と短所を教えてください
㉜ 短所を改善するように何か心がけていますか
㉝ 自信があることは何ですか
㉞ 自分のどういったところが消防士に向いていると思いますか

【趣味・余暇・関心ごと】
㉟ 趣味はありますか
㊱ 休日はどのように過ごしていますか
㊲ 最近関心を持っていることは何ですか

【志望先・自治体について】
㊳ ○○市の消防にはどういうイメージを持っていますか
㊴ 消防署に行ったことはありますか
㊵ ○○市の魅力は何ですか
㊶ ○○市に足りないものは何だと思いますか

【その他】
㊷ 消防士を目指すにあたり、誰かに相談しましたか
㊸ 理想の消防士像を教えてください
㊹ 受験勉強について
㊺ ボランティアについて
㊻ 挫折した経験はありますか
㊼ なぜ警察官の採用試験も受けたのですか

【面接の終盤】
㊽ 併願状況を教えてください
㊾ 受かったら必ず入りますか
㊿ 最後に何かありますか

【面接の導入】

① 緊張していますか

最初の導入ですね。

中には開始早々から志望動機を聞いてくる場合もありますが、だいたいこういった軽い会話からスタートします。

評価に直結するような質問ではないので、気軽に答えましょう。

緊張しているのに見栄を張って「緊張していません」と答え、後で噛んだり声が上ずったりしたら、面接官も「おやおや~?」となります。

緊張しているなら緊張していると素直に答えて大丈夫。

「緊張しています」と答えておけば、少しぐらいテンパっても多めに見てくれるもの。

あと注意してほしいのが、最初の第一声。

緊張して最初に声が小さくなってしまうと、ずっとそのトーンに引っ張られて弱々しい印象を与えてしまいます。

第一声は意識して大きめに声を出しましょう。

② 何時にここに来ましたか

こちらもアイスブレイクの質問ですね。

ギリギリの時間を答えないように気を付けてください。

時間にルーズと思われてしまいます。

消防学校の起床は早いですし、現場でも指令が掛かればすぐ出動です。

時間を守れないのはもちろん論外。

当日は余裕をもって会場に行き、早めの時間を答えられるように。

導入の質問としては、ほかに「今日はどうやってここまで来ましたか」などの質問が報告に上がっています。

【志望動機】

③ 消防士を目指した理由(志望動機)を教えてください

まれに聞かれないこともありますが、ほぼ間違いなく聞かれます。

面接カードにも書く場合が多いので、志望動機は早めに考えておく必要があります。

ただ、「人を助けたいからです」などぼんやりとした理由だけだとかなり薄いです。

消防士を目指すきっかけなどがあれば、そういった具体的なエピソードを交えた方が説得力は増します。

参考に、私の同期が実際に面接で話した、消防士を志望するきっかけとなったエピソードはこんな感じ。

「現場作業中(前職)に同僚が事故で亡くなったが、自分は何もできずに無力さを感じた。それをきっかけに人を助ける仕事に就きたいと思った」

このエピソードをより具体的に話したそうです。

「人を助けたいから」という漠然とした理由だけでは、「ふ~ん」って感じですが、こういった具体的なエピソードを話せば説得力は確実に増します。

この同期のエピソードは、聞いただけでその様子が頭の中に浮かんできますよね。

まあ、これはかなりレベルの高いエピソードですが、みなさんにも何か目指すきっかけとなった具体的なエピソードはありませんか?

なかなか思いつかない人は、これまでに消防の人と接した経験はありませんか。

たとえば、

「自分や家族が救急車で運ばれ、救急隊にお世話になった」とか、「家がボヤになり消防隊が駆けつけてくれた」など。

ここまで直接的に絡んだことがないなら、

「近所で火事があり消防隊が鎮火してくれた」、「自然災害が発生した時に消防の人が避難誘導してくれた」、「学生の頃、避難訓練で指導してくれた消防士がきっかけで、、、」

