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炉縁について

炉縁(ろぶち)とは、炉の炉壇の上にかける木の枠のことで一般的に小間に用いられる木地縁(きじぶち)と広間(四畳半以上)で使用される塗縁(ぬりぶち)がある。

木地縁は、使うたびに洗うので洗い縁とも呼ばれ、深山の沢筋に生えていた沢栗材を使ったものなど水に強い材種が用いられる。 他に、黒柿(くろがき)、黒い縞模様が表面に現われた縞柿(しまがき)、紅梅などさまざまで、北山丸太などを使った丸太物や、東南アジアのマメ科の鉄刀木(たがやさん)、中国原産の花梨(かりん)などの唐木(からき とうぼく)、社寺の古材を使うこともある。また竹なども使われる。

塗縁は桧材真塗を正式とする。そのまま一切の加飾を行わない無地のものと、金粉や銀粉などで漆の表面に絵模様をつける蒔絵(まきえ)を施したものがある。一般的な漆器の色は黒や朱だが、漆をつくる際にベースとなる褐色味の強い透明な漆を厚めに塗り仕上げる溜塗(ためぬり)、素地(きじ)に柿渋と弁柄(べんがら)をまぜたものを塗り、その上に透漆(すきうるし)を一回塗った簡易な塗りである掻合塗(かきあいぬり)、布を素地に貼って漆を摺り込み、布目の模様を浮きだす布摺(ぬのずり)、素地(きじ)の表面を黄または赤に着色したうえ、透漆(すきうるし)で上塗りする春慶(しゅんけい)などさまざまな仕上げがあり、蒔絵も様々な文様が施される。

炉縁の寸法は、外寸で424mm(1尺4寸)、高さ66mm(2寸2分5厘)、天端37mm(1寸2分5厘)、面取7.5mm(2分5厘)が基本的な寸法で、流派により外寸が545mm(1尺8寸)の大炉(だいろ)と呼ばれるものもある。


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