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長男と自転車

小2の長男は、まだ自転車に乗ることができない。
小学校に上がる前から、

「自転車に乗れるよう、練習しよう!」

「ヤダ」

「(知人にもらったお古の)自転車が
 女の子っぽいからイヤだ」

「じゃあ、新しい自転車、買いにいこう!」

「やっぱり、やだ」

という会話の繰り返しで、頑固な長男のこと、本人がやる気にならなきゃしょうがないよなあ、とほうっておいた。

友達と自転車で出かける、ということになれば、乗れないとカッコ悪いんだけど、夕方まで、学童保育だし、そんなシチュエーションにもならない。

このまま、自転車に乗れずに大人になるのか?

ただ、やっぱり興味はあるようで、
「自転車の練習したいなー」とつぶやいたり、たまに自転車にまたがったりしていた。

昨日は、家に、ひとつ年上のいとこが遊びにきていた。

「ねえ、自転車教えてもらったら?」

「・・・・・・・」

「自転車はなー、はじめ怖いけど、
 慣れたら、簡単!
 バランスとる練習して、
 こいだら、いいんや」
いとこのM君が一生懸命説明してくれる。

ちょっと気持ちが動いてきた長男。

気が変わらないうちに、自転車を出して、近所の公園へ。

「こうやって、足を離して、
 ここで、ぐっとこぐ!」
M君の熱血指導。
お父さんのように、倒れないよう、自転車をぎゅっと支えてくれている。

母である私は、下の子達の面倒をみながら、遠くからじっと見守る。
下手に口出しすると、反発してくる。親にあれこれ言われると怒るけど、M君のアドバイスは、素直に聞いている。

3秒くらい乗れたかな?
その後、倒れた時に、スネに傷が出来て、ちょっと心が折れたよう。
ブランコで、少し休憩していた。

夕方、いとこを家まで送っていった時も、今度は、M君の家の近くで、練習した。
彼のお父さんも一緒に教えてくれる。

「こうやって、重心を下にして」
本人は無言で、足を離して、ゆるい坂をすべり降りていく練習を何度もしていた。
まだ、こぐには至っていない。

「今日は、がんばったね!」
「今日は、父の日だから、自転車に乗れてパパに喜んでもらえるように、がんばったんだ」

んー? わかるような、わからないような理由。

自転車に乗れると世界が広がるよ!
がんばれ、長男!

私は、あせらず、見守ろう。