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Blue Blue Blue, and sometimes Gray and Purple (詩)

月刊詩誌「ココア共和国」2021年9月 傑作 書籍掲載

たとえば孤独とか
自分が嫌いだとか
誰も傷つけたくないし 自分も傷つきたくないから 
黙ってじっと隠れていたいとか
誰かを想いたいのに 誰かを幸せにしたいのに 
ぜったいにできないであろう自分とか
自己否定なんて自分大好きの裏返しだよ、という心の声とか
混乱と混沌と混迷と困惑と
言葉を尽くして喋っても書いても伝わらないこととか
伝わらないなんて当たり前じゃんてつっこむ自分とか
だけど黙っていてもやっぱり何も伝わらないこととか
もうずいぶん長く生きて大人になって誕生より死の方が近い今とか
それなのに
夏休みの終わりの夕暮れの風に吹かれてるみたいに心細い自分とか
そんなふうにぐちゃぐちゃの自分を誰も知らないこととか
隣で笑ってるあの人も本当は
こんな風にぐちゃぐちゃなのかもしれないことに気づけない自分とか
空っぽのまま すーすーする心を デフォルトだと思えないこととか
空の蒼さが苦しくて
曇り空がしっくりきて
紫の夕焼けがかき立てる不安と興奮が身体に満ちて不敵に笑う
 

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