など少しでも消防と接点があると、そこから話を膨らませることができますよね。

人は見た目が9割と言いますが、見た目同様に大事になってくるのが、最初の会話です。

志望動機は大抵最初の方に聞かれるので、ここがイマイチだと、後半がきついです。

サッカーでいうと、前半5分に失点したようなもの。

なので、志望動機は具体的なエピソードと共にしっかり考えましょう。

④なぜ他の消防ではなくうちの消防を目指したのですか

これも定番の質問です。

地元の消防本部を受けるのであれば、普通の答えですが「地元だからです」という理由でも通りますし、私もそのように答えて受かりました。

もちろんそれだけだとシンプル過ぎるので、多少肉付けもしてください。

また、地元ではなくても大学や専門学校で通っていた自治体、職場のある自治体であれば、接点はあるので理由は考えやすいですね。

私の同期でも地元以外の合格者は多かったので、対策をきちんと取っておけば地元じゃなくても合格できます。

安心してください。

一方、縁もゆかりもない消防本部を受ける人はなかなか大変ですが、理由をしっかり答えられるように。

地方から東京消防庁や政令指定都市の消防局を目指す人に多いかもしれませんね。

縁もゆかりもない分、そこを補うため、その消防本部やその管轄地域についていっぱい調べておいてください。

【消防業務について】

⑤ 興味がある部署はありますか

消防を目指している人が希望するのは、たいてい救助隊、消火隊(ポンプ隊)、救急隊でしょう。

最低でも自分の興味ある部署の仕事内容は調べておきましょう。

ただ、消防の仕事は災害現場だけではありません。

火災調査や予防業務、消防団との連絡調整、通信指令室など多岐にわたります。

もしも他人と差別化を図りたいのならここら辺を答えると面白いかも。

どの部署に興味があるかで評価に差がつくことはないでしょうが、

受験生A「興味があるのは救助隊です!」面接官「(でしょうね)」
受験生B「救急隊です!」面接官「(ですよね~)」
受験生C「救助隊です!」面接官「(またか)」
受験生D「指令室です!」面接官「(お~珍しい!)」

とはなるはず。

現場以外にも活躍している消防職員がいることを忘れないように。

まあどんな部署を答えても、だいたい、最初の配属は消火隊(ポンプ隊)です。

⑥ 殉職や危険にあう覚悟はありますか

消防士を目指している時点で「覚悟はありません」と答える人はまずいないと思いますけど。

でも「人のためなら死んでも構いません!」とオーバー過ぎる回答は引いてしまいます。

実際、消防では要救助者ではなく、まず自分の命を守ることが一番だと教えられます。

危険な状況にも冷静に対応できるようになるには、日々訓練に励むこと。

面接でやる気を見せ過ぎて、空回りしないように気を付けてくださいね。

ちなみに全国の消防吏員数は約16万8,000人で、そのうち殉職するのは年間約10人。

殉職する可能性はかなり低いです。

⑦ 24時間勤務も考えられますがどう思いますか

現場の職員は基本的に24時間勤務です。

災害は昼夜問わず起こりえるので当然ですよね。

24時間勤務も問題ない事をきちんとアピールしましょう。

24時間勤務でも仮眠時間はしっかりあります。

夜中に出動指令がかかれば寝れないですが。

現場ではない予防課や総務課などに配属されると、勤務時間はだいたい8時30分~17:15分までとなります。

ただ、最近は「デイタイム救急隊」など、現場の職員であっても、日勤と同じような勤務体系で働く隊が増え始めています。

介護や子育てで24時間働くことが難しい隊員にとってはありがたい勤務体系。

消防組織にもワークライフバランスの波が。

⑧ 市民が消防に求めるものは何だと思いますか

ひとりひとり求めるものは違うと思いますが、あなたの知り合いや家族に、「消防に求めるものは何?」と聞いてみたり、あなた自身が消防に何を求めるのか考えてみたりしてください。

あらかじめ聞いておけば、それを答えにすることができますね。

それを答えたら、「そのためにはどうすればいいか」という質問が続くので、その先まで考えておくといいです。

たとえば

市民が求めるもの「119番通報をしたら迅速に現場に来てほしい」
       ↓
そのためにはどうするか「日々の訓練で出動にかかる準備を短縮したり、非番の日に管内を回って道を覚え、現場までの最短経路を通るように心がける」など。

実際に私は道を覚えるため、非番の日に管内をバイクで回ったりしていました。

ちなみに救急車が現場で到着する時間は全国平均で10分18秒(令和5年)。

これは年々遅くなっており、令和4年は9分24秒、令和3年は8分54秒、20年前は6分6秒です。

これは単純に救急隊の質が低下したのではなく、全国的に救急出場が増えていることなどが要因です。

⑨ 消防士になってからの目標ややりたいことはありますか

この質問に答えられないと「本当に消防士になりたいの?」って疑問に思われます。

あなたの目標などをそのまま答えればいいです。

救助隊が目標という人は多いと思いますが、その先には国際消防救助隊などもありますよ。

ほかには、

・救急救命士の資格を取る
・危険物取扱者甲種を取り、危険物のスペシャリストになる
・消防学校の教官になる
・大型免許を取り、はしご車の機関員になる
・全国消防救助技術大会で優勝する
・多くの人の防災意識を向上させる

