Amy

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インスタグラムの写真について公開しています。 お時間があればもそちらもご覧ください:)            instagram.com/komorebi_nation/

最近の記事

CALL

一番身近な場所にあるソメイヨシノの蕾が、くしゃみを連発する私の頭上で そしらぬ顔をしてほころんだ。 野生種であるエドヒガンと伊豆大島のオオシマザクラが江戸時代後期に交配し生まれた品種で、日本国内の多くの個体はクローンであるため春先の気象予報で開花予想が発表されたりしている。 私はこの花に、なんとも言えない虚しさを感じることがある。 クビアカツヤカミキリ、という昆虫がいる。 この昆虫は、成虫が6月下旬から8月上旬に柔らかな材質の樹皮に産卵して、その8〜9日後に孵化

    • Hide and Seek

      三寒四温を繰り返すころ、 珍しくとても暖かい2月のある日。 ほころびはじめた梅の枝先 メジロが忙しそうに飛び回る。 梅の香りをまとった風が優しく、そよいでいる。 ちょこちょこと移動するメジロを写真で捉えるのは簡単なことじゃない。 でもその姿がすごく愛らしくて、立て続けにシャッターを切る。 よく動くメジロを探しながら追いかけての撮影は本当に楽しい瞬間の連続。

      • White Queen

        見上げるほど大きな杉の林のあしもと 少し開けた木陰に咲く、セツブンソウ。 “まず、咲く”がなまって名のついたらしいマンサクと同じ時期に咲く、一年でいちばん寒い頃を代表する花の一つ。 用心しなければ踏んでしまいそうに小さいけど、 花の中心の色遣いや繊細さには、息を呑む。 いくつも寄り添いあって、そこに咲いている。 風に揺れて、とても愛らしい。 近くで咲きはじめたばかりの梅の香りが 鼻先をかすめたような気がした。

        • Daydream

          早春の、ひんやりと優しい風が頬を掠めた。 遠くに見える霞のかかったまだ雪の残る山が、 薄く晴れた空によく映えている。 誰もいない河原の傾斜のある広い芝生に腰を下ろす。 時々行きすぎる人の少し薄くなったコートが 近づく春の気配を告げていた。 深く息を吸い込んで見上げた空に、ふわりと浮き上がるグライダー ゆっくりと風を切って舞い上がる。 それらと並んで飛ぶトビが、気持ちよさそうに一声鳴く声が響く。 それはたったひととき、でもなぜか永遠のように思えた、よく晴れ