見出し画像

狛犬にも推しはいるので -セーラー服にお願い!-

タイトルの通り、狛犬界の推しの話をします。

狛犬界といえば人気なのはおじゃる丸のニコリン坊、オコリン坊ではないでしょうか。青とピンクの狛犬ツインズ。わたしも、月光町の住人(?)の中でいちばん好きです。

しかし!そんなニコ坊オコ坊を差し置いてわたしが推している狛犬は、田中メカ先生の『セーラー服にお願い!』に出てくるシシさんなのです。


松本雛菊は16歳の女子高生。ある日校舎の裏山の神社を半壊させ、ご神体の鏡を体に取り込んでしまう! そのせいで、否応なしに“神様代理”を引き受けるハメに!! ヒトにもなれる狛犬・シシとコマが同居し、雛を護ってくれるというが…!?
マンガParkあらすじより


LaLaで連載されていた全4巻のファンタジー少女漫画。

前半は割とコメディ要素が強いものの後半は結構シリアスになっていきますね。3巻から一気に切なさがヒートアップ。

田中メカ先生の絵、すごく好きなんですよ。
『お迎えです。』や『天然パールピンク』や『キスよりも早く』あたりがわたしは世代ですね。
『お迎えです。』は2016年に福士蒼汰×土屋太鳳でドラマ化もされているので知っているひとも多いかもしれません。



さて、話のメインである狛犬のシシさん。

金髪、和服、腰に剣、首に鈴。
守備よりも攻撃メイン。
狛犬の姿の時は黒犬。
ぶっきらぼうで人間嫌い。
お茶と甘味が好き。


特徴を挙げるとこんな感じなんですけどね、どこが好きかって、こう徐々に相手に心を開いていく過程がたまらなく良いんですよ。雛菊も言っていたけれど、野良犬が懐いていくような感覚。

人間嫌いで「あんまり馴れなれしく話しかけんな」なんて最初は警戒心剥き出しにしていたシシがいつの間にか雛菊によって人間のルールを叩き込まれて、今このおやつ勝手に食べたら怒られる…ってところまで考えるようになるんですよ。はい、もう可愛い一択。

雛菊のこと最初は「人間」とか「人間の女」って呼び方しかしないんですけど、初めて「ひな」って名前を呼ぶところとかもう、ぐわわってなります。しかもね名前を呼ぶのがメインじゃなくて、最後に名前をそっと付け足されるんですよ。分かりますか?シシさん、ずるいよそれは。


普通の少女漫画とは違ってファンタジー要素がある分、ドキドキする場面もまたちょっと違います。

雛菊の右手の手の平から「神様のチカラ」が特に強く放出されているんですが、狛犬さんたちのご飯ってその神様のチカラな訳ですよ。

ええ、言いたいこと伝わりましたかね?

わたしは手の平へのキスを見たときに、はわわわわってなりましたよ。なるでしょ?ならない?!いや、別にキスじゃないんだ。パワーを分け与えるだけの行為なんだからドキドキする必要もないのに、って考えてしまうとむしろドキドキしてしまう、それこそまさに乙女心じゃないんですか、どうなんですか。

もうひとりの狛犬、コマさんは優しくてお気楽でノリが良いので最初から「ひなちゃん」って呼ぶし「いただきますっ」って恥ずかし気も無く口を付けるんですけど(まあ狛犬側からすれば食事だしね)シシさんの場合は「いーから右手!テメーの残りの力全部よこせ!」なんて言って奪っていくんですよ。ああ、罪深い。

力を貰って敵を倒した後で、力を奪われてヘロヘロな雛菊を背負って帰るシシさんも良いですし。はあ、背負われたい以外の選択肢ないでしょ。


ぶっきらぼうで口が悪いって言われているけれど、人の話はちゃんと聞いているし、考えてから喋るし、口は多少悪くとも言葉遣いは丁寧だから誠実な感じもするのよね。

想いを自覚してからのシシさんはちょっと強気で強引な感じでこれもまた最高なんですよ…。

あ、でも恋愛したいのはシシさんだけど、
同居が楽しそうなのは断然コマさん。



この先は何を書いてもネタバレになりそうなのであまり書きませんが、人間同士以外の恋愛でこんなにもときめいた作品ってあまりないです。

まあ、実はシシさんって元々は人間だったりするんですけど。そこがまた大きな問題点だったりもして切なさの引き金になるんですけど。

あと主人公の雛菊がとっても好きです。
神様の力とか関係なく、ダメなことはダメってきちんと伝えられる強さを持っているところが好き。好きすぎて、娘が生まれたら雛菊って名前を付けたいなって一時期考えていたほど。(他の漫画でも良くあるやつ)



3月は外出する機会も減りそうなので本棚のマンガを再読する期間にしようかなと思っています。久しぶりに読んだけど、やっぱりシシさんが好き。

いやでもあれですね、少女漫画のレビューは結構恥ずかしい。

読んで下さってありがとうございます◎ 戴いたサポートは多くの愛すべきコンテンツに投資します!