目標はいろいろ。

大きい消防本部ほど業務の幅は広がります。

小さい消防本部ほど兼務が多いです。

例えば救助隊には

・救助隊
・特別救助隊
・高度救助隊
・特別高度救助隊

がありますが、特別高度救助隊があるのは全国で21消防本部のみです。

⑩ 市民とどのように接していきますか

災害・救急現場で出会う市民のほとんどは、不安を抱えていたり苦しい状況にいます。

少しでも不安を取り除けるように、優しい言葉遣いや声掛けが大切です。

ただ、最近はちょっとした行動や発言がクレームに繋がることもあり得ます。

リスク管理して、言動に注意しながら市民に接するなど、ドライな部分も時には必要。

また、災害現場で邪魔な野次馬には、大声で注意しても構いません。

優しく丁寧な対応を基本としながらも、場合によっては毅然とした態度も必要。

ちなみに私が消防士の頃は「消防車を笑いながら運転している!」というアホなクレームもありました。

⑪ 上司と意見が違った場合どうしますか

消防は縦社会なので、上司と違う意見を真っ向からぶつけて、押し通すのはなかなか難しいです。

ただ単に相手の意見を否定をすると反抗的に感じてしまいます。

逆に、「なんでも上司の言うことを聞きます」って答えるだけじゃただのイエスマンという印象。

上司の意見が間違っていると思うのであれば、とことん話し合うことも大切ですね。

また、自分が正しいと思っていても、案外経験値が高い上司や先輩の意見を聞き入れると「そういうことだったのか」と気づくこともあります。

バランスの良い答えが妥当。

⑫ 集団生活は大丈夫ですか

集団生活が無理なら消防で働くことは無理です。

消防は24時間勤務なので、食事を一緒に取りますし、出動するときも常に一緒です。

消防署には自分の隊以外もあるので、何十人も働いています。

もちろん、ここでは「集団生活は大丈夫です」と答えるわけですが、「〇〇だから大丈夫です」というように根拠を併せて話せるといいです。

24時間集団生活を経験している人は少ないと思いますが、部活での集団行動は割と話しやすいですよね。

また、学生時代に寮生活や下宿をしていれば、当然集団生活を経験しているので、根拠としては十分です。

ちなみに消防車で出動する場合は3,4人、救急車で出動する場合は3人の隊員が乗車しています。

【不安・ストレス】

⑬ 消防士になることに不安はありませんか

不安があっても、「不安です」という一言で片づけないように。

それだけだと面接官も「この人大丈夫かな?」と不安になります。

もしも不安と答えるのであれば、「不安があるけど○○です」とフォローを付け加える。

「不安が消えるよう消防学校で体力やスキルを磨いていきます」、「多少不安はありますが、新しいことに挑戦することへの楽しみの方が上回っています」など。

また、おそらく不安と答えたら「どういったことに不安を感じていますか」という質問が続くので、そのへんの返しも考えておく。

体力の不安、危険への不安、人間関係の不安。。。

最初はいろいろ不安ですよね。

体力は意外とない人もいます。

危険はそれほどないです。

人間関係は運次第。。。

⑭ 消防でうまくやっていけますか

消防の業務をきちんとこなせるかはもちろんのこと、集団生活や上下関係のある世界に馴染むことができるかも確認している質問です。

この質問、略さずに言うと以下のような意図がある質問です。

「現場活動は体力を使いますし、夜中でも指令がかかるため、体への負担は大きいです。また、日勤に配属になるとデスクワークがメインとなるので、最低限のパソコンスキルも必要となってきます。そして、消防では24時間隊の仲間と一緒に過ごしますし、階級社会で上下関係がはっきりしています。そのため、上司や同僚、後輩と密接にコミュニケーションを取ることが求められますが、それでも消防でうまくやっていけますか?」

体力には問題ない、事務作業は大丈夫、集団生活も苦にならない、上下関係も大丈夫。

そういった根拠となるエピソードが話せるといいですね。

当然「自信がありません」と答える人はいないので、説得力のあるエピソードで面接官を納得させてください。

体育会系出身だとここらへんの話はしやすいかも。

⑮ 消防学校の訓練に耐える自信はありますか

おそらく、大きな自治体の消防学校であれば数人程度は辞めるかもしれません。

ただ、もちろん消防学校はきついですが、死ぬほどきついという訳ではないので、安心してください。

辞める人も少数です。

私の同期には高校の部活の方がきつかったと感じた人は結構いました。

部活や運動をしていた人は、練習に耐えたときの経験を軽く交えて説得力のある回答をしましょう。

消防学校で大変なことは以下のようなこと。

・集団生活
・体力錬成
・資器材の使い方を覚える
・座学
・早寝早起き
・たくさんの量を早く食べないといけない食事etc

集団生活に慣れてない人はそこが一番大変かも。

ちなみ消防学校で学んでいる間も基本給が支給されます。

⑯ ストレスについて

ストレス関係の質問は消防士に限らず、市役所職員、警察官など公務員試験全般で聞かれやすいです。

「ストレスは溜まりやすいですか」⇒ 溜まりやすいはNGです。

「ストレスの発散方法はありますか」⇒ ここはちゃんと具体的な方法を答えられるように。

「どういったことにストレスを感じますか」⇒ 人間関係でストレスが溜まるなどの回答はよろしくないです。

ここら辺の質問はセットでくる可能性があります。

参考に、私が面接を受けたとき、ストレス発散方法を答えたら「それができない場合もありますよね、そういった場合はどうしますか」という質問が続きました。

また、消防は人間関係によるストレスだけでなくPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性もあります。

