「絆 - 棋士たち 師弟の物語」

2022年の2月に読んだ本はこちら。

2022年1月からABEMAでのオリジナル対局「ABEMA師弟トーナメント」が開催されて、応援している棋士以外の師弟関係の物語も興味深かったので、読んでみました。

将棋棋士はプロ棋士の推薦?師匠がいないと、プロにはなれない。こんな師弟制度が残っている職業も珍しいと思う。元々将棋が純粋に好きというより、将棋棋士や将棋界に興味があったので旅行中あっという間に読んでしまった。

本自体は、下記の師弟の物語が掲載されている。

(敬称略)
中田 功 - 佐藤天彦
畠山 鎮 - 斎藤慎太郎
木村一基 - 高野智史
淡路 仁茂 - 久保利明
勝浦 修 - 広瀬章人
石田和雄 - 髙見泰地
桐山清澄 - 豊島将之
杉本 昌隆 - 藤井聡太

師匠の年代と弟子の年代でも状況は変わるけど、変わらないのはやはり弟子の将来を左右する存在になるというところかなと思いました。

親でもないのに、弟子がプロの厳しい世界でやっていけるのか、進学せずに将棋一本にするべきなのか、プロ野球などのスポーツでも同じようなことがあるかもしれないけど、将棋は個人競技でプロ野球ほど市場も大きくはない。そもそも、プロになれる人数が本当に一握りなことを考えるとプロになるのがいかに難しいか想像ができた。

凡人の自分からしたら、将棋という得意で好きな没頭できるものが見つかるのが羨ましいと思いつつ、「これだと思えたもので、トップに立てない。上には上がいる」という状況になった時、どういう折り合いをつければ良いのかわからない。

話は戻って、師弟の物語になりますが、50代以上の棋士の場合特に地方の棋士は、都会に出てきて師匠の家で内弟子という形で生活していたことが載っていた。こんなに早くから親元を離れて暮らすというだけでも厳しいと思うと、今の時代の我々はなんとぬくぬくした環境で育ったんだろう。いいのか悪いのかわからないけど(笑)

親とは違って、弟子もいずれ師匠と同じ世界で戦う。師匠が棋力も落ちてきたりすると、技術的なことについては教わることも少なくなってくると思う。その中で尊敬できたり、こんな指導は意味ないやと軽視したり(そんな棋士はいないかもしれないけどw)、普通の親子関係でも「親も人間なんだ」と無条件に尊敬することがなくなってくる時があるので、親とは違うし師弟というものはどういう距離感なんだろうと不思議に思う。

将棋に興味がある人はぜひ読んでほしい。

将棋に関わらず、美談演出っぽい書き方も最近あるけれど、他人の子供の将来を考えたり、悩んだりしているところを本を通して知ると、師弟ってすごい関係だなと思う。


なんかうまい修飾語が見つからない。。でも本は本当に良かった。


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