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タロットと西洋占星術のリンク③~天体に対応するタロットカード(月・水星・金星)

皆さま、こんにちは。
月1連載ですが、あっという間の1ヶ月、気が付けば9月半ば時点でおせち料理の宣伝をしていて
1年早すぎ、ヒェ~~となっています。。。
 
 
さて、前回は12星座を3区分(活動、固定、柔軟)に、4つのエレメント(火、土、風、水)を置き、それが何座に当たるのか、対応するタロットカードと、その絵柄の特徴をまとめました。
 
前回の記事はこちら
 
 
12星座に対応するタロットカードということで、12枚のカードを使いましたが、タロットカードは大アルカナが22枚、小アルカナは56枚あり、計78枚。残りのカードはどう考えたらいいの?という疑問がわいてきますよね?
 
西洋占星術には12星座以外にも、惑星ハウス(宮)など見るべき所があります。自分は何座であるか?知っている人は多いと思いますが、これは太陽が何座に居るときに生まれたのかで決まります。西洋占星術は太陽を含め、10天体が12星座のどこにいるのか?によっていろいろなことを観ることができます。太陽は、公に見せる自分の特徴を表します。太陽が表側だとしたら裏側はになります。ですので月は人にみせないプライベートな特徴を表したりします。星座占いがしっくりこない人は太陽星座以外の天体をみると、なるほど~と納得できることが多いかもしれません。
 
その太陽をはじめとする天体に対応するタロットカードがあります。今回はそのお話をしてみようと思います。
 
西洋占星術で使われる主な天体は、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星10天体です。小学生の頃、理科の授業で「水金地火木土天海冥」と習った記憶ありますよね? 「地」は地球になりますが、一般的な占星術では地球からみた天体になりますので、地球は使用しません。
 
それから、2006年には冥王星が惑星の定義から外されて準惑星という扱いになったそうです。占星術では変わらずに使われますので、これからの若い世代の方々はお見知りおきを!
 
この10天体を周期の早い順に並べてみますと、
 
月 水星 金星 太陽 火星 木星 土星 天王星 海王星 冥王星 になります。  
 
月 水星 金星 太陽 火星までの天体は個人に影響を与え、それ以降の木星 土星は社会の風潮や世論など、影響の範囲が広がり、トランスサタニアンと呼ばれる土星より遠い天体になると時代の流れや世代的な意味を持った天体になっていきます。
 
ではまず周期の早い順の天体から、今回は3つの天体の特徴をみていきましょう。
 

占星術でのは、蟹座の支配星になります。前回の12星座に対応するカードとしては戦車でしたが、天体対応では女教皇になります。
 
の公転周期は約28日です。占星術で使われる天体の中では一番速度がはやく、日々の移り変わりやその日、その時の気分や感情を表します。ですのでリラックスしている状態はどんなときなのか?ということもでみたりします。
 
個人のホロスコープ上、占星術の各天体には、個人がその天体を開発し、利用していくという年齢域があります。0歳から7歳くらいまでで、生まれて一番最初に影響を受ける天体になります。この年齢域で経験したこと、吸収したことにより人格を形成すると言われます。三つ子の魂百までとはよく言いますが、大人になっても無意識にしていることや癖など、表側では見せないような、家に帰ってカブトを脱いだ後の本当の姿は、その人のホロスコープ上のの状態でみることができます。占星術では女性性を表す天体ですので、母親や男性のホロスコープでは妻を表したりもします。
 
さて、この月に対応する女教皇はどうでしょう。描かれている女教皇は年齢でいうと女子中高生みたいな少女です。冷静に見えていますが、この年齢はまだ感情をコントロールするには未熟な段階です。乙女の純情で感じやすい心は、自分の経験値に達していないことや許容できないものに触れると絶望したり、反抗したり、些細なことでも心が揺れ、感覚がとても尖っています。ですので直感力も冴えています。真実を見抜いてしまうけれど、感情の表現や心の置き場をどのようにしたらいいかわからない思春期にあるような状態です。大人になっても尖った(いい意味で)感覚の人のキャラは女教皇でしょう。
 
絵柄をみてみましょう、頭上の満月、三日月の月は女性性を表しています。ドレスの裾には水が流れていてそれに絡まる小さな三日月が描かれています。は4つのエレメントの中の1つですが、主に感情を表します。クールに見える女教皇ですが、上記のようにむき出しの感情も隠し待っていることを示しています。しかし足元にあることから、本人はそれに気づいていない(感情をコントロールするには未熟)ということを表しています。
 
