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落ち着く場所(1)

日々、いろんな事で「なんか、疲れた~なぁー。」となった時、
気持ちを整理して気分転換したり、自分自身を励ましたり、
沈む気持ちを奮い立たせる時に訪れ、ゆったりと過ごす
お気に入りの場所がいくつかあります。
初めてここで書いた、京都盆地北部にある「正伝寺」もそのひとつですが、
今回は奈良公園の南東部にある「新薬師寺」をごく簡単に紹介します。

新薬師寺は、天平年間に、聖武天皇の病気平癒を願って
光明皇后が建立し「香山薬師寺」とも呼ばれました。
三尊像形式の七体の薬師如来坐像と十二神将像が並ぶ、
東西約60メートルの大きな金堂を備えた、壮大な寺院だったようで、
近くの奈良教育大学の辺りまで境内でした。
東西の幅だけをみると、東大寺大仏殿とほぼ同じになりますね。
しかし、その後、暴風により建物が倒壊してしまい、
残っていた建物を本堂として、今に伝わります。

新薬師寺 本堂(新年を迎えて)

南門を潜って正面に本堂があります。
奈良時代から残る建物で、当時は食堂(じきどう)であったようです。
本堂との間には石造りの灯籠があり、
南門を入って広がる景色は、とても落ち着いた心地にしてくれます。

本堂は床ではなく、土間になっていて太い柱が屋根を支えています。
そして、中央の円壇に木造の薬師如来坐像が居られ、
丸いふくよかなお顔立ちで、正面から拝すると、
大きな眼に見守られている実感が沸々と湧き上がってきます。
光背には六つの薬師如来が居られて、七仏薬師の形になっています。

「新薬師寺パンフレット」より

薬師如来の回りを囲むように、十二神将が立っておられます。
創建当時の十二神将像ではありませんが、
ほぼ等身大の諸像が外側を向いて並んでいて、
各像の正面に立ち、しばらくお顔を拝し、そのように順に歩くうちに
親近感というか、身近に感じ、十二の像のすべてが怒りの表情なのに
優しく安心させてくださるのです。

「新薬師寺パンフレット」より

ご本尊は、昨年に修理に入りました。
「紡ぐプロジェクト」の2023年の対象になっていて、
現在は、本尊 薬師如来の台座がない状態になっているようです。

また、時折、ほかの私の落ち着く場所もご紹介していきます。

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