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高卒認定試験合格に向けての情報をまとめました

筆者自身の受験経験や、指導者としての経験から、高卒認定試験合格に向けての話を綴りました。

こんにちは。こもくです。

私は現在31歳の男ですが、高校生1年生の冬頃に不登校になりました。
親や先生は色々と気を遣ってくれましたが、結局復学することはできず、退学に至りました。

退学後、ふとした時に、

「ああ、これで俺は中卒か...」
「あれ、何のスキルもないし、ヤバくない?」

と思ったんです。

そこから勉強を始めました。不登校の時は全く勉強をしていなかったので手探りでしたが、とにかく始めました。

手探りのくせに、私は授業というものがあまり好きではなかったので、塾や予備校には通わず、市販の参考書や問題集のみで勉強しました。いわゆる独学です。

最終的に、約2年の勉強を経て、第一志望の東大には落ちましたが、第二志望の慶應義塾大学理工学部に進学しました。

私は今も心療内科に通院中で、社会で上手くやっていけているとはお世辞にも言えない身分ですが、学歴のおかげで救われていることも多いです。この私自身の経歴から、不登校の方や高校を中退した方にはとりあえず勉強を勧めたいと思っています。

高校を退学していたので、その過程で高等学校卒業程度認定試験(以下「高認」とします)も当然受けました。

高認は、かつて"大検"と呼ばれていたものです。

そのような自身の経験もあり、今では教育業界で活動しています。

私は仕事として、高認合格を目指す生徒を100人以上指導してきましたが、全員が無事に合格しています。私の指導力を誇示しているのではなく、高認はしっかりやれば誰もが通ることのできる試験だということを言いたいのです。

状況などにも勿論よりますが、平均して一科目あたり15〜20時間程度の勉強で合格できると考えています。
英語と数学に関しては、中学校の内容が入っているかどうかでかなり幅が出る印象です。

本記事は、高校を中退し、高認から大学受験を目指す方に向けて執筆します。何から始めればよいかよくわからない方、良かったらお読みください。



■高認とは

高等学校卒業程度認定試験は高等学校を卒業していない方が、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。

文部科学省のWebサイトより

高認に合格すると、大学・短大・専門学校などへの受験資格を得ることができます。高校を中退した上で高校より先のステージへ進むためには必ず受けることになる試験です。

ちなみに、「高認合格=高卒」とはなりません。
「高認合格=大学などの受験資格を得る」だけであって、例えば高認をとっても大学に行かなければ最終学歴としては中卒です。もちろん、大学に行って無事に卒業すれば大卒です。
したがって、高認を目指すのであれば、実質的には大学受験などを目指すことになります。

■受験スケジュール

高認は年に二回行われます。
例年、試験日は8月と11月です。出願はそれぞれ4月と7月頃です。

※令和6年度の試験日程については令和6年3月下旬頃更新予定です。

とのことなので、2024年の受験を考えている人は3月下旬に文部科学省のWebサイトをしっかり確認しておきましょう。

ちなみに、例えば2024年11月の試験に合格すれば2025年の大学受験に出願することができます。ただ、行きたい大学にもよりますが、受験は受験でしっかり対策したいので、2025年の受験を目指すのであれば、高認は遅くとも2024年8月で通っておきたいです。

