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もらった本は読まない?

お菓子を人にもらったら、すぐに食べるか、あるいは自分の好きでない物だったら人にあげますね。ところが、本を人にもらった時はどうしていますか。自分が感銘を受けたからとか、自分が執筆したとかいう理由で人から本を頂くことがありますね。これは有難いことなのですが、私はこういう場合に今までなぜか読まないでそのままにしてあったケースが多いのです。これは私の場合だけかと思って、いろいろな人に聞いてみましたが、異口同音に「そういえば、もらった本は読まないことが多いね」という答えが返ってきます。「自分で身銭を切って買った本なら、必ず読むけどね」と付け加える人もいます。

本というのは不思議な物で、最初から目的の本を決めて買いに行く場合は別ですが、書店へ行ってまず、表紙に惹かれるか、タイトル名に惹かれるか、著者名に惹かれるかして、まず中をざらっと見ますね。そして目次も参考になります。惹かれるところが多くて気に入ったら、初めて買うという行動に移るわけです。どこかに興味があるということが大いなる決め手になるんですね。

ところがもらった本というのはそういう自分で選ぶというプロセスがなく、ただ単に与えられたという感覚になるところが違うのではないかと思われます。よっぽど興味を惹かれないと読まないということになるのでしょうか。自分で買った本でさえ、その内に読もうと思っていても、忘れてしまうこともあるくらいですから。

図書館で本を借りることが多くなった私でもそれなりに本を買うこともあり、本は知らない内にどんどんと溜まっていきます。捨てるに忍びない本をどうしようかと考えた時にある考えがひらめきました。「もらった本は読まないけれど、借りた本は読むのではないか」と。どうしてかというと、図書館で借りた本は家に帰ってあらためて読むか読まないかを決め、読みたい本はすぐに読み始めるからです。おそらく返さなくてはいけない期限というものがあるからでしょう。

そこである時、遠くに住んでいる比較的趣味嗜好が似ている友人に、私の持っている本の中で読んでもらいたい本を10冊ばかり送りました。読んだら処分して欲しい本と、返して欲しい本の明細リストをつけてです。それにしても、あらかじめ送るということは話してあったものの、送られた方は大変迷惑な話ですね。しかしだいぶ経ってから、何冊かは読んでくれて送り返してくれました。これは私にとって新しい体験でした。でも、義理で読んでくれたとしたら申し訳ないという気持ちもありましたが。

自分で買って読んだ後そのままにしてある本があったら、ブックオフで売るとか捨てる前に、もしそれを読んでもらいたい人がいたら、あげないで貸してみるというのはいかがでしょうか。そうすれば、相手の方はその時点で読むか読まないかを決めるはずです。そう、すぐに読もうと思われないようであればその場で返してもらい、売るなり捨てるなりしましょう。

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