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サッカー雑記【24/1/11】

試合レポートと配信プラットフォーム関連の話題を色々と。


カラバオ杯準決勝 1stレグ リバプール2-1フラム

FAカップから中3日で行われたカラバオ杯準決勝。1stレグはホーム・アンフィールドでフラムと対戦した。試合は2-1でリバプールが先勝した。

フラムは現在のリーグ戦で13位に甘んじるも、前回のリーグ戦での直接対決では4-3の激戦を演じた相手とあって一筋縄といかず。序盤からリバプールペースで試合を進めるものの、一瞬の隙を突かれる形で19分にウィリアンに先制を許してしまう。しかし後半に本日ベンチスタートだったヌニェスとガクポが投入されると一変。68分にはカーティスがまず同点弾を挙げ、71分にはヌニェスのラストパスからガクポが決めて逆転に成功。交代策がズバリの展開となった。また先日負傷したアーノルドに代わって20歳のブラッドリーがこの試合で先発したが、高いインテンシティを発揮し勝利に大きく貢献した。負傷者が相次ぐ中で若手がチームを救う活躍を見せており、今後にも大きな期待を寄せたいところとなっている。
ちなみにブラッドリーは北アイルランド代表でプレーしており、2023年までに早くも13キャップを記録している。

2ndレグは2週間後の25日、アウェイ(クレイヴン・コテージ)にて日本時間5時にKO。引き分け以上で2季ぶりに決勝の舞台へ進める一戦、勝って決めよう。


DAZN、2/14より再び値上げ

本日昼、DAZNが2月14日から月間プランおよび年間プランを値上げすることを発表した。

詳細は上記リンクにも記載しているが、月間プランは3700円→4200円(500円値上げ)、年間プランの一括払いは30000円→32000円(2000円値上げ)、同月払いは3000円→3200円(200円値上げ)となる。
月間プランに関してはサービス開始初期の1890円から約2.2倍の値上げ幅となっており、年間プランに関しては2019年の導入時の19250円から1.6倍の値上げ幅となった。特に2022年以降は毎年2月に値上げを敢行しており、Jリーグやプロ野球の開幕直前に値上げを行う悪質なタイミングでの値上げを行っている。
値上げの理由は登録者数の低迷(一部報道によるとDAZNの目標に未達とのこと)や放映権料の高騰、そして円安など様々な影響が絡んでいるとみられているが、一方で提供されるサービスが縮小されているのは事実。サッカー関連でもプレミアリーグやCLの放映権を手放し、さらにはシーズン途中に専門番組「フットボールフリークス」系番組が一斉に終了するという事態に陥った。
近年のスポーツ配信事情を巡っては、韓国資本のSPOTV NOWや国内資本のWOWOW、さらには近年スポーツ界へ参入したU-NEXTなどライバルが乱立する中で、かつて絶対的な地位を持っていたDAZNの足場は揺らぐばかりとなっている。値上げによって登録者数が減り続ければ当然のように配信界での地位は下がり、さらなる放映権の手放しや再度の値上げ、最悪日本でのサービス終了の可能性も否定できないであろう。

なお、DAZNで数日後よりアジアカップ(以下、アジア杯)が全試合配信されるが、今回のアジア杯決勝は2/10であり、何事も無ければ値上げ直前に大会が終了する。


スーパーリーグを再考する

最後に、ここで先日再び騒動になった「スーパーリーグ」について、改めて考えたいと思う。

スーパーリーグが何なのか簡潔にまとめれば、欧州各国のビッグクラブのみが集まって1シーズン通じて常にビッグマッチが提供される新たな枠組みを作るという構想で、主にレアル・マドリーやバルセロナ、ユベントスがこの構想を主導していった。2021年の構想時にはサポーターからの反発に遭い一度頓挫したものの、昨年末の欧州司法裁判所でUEFA側がスーパーリーグ構想を妨害することはEU法で違反である判決が出て以来、構想が再浮上した。
この構想では、ディビジョン制に基づく昇降格制度が導入される他、すべての試合を無料で放送するという壮大なプランを打ち立てた。高騰する放映権料に苦しむ観戦者側の経済的負担を軽減し、サッカー観戦の敷居を下げるという点では良い考えかもしれない。当然流れる金を抑えれば、歯止めがかからない欧州サッカーバブルも弾けることは必至とみられている。

個人的には現在も、スーパーリーグという枠組み自体は反対である。ビッグクラブとスモールクラブとの格差の中で生まれるエンタメ性を否定する他、すべてのクラブが平等に経営的努力やチーム強化をすれば頂点に立てるチャンスの芽を潰すのは長期的視点でサッカー文化の破壊と衰退につながりかねない。
だが、サッカー界に流れている金があまりにも高額すぎるのもまた事実であり、昨秋には複数のイタリア人選手が(若くして大金を手に入れたが余りに)違法サッカー賭博などに手を出した、またはその疑惑が出るなどのスキャンダルも報じられた。成功者に多額のお金が流れるのは資本主義の常識ではあるが、それが行き過ぎれば(サッカーというコンテンツの主役である)選手の人生を破滅することに繋がりかねないということを、この一件で感じた方もいるであろう。そう考えれば、スーパーリーグの旗振り役がサッカー観戦への敷居を下げる試みを見せている点については、一定の評価を下すべきなのではないかと思う。

SNSでは配信プラットフォームの値上げが発表されるたびに日本の景気のことを論じてバズる輩が出てくるが、そもそも選手の市場価値や大会の放映権料が異常なまでに伸び続けていたり、そのシワ寄せとして配信プラットフォームの値上げが繰り返されている、この業界の構造を疑問視すべきでは無いのだろうか?


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