占星術で、月は母や妻を表すのに対し、同じ月でも女教皇は思春期の少女を表すの?という矛盾を感じるかもしれませんが、女教皇の絵柄の中に描かれている月は小さな月です。女性としてまだ未熟な少女を表しているという解釈ができます。
 
 
水星

占星術での水星は、双子座と乙女座の支配星になります。前回の12星座に対応するカードとしては恋人たち、隠者でしたが、天体対応では魔術師になります。
 
水星の公転周期は約90日、この天体を発達させる年齢域は8歳から15歳くらいまでと言われています。小学校中学年から中学生くらいでしょうか。学校という社会の中に入り、家族以外の他人と意思疎通し、読み書きを覚え、健全なる精神を育む時期とでもいいましょうか、コミュニケーション力や知性の発露はその人のホロスコープ上の水星の状態でみます。
 
魔術師は年齢でいうと若者ですが、フレッシュな人、新人など、若々しい雰囲気を持った人。タロットでは1番目のカードなので、始まりを意味します。上記で述べたように、年齢域では言葉や読み書きを覚え始め、自分の思ったことを表現できるようになる楽しさや、習ったことをスポンジのように吸収する柔軟さを発揮する時期であったように、魔術師は人を楽しませる表現力や器用さで、人前でパフォーマンスや講演をしたり、弁が立って人を引きつけます。
 
絵柄をみてみましょう、机の上には4つのエレメント(火、土、風、水)を表すワンド、ペンタクル、ソード、カップが置かれています。これらすべてのエレメントを自由自在に使って金を生み出す(錬金術)ことを表しています。その可能性は、頭の上にある無限大のマーク、レムニスケートに示されるように無限にあることを表しています。習得したことや閃いたアイデア、巧みな技術を活かし常に何か新しいものを作ったり、ことを始めていきます。
 

金星

占星術での金星は、牡牛座と天秤座の支配星になります。前回の12星座に対応するカードとしては法王、正義でしたが、天体の対応では女帝になります。
 
金星の公転周期は約225日です。この天体を発達させる年齢域は16歳から25歳くらいまでと言われています。高校生~社会人になってぼちぼちくらいでしょうか。金星は占星術では女性性を表す天体なので、若い女性、彼女などを表します。キラキラしたイメージは金星になります。楽しい!!と感じることを見つけ、趣味や恋愛、オシャレやグルメ、スイーツ、娯楽など活動範囲が広がっていくお年頃、趣味、嗜好は金星の状態でみます。また、段階として1つ前の水星で習得した技術に、金星期では彩りを加えていくという見方もできるかもしれません。ことに金星は芸術的な感受性を表す星でもあるため、例えば、絵の描き方を習得したのであれば、作品をどう芸術的に昇華させていくか、がテーマになってくるでしょう。
 
絵柄をみてみましょう、女帝のカードでは王女が描かれています。女教皇の次のカードとして、少女から大人に成長した女性を表しています。女教皇では許せなかったことも女帝では、寛容になり許容していきます。女帝が手に持つ笏(しゃく)+宝珠(ほうじゅ)は、男性性と女性性のエネルギーが交わり、新しい生命を生み出すことを表しています。生み出す(クリエイティブ)育てるということからを表すこともあります。女帝の示す金星包容力を持ってゆったりとした中でものごとを豊かに育んでいきます。
 
ライダーウイエト版の女帝では女性の座っている椅子の背面に金星のマークが描かれています。マカロンタロットでは王女のドレスにブドウの房模様が描かれ、豊穣と成熟した肉体を表しています。背景の壁紙には草花模様、自然を慈しむ豊かな心と育てることの喜びも表しています。豊かさを皆で分かち合い、発展させ、みんなが幸せになる楽しい雰囲気を持っています。占星術での金星は若い女性を表すのに対し、タロットカードの女帝は同じ金星でも若くなければならないということはなく、母という存在はいくつになっても母であり、女帝には変わりありません。
 

今回は3つの天体の占星術の特徴と、その天体に対応するタロットカードの特徴をまとめてみました。女教皇(月)、魔術師(水星)、女帝(金星)のカードが出てきたら、天体の意味も加えてリーディングの幅を広げてみてください!!
 
 
次回は太陽、火星、木星に対応するカードについて考えてみたいと思います。お楽しみに😊


文・イラスト:加藤マカロン

【著者プロフィール】
加藤マカロン

イラストレーター&占い師。公式サイトは、マカロンタロットweb 。カードの基本的な意味などを知りたい方は、『マカロンタロットで学ぶタロット占い』(駒草出版)をご参照ください。SNSは、Twitterアカウント (@katomacalon)、facebook などでも情報発信中。

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