見出し画像

田舎の公立小中学校からケンブリッジに行った話 - 番外編その3

今回はケンブリッジにおける、カレッジの食事について紹介します。

食事の重要性

ケンブリッジのカレッジは、カレッジの先生による個人授業(チュートリアル)が行われる教育としての場と、学生が寝泊まりする寮でもあります。

生活する場でもあるので、当然どのカレッジも食堂があります。バーがあるカレッジもあります。カレッジには大学の学費とは別にカレッジ費を支払うのですが、毎学期カレッジ内の食堂で使えるクーポンがもらえます。カレッジでは、朝、昼、晩と食事が提供されて、決まった時間に行って学生証に登録されているクーポンで支払い、ご飯を食べることができます。

みんなで話しながらご飯を食べる、というのを重視しているようで、クーポンが配られるのもなるべく食堂でご飯を食べるように、という意図があるようでした。学部生はカレッジ内の中にある寮に住むので、食堂へのアクセスが良く、特に食堂の利用を推奨されます。私は大学院で通ったため、寮はカレッジの目の前ではありましたが、寮内にキッチンもあり、自分でご飯を作ることが多かったです。それでもたまにはカレッジの食堂でご飯を食べました。

カレッジの食堂

どこのカレッジでも食堂があると説明しましたが、カレッジによって食堂の見た目や味がかなり異なります。カレッジの中でも古くからあるキングスカレッジ(多分写真でよく見るカレッジがこれです)などは、食堂も厳かな感じで雰囲気があります。一方新しいカレッジだと、伝統的な感じはないですが新しい分きれいで明るい印象の食堂だったりします。

味についても寮によって異なります。各寮はある程度独立して運営されているので、食事に力を入れているカレッジだと料理長や食材にも気合を入れているのか、味はそこそこ良いです。

と言っても大体どこのカレッジもメニュー構成は同じで、列に並んでまずジャガイモをグリルにしたものなどを取り、次に何か野菜を茹でたものを取り、メインの料理を何か選ぶという具合でした。

大学に入りたての頃は、どこそこのカレッジの飯がうまいという噂を聞いてはいくつかのカレッジにご飯を食べに行きました。

フォーマルホール

カレッジには普通の食事の他に、フォーマルホールというやや格式ばったコース料理が食べられる食事もあります。これは晩御飯の時にだけ開催されます。開催頻度もカレッジによって異なります。

私が所属していたカレッジは毎日フォーマルホールがあるカレッジでした。フォーマルホールと普通の食事は何が違うかというと、まずコース料理という点です。カレッジの食事のように、自分でトレイを取って、好きなものを選んで、支払いをして、席を探して食べる、というものではなく、まずは席について、食事が出るのを待ちます。

もう1つ違うのは服装です。正装までしなくて良いのですが、カレッジの学生は必ずガウンを切ることが義務付けられていました。と言ってもガウンを着さえすれば良いので、その下はTシャツなど、特に服装に厳しいというわけではありませんでした。ただどういう理由なのか、他のカレッジの友達を呼ぶ時など、ゲストはガウンの着用義務はありませんでした。

フォーマルホールは学生は開始時間の前に席に着きます。開始時間になると学生の入口とは別の入口から先生たちが入ってきます。入ってくると同時に学生は起立します。先生たちはハイテーブルという、一段高いところにあるテーブルに着きます。するとラテン語でお祈りがあります。何を言っているのか一言も理解できませんでした。そんな感じで食事が始まります。

フォーマルホール以外のイベント

さらに通常のフォーマルホールとは別に、カレッジ内のもっと豪華な部屋を使った食事イベントもありました。こちらは別の部屋で食前酒を交えた歓談から始まり、カレッジ内の応接室に移動してフォーマルホールよりももっと豪華な食事が出ます。確かワインも出て、最後にはポートワインという食後酒も出ました。これは年に数回だけある食事でした。

もう1つカレッジの先生が学生を招待して行う食事会もありました。例えば数学の先生が数学専攻の学部生と大学院生を招待して、カレッジ内の食堂かどこかでご飯を食べるというものです。試験期間か何かで忙しくて行けなかったので、行っておけばよかったと後悔しているのですが、細かな内容は分かりません。

まとめ

ケンブリッジの食事事情について説明しました。フォーマルホールは最初は珍しくて、いろんなところのカレッジに行きました。が、だんだん飽きてきて、結局学部の建物内の食堂の利用率が一番多かったです。
ただ知り合いがいないと中には入れないので、なかなか貴重な体験だったなと今では思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?