見出し画像

値札では測れないフィーリング

書類に署名したり、人に贈るものに手書きしたり。そんなイベントが重なったのがきっかけで、自分の書く字のクオリティを上げたくて、ちょっとお高いボールペンに興味を持ってしまった。重みのあるペン(高価格帯のものに多い)は、手に馴染んで字が書きやすいとか読んだこともあり。値段とクオリティは必ずしも相関しないけれど、百円、千円、万円、の単位の違いはあるんじゃないかなと思ったのです。

そこで、お高めの文房具も取り扱っている大きな書店に出かけてみた。

高級ラインナップには、テレビなどで紹介される高級ブランドや、一般的なお店では目にしない桁数のものまでありました。手の届きやすい価格帯のラインナップも多くて、さすがの品揃えだ。

どれにしようか。

メーカーの種類も、ペンのデザインも、迷ってしまうなぁ。持ったときの感触、ペン自体の重さと体とのフィット感、インクの色やツヤ感、書き心地、出し入れする操作性……。ペンを試し書きして、陳列棚を何往復もしました。

なのですが。

高級文房具を買ってみたいと意気込んで探したのに、最終的には、愛用しているペンのインク色違いを買うことになりました。

そのペンは、ブラックの色展開が豊富で、初めて見たときの感動は未だに忘れられません。絵を描くときは、黒色にほかの色を混ぜて、真っ黒以外の色を創ることもありますが、一般的なボールペンはシンプルな黒色で、そのバリエーションは限られていました(よね??)。ボールペンの黒色を選ぶ日が来るとは。

インクの色だけでなく、本体の色とデザインも印象的。私にとって高級なボールペンは、金色や銀色といった輝きが使われているイメージが強く、とくにシルバー系はスタイリッシュな感じを受けます。愛用しているボールペンは、そのバランスがとても上品です。セミマットのような色合いは、書く者の心を落ち着かせてくれます。

私は、一日の終わりに綴る日記にも、このペンをよく使います。特に綺麗とは言えない字、しょうもない内容ではありますが、書いている本人は執筆家や作家になったような気分。なんとも贅沢な時間になるのですよね。

そんなKOMEKOの全身を満たしてくれる商品ですが、数百円と書かれた値札には思わず「うそっ!?」と漏らしてしまいます。小学生の頃から使っていたら(当時はなかったのだけれど)、もっと勉強意欲が湧いていた可能性もゼロではない!くらいの感動があります。

値段が高いといいもの、と見えてしまうこともありますが、これだ!というフィーリングはどこで訪れるか分からないもの。モノに限らず、自分の納得する形が生まれたときの喜びは大きいですよね。そんな買い物ができた今日はよく眠れそうです。


いつもサポートいただきありがとうございます!お気持ち感謝いたします。