2024年25号


あった監視 夜中に



《討論》同音ライム4連打の発掘について

質問

  • 「カルシウム」で4連打を探しているがうまく出せない

  • 「分かるし」「光るし」みたいな「~るし」しか出なかった

  • 素材探しから数をたくさん出して運任せなのか、それとも何かコツがあるなら知りたい

  • 回数をこなせば自然に感覚で分かるもの?

区切りの操作

  • まずは区切り位置を意識的に変えて探すことが有効と思われる
    「か/るし/うむ」「かる/し/うむ」とかに分割すると新たに拾えるのでは

    • それを「カルシウム」でやって出せない場合は素材選びの時点からやり直すべきか?
      素材はどうやって選択すべきか?

素材リセットマラソン

  • 「出せない場合は素材選びの時点からやり直す」は、そうだと思う
    試してみてあまり出なければ別の素材でリトライ、それを延々とやる
    もちろんある程度は「このフレーズは出なさそうだな」という直感もあるが、ほんの僅か
    ただ試行回数を増やしまくるのが同音ライムの探し方だと思っている
    一致率90ならセンスや感覚がだいぶ関わるが、一致率100の場合「無ければ次」という100専用の探し方になる

特殊音の挿入による候補拡張

  • 「ー」「っ」「ん」などを入れるのも有効

    • 同意、各箇所に「ー」「っ」「ん」など足して一通り掘り尽くして次

選択肢の少ないルートを察する

  • 感覚でいうと「る」で始まる言葉は少ないから「る~」「るし~」「るしう~」などは出なさそう
    なので素材選定の時点で見直したほうがたくさん出しやすいかも

    • 見つけづらい50音リストアップして避ければ絞れて素材も決めやすくなる?

      • 一概にはルール化が難しそう

起点2連打を探す

  • 出しにくい時は響きの似たものを二つ見つけて、あと二つ無理してこじつける方法がある
    普通に韻のペア探してたら浮かんだ同音ライムになんとかして+2連打

素材フレーズ選定時点で回避できるか

  • 「カルシウム」でスタートするのが間違い

    • それが間違いだといえる(判断できる)のは試した後では

起点として長めの名詞は避けるべき

  • 4連打でなく2連打でも同音の場合は長めの名詞は不向き
    簡単に読めてしまったり、「他の人でも同じ韻を思い付ける」という印象になりがち

  • ただし組み合わせでそれをカバーするのも醍醐味

「Re:証人喚問」は試行回数が多そう

  • 「証人喚問」は3個出した後4個目が多少アレでも「ここまで来たんだ!無理やりやってやる!」という熱い展開が特徴

  • 「Re:証人喚問」は4個目がだめならやり直しという狂気のシステムを採用することによりクオリティを担保していると思われる

    • ここから考えるとRe:の製造工程では「3個目で破綻」「4個目で破綻」などの不採用同音ライムが大量に排出されていると思う

  • 同音は正解が存在するのでひたすらトライアンドエラーすればいいとも言える

  • ちなみに同音ライムジャックが熱いのは、その「リトライ」という最強のアイテムを禁止しているところ

抱負

  • 最初のうちはとにかく数出して合う、合わない、を繰り返して四連できる素材を見つけるのが地道な攻略法だと思った

(編集/SIX)



《コラム》20音の同音ライム4連打は可能か

はるか昔、“10文字同音ライム4連打は可能である”と述べたライマーがあった。※1

10文字同音ライム4連打とは、筆者の基準でいえば“10音の同音ライム4連打”に相当するが、これは長い間、人類には不可能とされてきた。
その壁に多くの者が挑み、そして敗れていった。

しかし、長き戦いの果て、先人たちのノウハウを積み重ねた新世代の挑戦者は、ついに10音4連打を達成した。

それから数年。
ライマーたちの技術は次のステージに達した。
記録は更新され、15音4連打という新たな伝説が刻まれた。

人々は思った。
韻に不可能は無い、と。
不可能と思われるものでも、あきらめなければいつか成し遂げられる、と。

そして、まだ見ぬ20音4連打、25音4連打を夢見た。
30音4連打、35音4連打を欲した。
40音4連打を追い求めた。

最後に彼らが辿り着いた場所で、どのような光景が待っていたのか。
人類はこの世界に何音何連打を刻んだか。
その答えは、歴史の海に沈んでいったライマー達のみが知るだろう。

(文/SIX)

脚注

※1 「10文字同音ライム4連打は可能である」「狭いコミュニティの中でも更にハブられることがある」という二つのことだけ覚えて帰ったので、発言者名や時系列は覚えていない



《付録》同音ライム4連打マイクリレー2024の決闘

前回のあらすじ

改変された世界の断片から、真実に辿り着いたゴオウイン。
彼はうろたえるSIXに対しループの終わりを宣告した。

最後の6連打

「これ以上、この世界を好き勝手にいじることは許しません」
「今回でゲームオーバーです」

「う……うおお……」

しばらく固まっていたSIXは、やがて体を震わせ始めた。
そして、突然激昂した。

「よくも、よくもよくもよくも、おれの計画を! ゴオウイン!」
「あの世でおれに詫び続けろ!」
「《同音ライム26音6連――」

SIXが指先を動かした、その一瞬。

「《表記一致同音ライム28音6連打》」

ゴオウインは極限まで研ぎ澄まされた6つのライムフレーズを、渾身の力でSIXの鳩尾に叩き込んだ。
その一致率はSIXの骨を粉砕し、その音数はSIXの魂を焼き尽くし滅した。

「うぐっ……おぉ……っ!」
「いつのまにそんな音数……連打回数……を……!」
SIXは力なく膝をつき、床に崩れ落ちた。

【つづく】


今週のフリーライムマーケット(抜粋)


今週の押韻島文庫(抜粋)

別冊SIX

ライマーノーツ

  • 「stairway」解説(2024.6.15)

  • 「スタビライザー」解説(2024.6.15)

  • 「スターゲイザー」解説(2024.6.15)

  • 「シンクロナイズドライミング」解説(2024.6.15)

  • 「蜻蛉」解説(2024.6.16)

  • 「day after day」解説(2024.6.16)

  • 「know your enemy」解説(2024.6.16)

  • 「日刊でラップミュージックをつくろう pt.195」解説(2024.6.17)

  • 「Don't bother me」解説(2024.6.17)

  • 「emojirap square」解説(2024.6.17)

  • 「救命胴衣」解説(2024.6.18)

  • 「Any」「where」「Anywhere」解説(2024.6.18)

  • 「CC」解説(2024.6.18)

  • 「CCC」解説(2024.6.19)

  • 「CCCC」解説(2024.6.19)

  • 「fossil」解説(2024.6.19)

  • 「fanfare」解説(2024.6.19)

  • 「EXE」解説(2024.6.19)

  • 「404」解説(2024.6.19)

  • 「yellow road」解説(2024.6.19)

  • 「smoky」解説(2024.6.19)

関連リンク


今週の押韻島地下城

  • 回文チェッカーが追加されました


編集後記

今週号の編集担当、SIXです。
好きなクリーチャーは凶戦士ブレイズ・クロー、嫌いなものは録音です。
よろしくお願いします。

(文/SIX)


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次号予告

  • 《特集》未定

  • 《企画》未定

次号は無予告で刊行することをここに予告いたします。


編集 SIX
発行 押韻島公民館

2024.6.23

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