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【がん】手術してがんを取った→未来への不安が増幅している【闘病記】

 先日、がんを切除する手術を行った。結論から言うと、リンパ節への転移はなし。がんの部分は全部取れた。だから今のところは一安心。これからは再発を予防する治療に臨んでいくことになる。

 入院は、6日間だった。傷の治りもよく、予定よりも2日ほど早く退院できた。ちなみに、このご時世のため、面会などは一切できず、看護師さんと主治医さん、たま~にくる薬剤師さんや栄養士さんとの会話しか楽しめなかったけれど、同じ日に入院した、同じ病気にかかっているおばあちゃんとちょっと仲良くなれたのは自分的にはかなり嬉しい出来事だった。

 手術して、転移もなくて、やったー…と思ったのも束の間、一山越えたからこその新たな不安に直面している。

 一つ目は当然、再発への不安。これまでは副作用のきつい抗がん剤と切除手術…どちらかというと、”今”を乗り越えるので精いっぱいだったから、それが終わると急に、未来への不安にさいなまれる。再発するかもしれない、いつ再発するかわからない、再発したら治療の手段は…などなど、考えるとキリがなくなる。どうせ、再発したらしたでまた、「ふーん」くらいにしかならないんだろうけど。病気になって、”今”を大切に乗り越えていくことの大切さが身に染みたはずなのに、手術を終えたらまた、発病前の体たらくな私に戻りつつある…。これはいけない。

 二つ目は、復職への不安。正直、仕事をしない日々に慣れてしまったため、仕事に復帰するのが憂鬱だ。世の中でブラックと呼ばれるこの仕事に復帰すれば当然自分と向き合う余裕はなくなる。趣味に没頭した時間もなくなる。ゆっくり休ませてもらって、治療に専念できたのは他でもなくこの仕事だからだし上司の配慮のおかげだけれども、今はその仕事に戻るのが不安だ。贅沢な悩みなのはわかっている。

 当たり前のことなんだけど、”今”に集中できるのは、先のことなど考えなくていいとき。でも、生きている以上、人間は、先のことが気になる。人間は現在を生きていながら、過去に生きていたことを認識することができているし、過去が未来につながっていることも理解しているからだ。突然病になって、過去と現在が分断された私にとって、先のことを考えることは無駄なことだった。ひたすら現在を生きて、自然と未来につながっていればよかった。そういう時間が終わりに近づいて、私自身も以前に戻りかけている。大切なことをまた失いかけている。そしてそのことをしっかり自覚して、変わった自分でいようとも思っている。

 そもそも自分は変わったのか。どれだけ変わったのか。変わっていない自分も変わった自分もいる。どんな自分で在りたいのか。もう一度自分と向き合ってみようと思う。

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