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賃上げから感じる経営者の人材確保への危機感

仕事の繁忙期がおわり、
少しずつ執筆を増やそうと思っています。

春闘が終わり、過去最高を謳う賃上げが並んでいます。
賃上げは確かに進んでいる一方で、
最近サントリーHDの新浪剛史社長をいくつかの動画で見る機会がありました。
その動画にも出ましたが、サントリーは7%の賃上げを2年連続で行なっています。
日本の直近1月のCPI(消費者物価指数)は総合で2.2%の上昇という状況で、

そのペースの上を行く賃上げに、
最初はあまり疑問を感じることはなかったです。
どちらかというと利益還元の一面が大きいのかなと。


私も、仕事柄賃上げの話には触れることは多いのですが、どちらかと言うと、

物価高に伴う値上げ→同じく物価高に苦しむ従業員への還元

という構図で見ていたのですが、
ここにきて、

採用をしても定着が悪い

というフレーズを周りから聞くようになりました。

高いコストをかけても人材の確保が難しい。他の高い給与や待遇を求めて辞めていく人もいる。

なんとか賃上げに漕ぎ着けても、特に中小企業はそれ以上の人材確保に苦しんでる



と、これまで思っていました。


しかしここ最近、中小企業に限らず多方面で転職に関する話を耳にすることもあり、
人が残る会社、残らない会社の選別が始まっているのではないかと予感する部分がありました。

大手でも人手が減る会社、中小企業でも離職率が低い会社、
それぞれが存在している様子もあり、
単純に賃金がという話だけで語れない印象もあります。
(もちろん、賃金の高低が会社の人気を左右する要素はあると思います)


人材が入ってこない→採用に余計にコストをかけるようになる
人材が流出する→これまで教育にかけたコストの切り捨て、これからの収益の源泉を失う(機会損失?)

という状況が進行した先に何があるか、ふと思ったのが、

・開発、生産すべきものが先に進まなくなる
・商品の品質が落ちる
・営業、販売が進まなくなる(売上の純然たる減少)

という点でした。

実際の会社では、これがストレートに落とし込まれず、部門の月次での数字成果などに薄まって分かる部分もあり、
(しかも人が辞めることって部門の成績を落とす要因としてみんな書きたくない)
影響を肌身もって実感することは少ないのではないかと思います。

結果として、

人手不足を原因(もしくは遠因)として企業活動に異常が発生し、倒産に並ぶ状況がこれから出てくる可能性があると個人的には想定しています。

サントリーがなぜ7%UPという点で先手を打ったか、
ここまでくると見方が変わると思います。

既に始まっている人材獲得競争に生き残るため。

他にもトリドールが10%など目立つ数字が後追いで出ています。
後になるほど高い数字で出さざるを得ないですね。。


この話、実はここで終わりではなく、
ある程度規模感のある会社は賃金UPで済むのですが、
中小企業は給与を上げるにもそもそもの余力すらない所もあるので、
賃金の格差はますます広がるばかりです。

この格差が中小企業からの人材流出をより強めるのではないかと思うところもあります。

働く側には嬉しい話ですが、雇う側には非常に辛い状況がこれからのシナリオとして想定する内容です。


今回の内容は以上となります。
読んでいただき、ありがとうございました。

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