■受験科目

高認の特徴の一つに科目数の多さが挙げられます。

文部科学省Webサイトより

・試験時間は各科目50分、問題数20〜40題
・解答形式はマークシート
・合格ラインは正答率40〜50%

大学受験に向かうためには、必要な全ての科目に合格する必要があります。

※2025年度大学入試より新課程になるので高卒認定の科目も変わってくるかもしれません。情報が入り次第追記します。

科目の選び方

最小科目数の組み合わせの一例を挙げると、

国語、世界史A、日本史A、現代社会、数学、科学と人間生活、物理基礎、英語

の8科目。最大科目数の組み合わせの一例を挙げると、

国語、世界史A、日本史A、倫理、政治経済、数学、物理基礎、化学基礎、生物基礎、英語

の10科目という感じです。

上の表を見てわかる通り、科目数は公民と理科の科目の選び方で変化します。基本的には、科目数が少なくて済む「現代社会」と「科学と人間生活」を選ぶのがよいです。

「現代社会」と「科学と人間生活」が特別難しいわけではないので、ただ国が推しているだけだと思われます。

また、地理歴史のようにAとBの科目があるものは、Aの方が出題範囲が狭くて簡単です。

高校通学時の取得単位によって高認の科目数は減る

高認には「免除要件」があります。

簡単に言うと、

高校通学時に単位を取得していれば、高認で受験しないといけない科目が減るかもしれない

というものです。私自身の体験ですが、高校に1年弱通ったことで受験科目数が3つ程度減った記憶があります。


一回の試験で全ての科目に合格する必要はない

高認合格のためには必要な全ての科目に合格する必要があるのは既に紹介した通りですが、"一回の試験で"全ての科目に受かる必要はありません。

例えば8科目受験するとして、2024年8月の試験で4科目、2024年11月の試験で残りの4科目に合格したってよいのです。

勉強のきっかけとして、まずは1科目の合格を目指すのもありだと思います。

■全科目共通勉強法

勉強法に関する情報は世の中に数多溢れているので、私からは端的にお伝えします。

昨日の勉強から始めて、今日の勉強に取り組んでみてください。

例えば昨日P10〜P15の勉強をしていたら、今日の勉強はP16から始めるのではなく、もう一度P10〜P15の内容を見直したり問題を解いたりした上でP16以降に臨むという具合です。

この勉強法のメリットは、

・復習することで昨日の内容が確かなモノになる
・ある程度わかっている昨日の内容から始めることで、今日の勉強にスムーズに入れる

という二点です。

書くのか読むのかとかは個々人の自由で、やり方は何でもよいのです。大事なのは何回やるかです。

昨日の内容から始めると今日の分がなかなか進まないと思うかもしれませんが、昨日の分を再度やるのって意外と時間がかからないので大丈夫です。

こんな調子で参考書を一周終えたら、二周目、三周目といってみましょう。そしたらもう高認なんて余裕です。

■おすすめ参考書

ここからは実際に使って欲しい市販のおすすめテキストを紹介していきます。

高認で受ける科目には二種類あります。

1.高認のみで使う科目
2.大学受験でも使う科目

1.高認のみで使う科目

高認のみで使う科目に関しては、「高卒認定ワークブック」をやるとよいと思います。

正直ちょっと味気ない参考書ではあるのですが、高認の出題範囲を過不足なく網羅している貴重な参考書です。

例えば高認の現代社会について、大学受験用の参考書を使うと明らかにオーバーワークです。

その点、ワークブックは高認に照準を合わせているので、本当にちょうどいい感じなのです。

2.大学受験でも使う科目

大学受験でも使う予定の科目に関しては、大学受験用の参考書を使うのもよいです。

高認は難易度が高くないので、大学受験用の参考書の内容を修得できていれば高認は問題なく受かります。

逆に、高認のワークブックで大学受験を戦おうとするのは少し難しいです。

高認のワークブックに比べて負担はかなり大きくなりますが、意欲があるようなら先を見据えて挑む価値はあります。

各科目のオススメの参考書を挙げていきます。

現代文

古文

漢文

世界史

日本史

地理

数学

※高卒認定の出題範囲は「数学I」なので、大学受験でよくある括りの「数学IA」のうち「数学A」は高認では出題範囲外です。

物理基礎

化学基礎

生物基礎

地学基礎

英語(単語帳)

英語(文法)

英語(長文)

■過去問

試験の1ヶ月前〜3週間前になったら一度過去問をやっておきましょう。これくらいの時期にやっておけば、思うように点数が取れなくても立て直せます。

逆に、良い点が取れても「もう勉強しなくていっか!」となってはなりません。勉強しないとすぐに忘れちゃいますので。

過去問は、文部科学省のWebサイトにあります。

ただし、ここには問題と解答しかありません。解説がないので、わからなかった問題はわからないままになってしまいます。

したがって、苦手な科目に関しては解説付きの市販の過去問を買うのもよいと思います。


■最後に

高認に立ち向かう方に向けての記事でしたがいかがでしたでしょうか。

私は受験の世界が好きです。試験当日に点数が取れればそれだけで評価されるからです。

学校生活のように、勉強を頑張った上で部活もこなし、多数の人とうまくコミュニケーションをとる必要なんてありません。受験では、勉強ができればそれでよいのです。

高校を中退すると、社会的に無所属な状態になるので不安も大きいかと思います。けど、その不安は大学に入ることができれば完全に払拭されるものです。是非頑張ってみてください。

もし何が相談事がありましたらX(旧Twitter)のDMまでご連絡ください。誠心誠意対応させて頂きます。

https://twitter.com/komoku_no_suki

場合によってはオンライン家庭教師などのご依頼(体験授業も可)を受け付けることも可能です。前述の通り100人以上を高認合格に導いてきたので、お力になれることもあると思います。

それでは、貴方の良き未来を祈って筆を置かせて頂きます。

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