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好きだから信じる

彼の方から初めてLINEがきた。「明日の朝一緒に大学行こう」と。すごく嬉しかった。いつも待っていたLINEが明日の約束で、「一緒」という言葉があって、ちょっとでもこの恋が進んでいるように感じれて諦めずによかったと思えた瞬間だった。

けど、朝になって「熱が出て行けなくなった」とLINEがきた。これがいつもの寝坊しての嘘なのか、事実なのかは分からない。だけど、好きだから信じるし、都合のいいように解釈するし、熱の心配もするよ。もし嘘でもちゃんと騙されたふりするよ。

ある友人と「好きだったらなんでも許せる」という話をしたことがある。彼がダメ人間だなという言動をするたびにこの話を思い出す。いくらやっぱりな、結局さ、と思わせられても好きだから流すことができる。もし私と付き合ったら彼がダメ人間じゃなくなるかもしれないなんての期待はしていないけれど、私だったら彼がゲームばかりすることを受け入れられるのではないかと。それぐらい好きになってしまえばいいのではないかと。

恋は盲目状態なことくらい私もわかっている。彼に上げて落とされるたびに自分バカだな、と思う。こんな人、明日には好きじゃなくなってやる!とか毎日の帰り道で思うけど寝る前にはもう彼からのLINEを期待している自分がいて、次の日の朝には今までのダメ行動をなかったことにして期待しかなくなる。呆れちゃうね。いつまで続けるんだろうかこんなこと。期待はキュンキュンの材料だ、と友人が言っていたけれど、私にとっては邪魔者でしかない。まだ私には片思いを楽しむ余裕なんてないからさ、今回のことも流すことはできるけれど、ちゃんと傷ついたし、ちゃんと悲しかった。やっぱりな、と思ってしまったことも悲しかった。もう疲れた。

日曜、彼と会う約束がある。この約束がやっぱりな、と思う結果だったらちゃんと考え直そうと思う。流石にもう好きだけじゃ流せなくなってきたからさ。



後日談

好きな人、コロナになった。
日曜の約束ももちろん無くなった。仕方のないことだと分かっているけれど、結構悲しいし、失恋したような気持ちになっている。あの夜のLINEが来た時の嬉しさと期待は夢だったように思う。元気になるのを「待ってるね」と送ったLINEに、彼は「待っててな」と返してくれたけどまたもう一度あの嬉しさを味わいさせてくれるのだろうか。

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