PTSDは衝撃的な現場に遭遇した場合に発症しますが、強いメンタルを持っている人・ストレス耐性に強い人、誰にでも発症する可能性があります。

【消防の知識】

⑰ 消防の広域化について

消防関係の知識について向こうから聞いてくることはそんなに多くありません。

広域化のメリットとしては、スケールメリットですね。

小さい消防本部だと消防車の保有台数が少なく消防力が弱いですが、広域化することで複数の隊が現場に駆け付けることができるので、災害対応に厚みが増します。

現場到着の時間も短縮される傾向。

また、小さい消防本部だと何でも業務を兼務することが多いので、それも減らせる。

財政面では、各消防本部で通信システムの整備等を行うより、広域化させた方が経費の削減にも繋がります。

デメリットとしては、複数の消防本部を合体させたことによる、新たな職員配置、給与体系が違う場合の調整など。

現場レベルでいうと、消防戦術や考え方が各消防本部で多少違ってくると思うので、そこらへんに慣れるのが大変かも。

広域化の推進により、1995年には全国に931あった消防本部が2023年には722にまで再編されました。

ちなみに奈良県内では、2014年に11もの消防本部が統合して、新たに「奈良県広域消防組合」という巨大な消防本部が誕生。

一気に職員数が1,000人を超え、政令指定都市クラスの消防組織になりました。

⑱ 防災サポーターについて

防災サポーターについては聞き馴染みのない方も多いかもしれません。

防災サポーターは災害が起きた際に避難所などで、物資の運搬や救護の支援、運営を手伝うボランティアのことです。

また、地域によっては平常時にも地域の防災訓練を企画したり、講習会に参加したりします。

消防職員、消防団員、市町村職員以外にもこういったサポーターがいると地域の防災力は上がります。

すべての市町村に防災サポーターの制度があるわけではありませんが、新宿区にもあります。

市役所や消防署、大学のホームページなどで募集しています。

⑲ 火災報知機の設置率について

住宅用火災警報器は、消防法の改正により個人住宅への取り付けが義務付けられています。

消防では略して住警器と呼んだりもします。

総務省のデータによると住宅用火災警報器の全国の設置率は以下のとおり。

・令和5年6月1日時点:84.3%
・令和4年6月1日時点:84.0%
・令和3年6月1日時点:83.1%
・令和2年7月1日時点:82.6%
・令和元年7月1日時点:82.3%

少しずつですが微増していることが分かります。

都道府県別の設置率上位と下位
1位 福井県:95.6%
2位 宮城県:92.4%
2位 東京都:90.4%
4位 大分県:90.3%
・・・・・・・・・
44位 香川県:77.3%
45位 佐賀県:72.8%
46位 高知県:72.3%
47位 沖縄県:62.0%

こういった地域の消防本部を志望している人は、住警器について言及してみるのもいいかもしれません。

【外国語について】

⑳ 英語は喋れますか

あまりない質問ですが、近年は在留外国人や外国人観光客も増えている(コロナ期を除く)ので、こういった質問が来ることも。

趣味に海外旅行と記載したり、外国語学部の出身だったりすれば聞かれるかもしれません。

ほとんどの受験生は英語が話せないと思うので、普通に「話せません」と回答して構いません。

逆に英語が話せれば強いアピールポイントですね。

ちなみに日本に住む在留外国人は以下の国籍の順で多いです(令和5年6月末現在)。

1位:中国    :約78.8万人
2位:ベトナム  :約52.0万人
3位:韓国    :約41.2万人
4位:フィリピン :約31.0万人
5位:ブラジル  :約21.1万人
6位:ネパール  :約15.6万人
7位:インドネシア:約12.2万人
8位:ミャンマー :約7.0万人

出入国管理庁

ここらへんの言語を話せる人も是非アピールを。

㉑ 外国人に対してどのように接しますか

では日本語でコミュニケーションが取れない外国人にはどう対応すればいいのか。

救急の場合はコミュニケーションボードが有効です。

コミュニケーションボードとは、外国語やイラストが描いてあるボードのことで、患者に症状に合わせてボードを指差してもらい、会話しなくても病状を伝えることができるものです。

