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「申請と申出。役所で見かけるけどどう違うの?」

こんばんは。

すべての自治体が来年4月以降、地方公務員の定年延長、個人情報保護制度の霞ヶ関への集権化といったビッグウェーブに飲み込まれます。
その事前準備として不可欠となる条例改正(12月議会の議案書は100ページ超)やら検察協議やらで、屍に鞭打たれる状況…他の自治体の法制担当も目が虚ろなんだろうなあ、、、

ひとしきり、Day7から更新が滞った言い訳をしたところで、本題に入ります。

住民の皆さんが役所を訪れ、手渡される書類は申請書と申出書に大別されます。
便宜上、前者による処理フローを「申請システム」、後者による処理フローを「申出システム」と仮称を付けますね。

「申請システム」とは、行政に特定の行為を希望する者に申請権を与えるシステムになります。この場合、申請書を提出すれば、必ず審査され、特定の行為の実施か不実施の行政処分を受けることが権利として保障されます(行政手続法7条)。不実施の場合は、決定の取消しや実施を求めて行政不服審査法上の不服申立てや取消訴訟を行うことができます。

一方、「申出システム」とは、行政に特定の行為を希望する者に申請権を認めず、希望者からの「特定の行為をして欲しい」という意思表示を「申出」とするものです。法的に保障された申請ではなく、要請であり、情報提供になります。不実施の決定は単なる通知(お知らせ)となり不実施に対する不服申立てや取消訴訟を行うことができません。

以上が「申請」と「申出」の相違点になりますが、当然、行政が申出システムを安易に乱発することは差し控えるべきでしょう。国民(住民)が保障されるべき権利については、きちんと審査され、不服申立てや取消訴訟といった救済措置を設ける申請システムが採用されるべきです。

お住まいの市町村の役所のホームページをご覧いただけば、さまざまな権利に対する役所の考え方(役所側の論理からすれば、回避したい面倒ごとと考えている特定の行為)がわかるかもしれませんよ 笑

今回はこのあたりで。ではでは。

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