ストップおばさん
高校生の頃聞いた話。
友人のAくんがバイトしていたガソリンスタンドの向かいの道を毎日のように歩いているおばさんがいて、そのおばさんは"ストップおばさん"と呼ばれていました。
歩いている途中、唐突に、どう言えばいいのか、歩いている人をカメラで撮った感じ?
突然そのおばさんだけすべての動作がストップ、その後1時間は動かない。
そしてある瞬間から何事もなかったかのようにフッと歩き出すそうです。
ただそれだけ(と言ってもかなり特殊だと思いますが)なのと、頻繁に見かける事、バイト先の同僚全員がそのおばさんを知っている事、などの理由からちょっとおかしな人なんだろうな程度の認識だったそうです。
ある日の事、Aくんが仕事をこなしていると、いつものようにおばさんが向かいの道に現れストップしたそうです。
忙しい時間帯だったため特に気にせず仕事を続け2時間ほど経った頃、向かいの道をみるとまだストップおばさんはストップ中。
「今日は長いな」
とは思いましたが、それ以上の感情は特になく、しばらくするといつものように歩き出したそうです。
「今日のストップおばさん長かったな〜」と同僚に何気なく話すと、「今日いた?ずいぶん久しぶりだね」と言われたそうで、同僚が言うにはここ数週間見かけていないとの事でした。
でもAくんはここ数日の連勤中、毎日のようにストップおばさんを見かけていて、ストップの瞬間も、歩き出す瞬間も必ず見ていたので、何か変な感じだなと思いつつもすぐに忘れてしまいました。
その日を境にストップおばさんを見かける事はなくなり、しばらくして死んだという噂と、ストップおばさんは実は女装したおじさんだった、という噂が流れたそうです。
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