コミュニケーションボードを装備している救急車は増えています。

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コミュニケーションボードの例:大阪市消防局

また、近年は多言語音声アプリの導入も浸透しています。

タブレット端末を使い外国語で外国人とコミュニケ―ションが取れる「救急ボイストラ」は令和5月1月1日時点で683/723の消防本部が導入済みです。

⇒ 多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」

さらに都市部ではそのほかの災害現場でも、外国人と接する可能性はあります。

上手く会話できなくても、簡単な単語だけで要点を伝えることはできるので、災害に関する外国語だけでも勉強しておくと、現場で役立つかも。

・Evacuation:避難
・get away:離れて
・earthquake:地震


また、現場で接する以前に、日頃から外国人の救急・防災力を高めておくことも有効かもしれません。

119番すら知らない外国人は多いですし、国によっては地震を全く経験したことがない外国人もいます。

そんな状態で、異国の地で災害に遭遇したらかなり心細いはず。

外国人向けの救急講習や避難訓練を実施するなど、もしものために事前準備はさせておくべき。

【学生生活】

㉒ 大学では何を学びましたか

自分の専攻や学科を答えると思いますが、専攻が防災や医療関係であれば「本当に消防に興味があるんだな」と思われるのでポイントアップです。

ただ、多くの受験生は経済学部や法学部など、消防に関係ないことを学んでいるので特に心配はいりません。

ただ、自分が何を学んできたかきちんと話せないと「ずっと遊んでたんだな」と思われるので専攻の内容は最低限話せるように。

大事なのはその先、どういう展開になるか予測すること。

消防に関係のない事を学んできたのであれば、「どうしてそっち方面で就職活動しないのですか」という質問が続くことが想定できます。

専門卒の場合は専門学校で学んだこと、高卒の場合は高校生活について聞かれます。

㉓ 卒論について

高卒や社会人であれば聞かれることはないと思いますが、現役大学生や既卒1年目くらいだと卒論の内容を聞かれることも。

また、面接カードに書かせる消防本部もあります。

既卒だと自分の研究内容を忘れている人もいるかもしれませんが、念のため研究内容は思い出しておいてください。

ただ卒論の内容をダラダラと話されても、聞く側は疲れるだけなので、端的に手短に話すこと。

研究テーマが防災・医療に関することなら最高ですけどね。

㉔ 学生時代に頑張ったことは何ですか

社会人の方が受験する場合はあまり聞かれませんが、高校生、専門学生、大学生であれば学生時代のことはよく聞かれます。

既卒でも1年目程度であれば聞かれる場合も。

だいたいの人は部活、勉強、サークル、アルバイトあたりになるかと思います。

もしもほかの受験生と差別化を図りたいのであれば、これ以外に何かないか考えてみてください。

別に大したことじゃなくても大丈夫です。

その頑張ったことを通して何を得たのか、それを消防士としてどう活かすのか。

消防士の仕事に繋げられるように述べたいところ。

もしも、頑張ったことで何か結果が出たのであれば、具体的な数字なども述べると説得力が増します。

㉕ 部活動について

「何部だったか」、「部活で学んだこと」、「部内での自分の役割」などが聞かれます。

消防士を目指す多くの人は体育会系の部活に所属していると思いますが、帰宅部や文化系の部活だった場合は、「体力的に大丈夫か」聞かれるかもしれません。

体育部の方が、面接官も安心感はあると思いますが、私は高校、大学と帰宅部でしたが合格しました。

心配なし。

もしも途中で部活を辞めている人は、面接官から聞かれない限り自分から言う必要はないです。

わざわざ評価の下がりそうな内容は、オープンにしないこと。

体感的には野球部出身が多かったです。

そのほかサッカー部、陸上部、ラグビー部、柔道部など。

【社会人・アルバイト経験】

㉖ 社会人として学んだ事は何ですか

働いている社会人や、働いたことがある人はほぼ間違いなく仕事関係の話は聞かれます。

「仕事内容は」→「その仕事を行う上で心掛けていたことは」→「仕事で学んだことは」→「それを消防士としてどう活かすか」→「ではなぜ辞めたのか」

こういう一連の流れが想定できるので、全部答えられるようにあらかじめ対策をとっておくと楽です。

「学んだこと」からの、「それをどう活かすか」の流れが来る可能性は高いです。

なので、やはり「社会人として学んだことは」消防の仕事に活かせそうなことを回答した方が次の質問に対処しやすいです。

まあ、たいてい社会人として学んだことは消防で活かせると思います。

パソコンスキル、接客、スケジュール管理、消防には関係なさそうですが、こういったことも決して無駄ではありません。

㉗ アルバイトについて

学生や既卒フリーターなどがアルバイトについて聞かれます。

