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プラグイン多過ぎ問題2020冬。 (Amp編)

僕がDTMを始めた十数年前は今ほど選択肢というものは多くなかった。ミキシング系ならWaves、オーケストラ系ならViennaなど絶対的鉄板がそれぞれのジャンルにいたイメージがある。

しかし現在では様々なサードパーティが存在していて選択肢は日々増え続けている。
王道が王道たる所以は確かに存在しているとは思うが新しいもの好きとしては未知のモノを使いたいのだ。

ムーアの法則が終焉を迎えるかはわからないが、日進月歩で進化を続ける半導体業界の恩恵でより高度な処理が出来る以上デジタルでは新しいものの方が良いと僕は思っている。ゲームがよりリアルに近づいていっている様に音楽のシミュレートもよりリアルに近づいていくのは必然だろう。

-Amp Sim 遍歴-

子どもの頃アンプシミュレータといえばハードのZoomやLine6 PODだった。今で言う綺麗過ぎるデジタル臭ではなく、ペラペラで膜のかかった電子的なデジタル臭でアンプ?なイメージだった。

それからDTMを初めてAmplitube 2を弾いた時は感動したものだ。今までのシミュの籠っているイメージから大袈裟ながらもあのハイの出方はアンプっぽいなと思えた。それとGuitar Rig 3。この二つを当時よく使っていた。

Amplitubeは弾いていると気持ちいいが少し派手で、Guitar Rigは単体だと”うーん”というかダイナミクスが弱い感じなのだけれど混ざるとGuitar Rigの方が良い気がするような悩ましさが記憶にある。

それからAmplitube 3 → 4 と使い続けた。ただ流石に4まで来るといい加減飽き始めて色々と物色する様になった。そこでその当時評価が上がって来ていたBIAS AMPをメインにした。これといった感動もなかったがそれ以上にAmplitubeに飽きていたのだった。
その為か最近発売したAmplitube 5、Guitar Rig 6も興味が湧かないのが正直なところだ。

そんな中、転換期は2018年。

・Mercuriall SS-11X
・Neural DSP Darkglass Ultra

この二つのプラグインの動画を見て久々に高鳴ったのを覚えている。
ss-11xはギター、Darkglass Ultraはベースのペダルプリアンプのシミュであってヘッドアンプではないのだがそれは些末なことだ。

実機との比較動画等を見た限りかなり似ているし、どうあれカッコいいサウンドなのだ。それにGUIもモダンで好みだ。

Neural DSPは当時1種類しか製品がなかったが、この2年でソフト10、ハード1と一気に増えた。そして今やかなりの人気メーカーになった。

Mercuriallはモデリングしている実機がちょっと微妙というかiOS版のAmp ONEをプラグイン版に何故しないのかと思う。あとCPU負荷が気持ち高い気もする。ただ音は良いし頻繁にセールをやっているのは高評価。元々高いわけでもないのに。

実際Line 6 Helix NativeやOverloud TH-Uがなんでも出来てサウンドも当然のごとく良いのだが、なんでも出来過ぎるのがネックでもあった。何十種類のアンプ、キャビネット、エフェクトよりも限られたシンプルさが欲しい時期だったのかもしれない。

エレキギター弾く人なら分かるかもしれないが、エフェクター期とアン直期の波に似ている。
良い悪いではなく部屋の模様替えのようなものだ。

-現在の使用Amp Sim-

前述の通りNeural DSPがメインになっている。

【ギター】
・Neural DSP Archetype: Nolly
・Mercuriall SS-11X
・Kuassa Caliburn
【ベース】
・Neural DSP Darkglass Ultra
・TSE AUDIO BOD
・Kuassa Cerberus

Archetype: Nollyはシンプルでありながら守備範囲が広い。
Amp Modelは公表されていないし見た目も他メーカーの様に似せているわけでもないがなんとなく予想。

Amp 1 これだけは謎なクリーン
Amp 2 Marshall JCM800
Amp 3 Peavey 5150 II
Amp 4 Victory Amps VX The Kraken

かな?

CabIRに箱っぽさと高音の粒の細かい感じがNeuralサウンドの特徴的な部分だと思うので好みは別れるとは思う。
ベタっと張り付いた感じではない。

Mercuriall SS-11Xは別の歪みキャラクターが欲しい時か、歪みペダル系を使いたいときにクリーンとして使用中。

・Audiority Blue Face (FuzzFace)
・TSE R47(Rat)

などと共に。

それとペダルプリアンプなので内部IRローダーをバイパスにして
Mercuriall SS-11X

Ignite Amps TPA-1 (パワーアンプシミュレータ)

IRローダープラグイン
としている。

ベースのNeural DSP Darkglass Ultraはもう説明不要。
Djentみたいなバキバキのベースサウンドにしたければこれ。
ただ実際サウンドの守備範囲は広い。アップデートでCabIRもついたし。

しかしかなりモダンサウンドなので結構TSE AUDIO BODも使っている。
これはSansampをモデリングしているので拒否反応がない人なら絶対的にオススメだ。

しかも無料だ。

導入しない理由がない。

-その他有力なAmp Sim達-

近頃はオールインワンの製品よりもアンプ単体系のプラグインが多い印象がある。

・Brainworx (Plugin Alliance or UAD)
・Nembrini Audio
・STL Tones
・ML Sound Lab

など基本的にギターかつハイゲイン系が多いのはドラム音源と同じで悩ましいところではあるが、探す楽しみがある。

-最後に-

何十種類入って3,4万円くらいのオールインワンに比べたら一つ1,2万円は明らかに割高だ。

・初めて買う
・色々エフェクティブなプレイがしたい
・そもそもギター弾けない、打ち込みだ

ならオールインワン系を買ったほうがいいと思う。

それにこれだけ色々書いてみたがこの動画を見てほしい。

実機とその他14種類のアンプシミュレータの比較動画なのだが、数ある比較動画に比べて興味深い点がある。

キャビネットは全て同じIRであるということ。

実機もマイク録りをせずにロードボックス経由で同じIRに送っているので、ヘッドアンプのみの比較になっている。

どうだろう?
実機は芯があっていいのは当然としても正直思ったより違いがないと思う。

今までなんで同じアンプをモデリングしているのにメーカーによってこんなにも音が違うのだろうと思っていたけれど、その理由は各メーカーのキャビネットIRにあったということだ。

どうしてもアンプばかりに注目しがちだが音作りの半分はキャビネットとマイキングだと思う。
なのでもしプラグインに納得がいかない場合は他の製品を探す前にサードパーティ製のIRを試してみてほしい。

そうして無数にある組み合わせの泥沼にハマっていくのだ。

だからこそいつも思う、音作りばかりしていないで練習しろ、作曲しろと。

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