世の中綺麗事ばかりではない。人間だから妬みや嫉妬は大人になってもある。
久々の読書日記を書いていく。今年も沢山の本を読んでいるのだけど、noteでの発信はほんの一部。これからは自分の備忘録のためにも書いて行きたいなって思う。
さて、今回読んだ本は高杉良さんの「人事の嵐」。
この本はいくつかの短編集から成り立っているため、1冊で複数の物語を味わえる贅沢な内容だった。
「人事の嵐」で描写されているものは、「人間の弱さ」であった。高杉良さんの小説は経済小説なので、色んな会社で起こっている物語が小説になっている。
そして、今回読んだ「人事の嵐」では各企業の人事異動の裏側を実際に起こりうる出来事として理解できるものだった。
私は大企業で働いたことはないため、新聞で発表される人事異動の情報には疎い。でも、新聞で発表される人事異動の情報って実は色んな工作があるんだなって知ることができた。何より小説で面白かったのは、企業内のドロドロな人間関係と、マスコミ側の気持ちも描かれているのが面白かった。
小説では、同族経営による役員昇格や意図しない社長交代。マスコミの圧力により、予定通りに行えない人事異動など、利益争い、権力争いが引き金となることが共通していた。私が感じたことは、人間には欲があり、それが妬みや嫉妬、足の引っ張り合いにつながるということだ。
学生の時も同じような経験があった。喧嘩の強い人に逆らえないいじめ。友人と好きな人がかぶった時、意図しない友人との争い。部活動でのレギュラー争いなど。自分のために相手を傷つけたり、相手を下げることを言って後悔することもあった。
それが、大人になり企業に務め始めても起こりうる。出生争いにもまれるし、上司からも褒められたいし、自分の給与も増やしたい。色んな欲があり、満たすために競争環境にさらされるのだ。
私も常々思うのだが、自分のあらゆる欲がなくなり、他人に嫉妬することもなくなったらどんなに楽に生きれるのだろうかと。欲にまみれなくなることは成長していく中でできるようになるけど、「完全に欲をなくすこと」はできない。
今回、「人事の嵐」を読んでみて日常に取り入れていきたいことは、どんなに尊敬する人でも、仕事ができる先輩でも、必ず欲があるということを理解すること。そして、時には欲によって理不尽な言動が起こりうることを理解することだ。
決して欲があるのが悪いと言いたいわけではない。むしろそれが普通だと思うことが大事だと思う。大人になると自然と相手に対する期待値が高まる。そして、その期待値によって「相手は善人である」と思いたくなるのだ。だから、ちょっとした理不尽が起こるとブラック企業だと捉えたり、上長の悪口が耐えなくなるのではないかと思う。
でも、人はみな聖人ではないし、大人になってからでも今回の小説のように、自分の利益を優先することで他者を傷つけてしまうこともあるのだ。
相手を信頼することは仕事をする上では大切だと感じる。
同時に、信頼するだけでなく、相手の理不尽さについても理解する姿勢と、受け流す思考が大事なんだと小説から学んだ。
人は完璧ではないからこそ、見て見ぬ振りをするのではなく、お互いに正しあえる関係をつくることが必要なんだ。
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