私も実際に既卒で受けたときにアルバイトのことは聞かれました。

「アルバイトで工夫したこと」、「同僚や先輩との接し方」、「失敗したこと」、「学んだこと」などの質問が考えられます。

既卒でアルバイトを1回もしたことがなく不安だという人は、日雇いでもいいので1回経験しておくといいかもしれません。

でないと、現役の学生かつアルバイトの経験もある人と比較した時に、ちょっと弱いです。

私の同期は、引っ越しや、居酒屋などのアルバイトをしていました。

私もいろんなアルバイトを経験しましたが、面接では一番長く働いたゲームセンターでのエピソードを話しました。

【友人関係】

㉘ 友人について

友人が例えいなくても、「いません」と答えてしまうと「人間関係に問題があるのかな」とマイナスな印象を与えかねません。

ましてや、消防は集団生活を伴い、人間関係が大事な組織です。

仮に親しい友人がいなくても、顔見知り程度の人を友人として答えておきましょう。

友人の有無だけで社交性があるのかは判断できませんが、面接官としてはひとつの指標にはなりますよね。

ほかに「友人間でのあなたの役割は」、「友人は多い方ですか」なども聞かれる場合があります。

㉙ 友人からどう思われていますか

「そんなこと知るか」って思いますが、何かしら答えなければいけませんね。

あまり良くないことを友人から言われていても、面接で不利になりそうなことは正直に答えなくていいです。

「友人からはよく時間にルーズだと言われます」なんて言ってもまったく評価されないですし、むしろマイナスな印象です。

できればプラスなことを、マイナスなことであっても、ほんの小さなことに留めておきましょう。

ただ、いいことばっかり言っても自意識過剰と捉えられるので、バランスや伝え方が重要。

【性格】

㉚ 自分の性格について

これもバランスのいい回答が好ましいです。

謙遜し過ぎるとアピールする機会を無駄にしてしまうので、基本はポジティブな回答を。

かといって、これでもかというくらい自分を褒め過ぎてしまうと、面接官も胃もたれします。

自己分析で自分の性格を把握して、スマートに自分の良い面を答えられるように。

ここで「友人からも○○とよく言われます」という第三者からの意見を肉付けする方法もあります。

㉛ 長所と短所を教えてください

長所は面接官へのアピールになります。

効果的にアピールするには、その長所が分かるような具体的なエピソードを交えることが肝心です。

エピソードを交えた長所を答えた次の展開として、面接官はそのエピソードについて深く掘り下げてくるか、もしくはそれをどう消防の仕事で活かすかなどの質問が予想されます。

なので、適当に作ったエピソードだとボロが出るので注意。

どんな質問でも、それに返答したら面接官は次にどんな反応をするだろうか、ある程度予測は可能です。

予測しておけば、焦って沈黙することも減ります。

短所については、仕事に直結するようなことは、あえて言う必要はありません。

「短所は集団生活が苦手なことです」なんて言ったら落ちると思います。

消防の仕事にそこまで影響がなさそうなものを選んで答えるのが無難です。

「短所は特にありません」はさすがにうぬぼれです。

㉜ 短所を改善するように何か心がけていますか

あなたが普段から心掛けていることをそのまま話してください。

もしも、今まで改善の努力をしていなかった人は、これを機会に、どうすれば自分の短所が良くなるのかを考えてみてください。

それを今日から実践すればそれが答えになります。

例えば短所が「人に甘すぎる」であれば、「今までは人がミスをしても、全て大丈夫と受け流していましたが、最近は相手の先のことまで考え、注意した方が相手のためになると思ったことはきちんと注意するように心がけています。」など。

㉝ 自信があることは何ですか

みなさんの自信があることについて話すところですが、中には「自信があることなんて何もない」という人もいると思います。

そんな人は自分の趣味や、ほかの人よりも少しできることなどを、膨らませて話してみてください。

消防の仕事に少しでも関係あることだったらよりいいですね。

例えば、「歌うことには自信があります」、「将棋は誰にも負けません」、「ファッションセンスには自信があります」などとと答えても別に構いませんが、「車の運転」、「体力」、「地元の地理、土地勘」、「料理」こういった内容を返答をすれば面接官も、消防でも活躍してくれそうだなとイメージできます。

㉞ 自分のどういったところが消防士に向いていると思いますか

自分をアピールしつつ、ナチュラルに消防士をリスペクトするような回答だと、面接官も嫌な気になりません。

面接官自身も消防士ということは多いので。

例えば「体力がある点と正義感が強い部分が消防士に向いていると思います。学生の頃から体作りに励んでいたので、体力には自信がありますし、困っている人には自分から積極的に声をかけるような性格です。消防士も、体力はもちろん、正義感が強くないと人を助けることはできないと思うので、そういった部分が消防士に向いていると自負しています。」みたいな感じ。

