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江戸の暮らしを参考に物の本質を知る

アメニティ選ぶのが単純に見えてとてもむずかしいです。何にも考えずに「あ、これかっけーから買お」って感じでモノを選んでいたかと思い知らされているわけです。決して悪いことではない。感性大事。ご存知の通りモノに溢れている時代、有象無象をかき分けて選ばないといかんのです。

今まではホテルの建築などのハード面を中心に脳みそを使っていましたが、最近はもっぱらアメニティについて考えています。雑誌を読み、ツイートを漁り、外に出ては「誰が何の素材でどうやって作ったんだ?」と躍起になって探します。早々にぶつかったのが、このアメニティを選ぶ基準ってそもそも何だ?ということです。

「物の価値を知る」という考え

短期宿泊禁止、ホテルに何度も泊まりに来てもらいたい、継続した関係値や部屋での悠久とも言える時間を過ごしてもらうこと。「時間軸の長さ」というのはこもるでの一つのキーワードである以上、アメニティ選びにも「長く使う」というのが基準の一つです。それは谷崎潤一郎の陰翳礼讃にも書かれていましたが、「手垢、淀み、傷がつくことで見える陰翳がついた表情を知ることで、物の本来の価値を学ぶ」ことが一つ、こもるとして大事な価値観です。従来のホテルでは「歯ブラシもスリッパも一日使って捨てる」というのが多く、捨てる前提でアメニティを選んでいるが故に、良い出会いも無かったりします。勿体ないなと。

参考にしているのが「江戸の暮らし」ですね。「長く使い続けるための工夫と知恵と匠の技術」という話です。今までは気にせずに生きてきたんですが、最近では長く使えるものが見つかると嬉しいです。

「江戸の人々が制約の中から、優れた知恵や工夫、技を生み出したように、あえて資源を制約することが現代社会を変える起爆力になるのかもしれません。」

ここで書かれているのはサステナビリティを江戸時代の暮らし方から学ぶ的な話ですが、僕自身サステナビリティを詳しくわかっていないが故に、詳しくない分野を追いかけず(学ぶ)、興味のある「限りある資源を創意工夫をし、長くつかっていくこと」という考えを参考にしていきます。金継ぎとか、仕立てとか何度も使い再生をし、元の素材を生かして新しい価値を生み出すことで生まれる表情を楽しみにする。

こもるで使うもの全てをゴミとして捨てるのではなく、長く使うことで、開業当時よりも価値がむしろ上がっていくようなホテルを目指しています。これは、老朽化によりホテルの建物としての価値が低減していくのですが、ホテルも同様に、創意工夫をしより長く使うことを強く掲げ、10年後に価値が上がっていくような場所になるようにと、願いを込めてつくっています。

「足るを知る」で、今ある環境に感謝をする

もう一つはチームメンバーで話をしている時に出たのですが、老子の「足るを知る」という考えです。「新しいものがほしい」「まだ足りていない」と欠乏ベースの考え方ではなく、自分は既に満ちている、必要なものは揃っているということ。今あるものに感謝をする。

これはアメニティをどこまで準備をするのか?という話です。既にものに溢れている世の中で、ホテルが何でもかんでも必要以上に提供するようにはせず、今あるモノに感謝をし、ホテルでの新しい出会いがあればと考えています。

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で、ここからは今幾つか試しているアメニティたちです。
(これが確定ではなくて、今色々使って試している最中です)

SIWA 紙和 スリッパS

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和紙で制作、深澤直人がデザインしたブランド SIWA。そこのスリッパです!先日の合宿で知ったので、まずは試してみるかと速攻買ったやつです。これ紙の肌触りめちゃくちゃ良いし、中もかなり暖け〜〜!!!っと買って速攻感謝しました。購入してから一週間経っていますが、ボロボロになったらどうしようと思っていましたが、耐久性も高い。

スリッパなんて今まで全く気にしてこなかったし気づけばユニクロで買ったスリッパをなんなら10年近く使っています。肌触りとかが違うんですよね。素足で履いたときの気持ちよさ。冬だけでなく、春にも使えそうなのでみなさんオススメです。

イケウチオーガニック

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イケウチオーガニックのタオル。ぼくはオーガニックエアーと330だったかな...(曖昧な記憶...)これは、旅庭 群来に宿泊した際、タオルの柔らかさに感動をしたんですよね...

今も家で使っていますが、毎日めっちゃ気持ち良い!!風呂上がりにふっかふかのタオルで包まれることで、めんどくさかった風呂も自ら進んで入りにいっちゃいます。これまじ。330(間違っていたらほんとすみません...)は厚手で何度も洗えるのも気に入っているわけです。タオルは本当に奥深いですね。

唐津焼の茶香炉

これはメンバーに教えてもらった茶香炉という。茶葉を焼いて豊かな香りができます。アロマテラピーの一種で茶葉を燃やして使うものです。

高田耕造商店 シュロのたわし

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棕櫚でできいたたわし専門店として始まった老舗です。かっこいいですよね〜〜。ほうきとちり取りを特に気に入っていますし、10年20年と使うこともできるんです。掃除機だって何十年と使えますけどね、電気も使わず人が生み出しエネルギーだけで掃除できるなんて凄いす。

unbleached(IWATA)

京都にある老舗の寝具メーカーです。先日本店を訪れてベッドの寝心地を実際に試してきました。あまりにも気持ちが良くて、営業担当の人の話を聞いている最中に半分寝落ちしてしまいましたね。ホテルで最も大切なのはベッドであり、粗大ごみとしてもかなり大きいです。

自然に素材にこだわっていて、人と環境に良いのが特徴です。IWATAの中の新ブランドでもある「unbleached」は天然素材にこだわり、国内工場で仕立てもできるので、長く使えることができる製品です。勿論ベッドとしての気持ちよさも極上です。

釜定 南部鉄器

急須は盛岡の南部鉄器「釜定」にしようと考えています。南部鉄器はサビには気をつけないといけないですが、重厚感、見た目のかっこよさは抜群ですね。これは一度買ってみないとなんとも!

江戸や歯ブラシ

1718年創業、日本橋の老舗江戸屋さんの歯ブラシとのこと。これも一度使ってみたいものです。

日本全国にあるアメニティを試して使用感が良かったものをホテルには置くつもりです!まだまだ、3月いっぱい試していくので、良いのあったらみなさん教えてくださーい!ドライヤーとかシャンプーとかどうしよって感じです!

以上アメニティについてでした。

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