幸せな働き方って何だろう?
今年最後の読書日記は高杉良さんの「世襲人事」。世襲という言葉を僕は知らなかったのだが、遺伝や承継の意味らしい。世襲人事というと「同族経営」が思い浮かぶ。
この本をとったきっかけとしては、以前勤めていた会社がまさに同族経営であり、僕と歳の高い先輩が丁度社長に切り替わった経験もあったからだ。今は別の会社で働いているので、前職がどうなっているかはわからないが、若くして社長の経験ができる素晴らしさと社長というとてつもないプレッシャーに耐えている姿を目の当たりにしていた。
あらすじ
「世襲人事」も同じように、商社で働いている主人公の父親が生命保険の社長であり、時期社長として自分の会社に迎え入れるところから始まる。
息子としては社長は引き継がず、商社で働き続けたい思いがあったのだが、父親の猛烈な申し入れにより泣く泣く生命保険会社に転職するのである。
そして、周囲からの反対や社内のプレッシャーを背負いながらも、3年間で取締役まで上り詰め理想の上司として立場を形成する。(ここに至るまでに本人の血みどろな努力がある…)
しかし、悲しいことに体調が徐々に悪くなり次期社長になる前に命が尽きてしまうのだ。
何が幸せだったのだろうか?
僕も新卒の時はいずれは社長になりたい!って思って社会に出た。今でもその気持ちは変わらない。
けど世襲人事を読んで考えたのは、自分にとっての幸せの形ってなんだろうかということ。主人公のような様々なプレッシャーを跳ね除け、仕事で結果を出し、部下のために休日も惜しまない姿はとてつもなくカッコいいと素直に思った。けど、それと命を引き換えるのはどうなのか?仕事は楽しいし、生きている限り続けていきたいと思う。自分一人だったら仕事に精を費やしても良いかなって思えた。
僕には家族もいるし、仕事以外の趣味も楽しみたい。そう考えた時には、自らの寿命を縮めるほど仕事に命をかける覚悟はないのかもしれない。(むしろそういった生き方が幸せではないかも)
何を幸せに感じるかは人それぞれ
小説の中の主人公はこの物語の生き方でよかったのだろうか?本人にとっては幸せだったのかもしれない。
自分にとって仕事はどんな位置付けなのか?
仕事が生き甲斐の人もいるし、プライベートを大切にしたい人もいる。自分の幸せを増やすためには、「自分が何を大切にしているか」をきちんと整理しておく必要があるだろう。
僕は仕事も頑張りたいし、家庭も大事にしたい。どちらかに比重が偏るのではなく、どちらもバランスよくこなす。贅沢な考えかもしれないが、僕にとっては両方ともが大切だ。
今回は幸せについて、「世襲人事」から感じたことを書いていった。他にも「リーダーの在り方」や「責任感」と言ったテーマでも学べる小説。是非、働くビジネスパーソンにはおすすめの一冊でした。