するとおそらく、「正義感が強いとおっしゃいましたが、何か人を助けたような経験はありますか」みたいな質問が続きます。

そうきたら、より具体的なエピソードを披露。

【趣味・余暇・関心ごと】

㉟ 趣味はありますか

消防士を志望している人は体育会系の人が多いので、おそらく趣味は「筋トレ、サッカー、野球、ランニング」など運動関係に集中するんじゃないかなと思います。

もちろんそれで大丈夫です。

逆に、「パソコン」「料理」「ドローン操作」「吹奏楽」などスポーツ系じゃない趣味を答えるのもありです。

パソコンは消防士でも必ず操作しますし、料理が上手だと消防署で役に立ちます。

また、最近はドローンを導入する消防本部が増えていますし、音楽ができる人は音楽隊でも活躍できます。

意外と趣味が消防業務に役立ちます。

㊱ 休日はどのように過ごしていますか

休日はインドア、アウトドアどちらでも構いません。

家で過ごすことが悪いことではないですし、消防士も家でのんびりすることなんて普通です。

ただインドアだとしても「家で1日ゴロゴロしています」みたいな言い方はしないように。

言い回しが大事です。

リアルな消防士になると、休日は筋トレ、ランニング、山登り、草野球、ツーリング、飲み会、合コン、パチンコ、家の手伝いなんかをしています。

㊲ 最近関心を持っていることは何ですか

消防の面接だからと言っても、無理に消防に関することだけにこだわらなくてもいいです。

話したければ話していいし、ほかに興味があればそれでもいいです。

たとえば、横浜市消防局を志望しているのであれば、横浜市の行政や町のイベントに関することを話すのもありです。

スポーツに興味があったり、実際にスポーツをしていればそれに関することについても。

消防関係の話をさりげなく知識交えながら話すと、「お、詳しいな」と思われるかもしれませんが、面接官は消防職員である可能性が高く、消防のプロです。

消防のことについて話したら、もちろん深堀される可能性もあります。

ただ、「消防に関することで最近興味があることは?」と聞かれる可能性もあるので両方準備しておくといいかもしれません。

【志望先・自治体について】

㊳ ○○市の消防にはどういうイメージを持っていますか

志望先の消防本部について何も知らなければイメージもクソもないので、基本的な知識だけは事前に調べておきましょう。

各消防本部が発行している消防年報や消防白書を見ると、その管轄の火災件数や消防本部の予算、組織図などいろんなデータを入手できます。

また、救急講習を受けに行ったり、訓練を見に行ったりすると、よりイメージを答えやすいかもしれません。

イメージの上を行く実体験を基にした感想ですね。

参考に東京消防庁と政令指定都市の消防局が発行している消防年報(白書)を紹介します。

札幌市消防局 ⇒『消防年報』
仙台市消防局 ⇒『消防概況』
さいたま市消防局 ⇒『消防年報』
千葉市消防局 ⇒『消防年報』
東京消防庁 ⇒『東京の消防白書』
川崎市消防局 ⇒『消防年報』
横浜市消防局 ⇒『年報』
相模原市消防局 ⇒『消防年報』
新潟市消防局 ⇒『消防年報』
浜松市消防局 ⇒『消防年報』
静岡市消防局 ⇒『消防年報』
愛知県 ⇒『消防年報』
京都市消防局 ⇒『年報と記録』
大阪市消防局 ⇒『消防年報』
堺市消防局 ⇒『消防年報』
神戸市消防局 ⇒『消防白書』
岡山市消防局 ⇒『消防年報』
広島市消防局 ⇒『消防年報』
北九州市消防局 ⇒『消防年報』
福岡市消防局 ⇒『消防年報』
熊本市消防局 ⇒『消防年報』

