【掌編小説】京田辺の知人
京田辺をテーマとした怪談が募集されていることをしり、U野は思いきって挑戦することにきめた。けれども旅行経験にとぼしい彼は京都府におもむいたことがなく、京田辺の地理にも歴史にもうといのが悩みの種である。でたらめな情報を書きちらして恥をかきたくはなかった。そこでインターネットを利用して地域の概略をしらべることにした。
入手できる情報量はおおい。だが、検索だけでは心もとなかった。致命的といえる知識不足をさらすのをおそれるあまり、U野は頭をかかえるばかりでなかなか書きだせずにいた