㊴ 消防署に行ったことはありますか

意外と小学校の社会科見学以外では、行ったがことがない人が多いかもしれませんね。

消防署は定期的に救命講習などを行っているので、もしまだ面接までに余裕があれば、参加してみると少しは消防署の雰囲気が分かりますよ。

もしくは思い切って、消防署の訓練を見学させてもらうとか。

だいたい朝に資器材の点検をした後は訓練をしています。

訓練の様子を見ることができますし、見学しに行ったことを面接で話すこともできるので一石二鳥です。

ちなみ私は試験を受ける前に消防署に行ったことがあります。

㊵ 〇〇市の魅力は何ですか

消防士は消防職員であると同時に、市町村などの自治体職員でもあります。

そのため、消防のことだけではなく、その自治体のことについて聞かれることもあります。

確かに自分が守る管轄地域に愛着がある方が仕事に対するモチベーションも上がりますよね。

自分の地元以外の消防本部を受ける場合は、志望先だけでなく、「あなたの地元について紹介してください」という不意な質問が来ることもあるので要注意。

もちろん消防に関係ない事を答えても問題ありません。

「教育環境が充実している」、「自然豊かだけど都市部へのアクセスもいいところ」など。

㊶ ○○市に足りないものは何だと思いますか

消防士としてよりも、その市町村の自治体職員として聞かれている質問ですね。

観光、公共交通、子育て環境、雇用、何でもいいです。

ただ、「ではどうすればいいと思いますか?」という質問が返ってくることも想定して答えましょう。

行政色の強い質問なので、消防志望の方にとっては少し難しいかもしれませんが、あまり聞かれることはありません。

特に、広域連合や消防組合など複数の市町村を管轄する消防本部では、聞かれることは少ないです。

【その他】

㊷ 消防士を目指すにあたり、誰かに相談しましたか

この質問は、きちんと悩み事を周囲に相談できるか、他人の意見を聞くことができるかを確認していると推測できます。

「誰にも相談していません」よりも「○○に相談しました」と回答した方が、質問の意図に合います。

仕事でも、分からない事を上司に聞いたり、困っていることは先輩に相談したりする職員の方が安心します。

仕事でよく言う報連相の相、「相談」ですね。

おそらく、「○○に相談しました」と答えた後に「それで、○○は何と言っていましたか」という質問が返ってきます。

相談相手は、家族、友人、先生、先輩、知り合いの消防士など。

消防士は世間からのイメージは抜群だし、公務員なので反対する人はいないでしょう。

㊸ 理想の消防士像を教えてください

”理想の”という言葉が付いていますが、抽象的な答えに留まらず、具体的な部分まで考えておいた方がいいです。

そうすることで「なぜそう思いますか」という質問にも対処できます。

具体例を付け加えると面接官もイメージしやすいかもしれません。

ただ「多くの人に信頼される消防士」だとぼんやりし過ぎです。

具体例を交えて肉付けを。

㊹ 受験勉強について

学生か社会人かで質問の内容は若干違います。

学生なら、「どのくらい勉強したか」など、どちらかというと簡単な質問です。

社会人が受験する場合は、働きながら受験する人と、仕事を辞めて勉強に集中した人でも内容は変わります。

働きながら受験した人への質問は「働きながらの受験勉強は大変ではなかったか」、「職場には話しているのか」「もし受かったらいつ辞めるのか」など。

仕事を辞めて受験した人への質問は「落ちたらどうするか」「働きながらじゃダメだったのか」など。

どちらのパターンでも合格はできるので心配なし。

㊺ ボランティアについて

ボランティアをしたことがない人で、まだ面接まで時間がある人は1度経験しておくといいかも。

経験がなければ「したことはありません」で話は終わります。
最近は自然災害が増えているので、被災地にボランティアに行ってみるのもいいのではないでしょうか。

被災した方の役に立つことができますし、ついでに面接のエピソードにもなります。

ボランティアは、被災地支援、高齢者のお手伝い、清掃活動、観光案内、献血などいろいろあります。

学生だと学校で募集していることも多いので確認してみてください。

また、ネットで検索するとNPO法人などがいろいろと募集していますよ。

私は面接で1度だけ聞かれたことがあります。

㊻ 挫折した経験はありますか

わざわざ質問してくるということは「挫折したことはありません」という回答では良くないということが分かりますよね。

「この受験者は挫折がないほど優秀なのか」というよりも、「この受験者は苦労したことがないのかな」という印象を持たれるかもしれません。

何かに対して努力しないと挫折を味わうことができないので、面接官としてはそういった努力をした経験があるかも併せて確認することができます。

大なり小なり誰しも挫折経験はあると思いますが、小さい挫折しかない場合は、それを掘り下げてみてください。

何となく分かると思いますが、答えたあとは「その挫折から学んだことは」、「その経験をどう消防に活かすか」などの質問が来る可能性があります。

また、挫折経験と類似の質問としては「悔しかった経験はありますか」などがあります。

㊼ なぜ警察官の採用試験も受けたのですか

消防志望の人は、同じ公安系の警察官と併願する人もいるかもしれません。

たまに「地元の消防+地元の警察」を受ける人はいますね。

その場合、普通に考えて「なぜ警察も受けているの?」って疑問は持たれますが、人々の安全を守るという共通点があります。

その中で、消防と警察の業務の違いを比較した結果、より消防の仕事に魅力を感じたことを伝え、あくまで警察は第二志望、消防が本命であることをアピールしましょう。

【面接の終盤】

㊽ 併願状況を教えてください

この質問で面接官は、「本当にうちが第一志望なのか」「内定を出した後に辞退しないだろうか」を確認しています。

まず、公務員試験では併願が当たり前なので、併願していること自体は特に問題ありません。

きちんと面接官に本命であることを伝えて、向こうが安心して内定を出せるようにアシストしましょう。

本命ではない場合、、、ウ〇も方便です。

いちいち受験生がどこを受験しているかなんて、調べないので安心してください。

逆に、第一志望と思われない回答はやめましょう。

例えば消防の面接で、併願先として2つの警察本部を答えたら、「警察官が本命なんじゃないの?」って思われます。

㊾ 受かったら必ず入りますか

併願先を答えた場合は、確認を込めて最後に聞かれることも。

本命じゃなくても、「第一志望です」、「必ず入ります」としか言いようがないですよね。

面接官もほとんどの受験生が「必ず入ります」と答えるのは承知しているところ。

そこで返答を考えたり間があると、うちは本命じゃないかもと思われてしまいますし、そう言ったところを見ていると思います。

ただ、誠意を込めてきちんと理由を述べた上で、「まだ併願先と迷っています」と答え、合格している人はいました。

㊿ 最後に何かありますか

「特にありません」は、味気ないので何かしらアクションはしておきたいところ。

かといって、張り切り過ぎて面接官が返答に困ったり、それ聞いてどうするの?みたいな質問も最後に微妙な印象を与えます。

「空気呼吸器の残圧の計算方法を教えてください!」なんて面接で聞いても意味ないですよね。

質問するなら、自分が知りたいコト及び、面接官も答えやすいコトが望ましいです。

【おわりに】

質問の紹介と解説を50問実施しました。

この記事を読んだ方はこれで、消防の面接ではどういった内容の質問がくるか把握できました。

面接まで時間がない人は、これを基に大事だと思う部分の想定問答を行い、時間がある人は、できるだけ多くの質問に対して想定問答を行ってください。

一言一句準備をしなくても、ある程度準備しておけば、これ以外の質問が来た場合でも応用は効きます。

たとえば、「挫折した経験について」あらかじめ準備しておけば、「悔しかったことについて」聞かれた場合でも、ほとんど同じ内容のエピソードを代用することができます。

また、ひとりひとり、これまでの経歴によって深く聞かれる部分は違ってくるので、みなさんが特に深く質問されそうだなと思う点については、重点的に想定問答を実施してください。

筆記試験の勉強を必死で頑張ってせっかく面接までたどり着いたのに、面接の対策だけ何となくで済ませて落ちたらもったいないです。

もったいなさ過ぎます。

努力が水の泡です。

筆記試験を朝から晩まで頑張ってこれた人は、面接対策だって朝から晩まで頑張ってください!

休むのは全ての試験が終わってからでも遅くない。

みなさんが試験に合格することを祈っています。

頑張って!!

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