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25歳で脳梗塞になった話

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14日間の入院生活を書きました。書きたいことが多すぎて長いです。
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2020年8月の記事一覧

7:入院5日目

土曜日、この日も嫌々ながらウィッグ探しを始めた。モデルをしている友達に連絡してみたり、伯母の行きつけの美容師さんと連絡をとってみたり。

しかし、もともとヘアセットのしてあるフルウィッグというものはなく、ロングのウィッグを美容師さんにセットしてもらうしか手段がないのだと判明した。しかも、毛の色やサイズなど、結局実物を見ないことには選べない。あとで美容室に置いてあるカタログを差し入れてくれると言うの

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6:入院4日目、病状説明

金曜日の午後2時、家族を交えての主治医からの病状説明が行われた。夫以外の家族は、ここで初めて、私に何が起きたかを詳しく知ることになる。ナースステーションに、夫、県外に住んでいる私の両親と夫の両親が集まり、そこに車椅子で私が合流した。なんだかみんな緊張している。

ここで私は初めて自分で頭の検査画像を見たのだが、右前頭葉に黒い影が写っている。しかしこれは腫瘍では無いだろうと言われて、これは静脈が詰ま

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5:入院3日目

木曜日の朝食後、看護師さんから「今日の午後に造影剤の検査があります」と告げられた。ついでに、ちょうど左腕に点滴漏れを起こしていたため、右腕の肘近くに刺し直してもらった。

しかし、この刺し直した針が、肘を少し曲げるだけで血管に当たって痛む。この日の昼食は冷やしたぬきうどんだったが、あまりに痛くて右手で食べることができなかった。ナースコールを押して、針が当たって食べられない、と訴えたが、フォークを持

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4:入院2日目

水曜の朝食を終えると、清拭の時間がやってくる。昨日お風呂に入っていないため、拭くことができて嬉しいのだが、体を拭くタオルがいくら洗濯してあるとは言え、臭う。体を拭き終えたタオルは、洗濯をして漂白をして次の日また誰かが清拭で使うのだが、乾かす間も無く濡れたままでいる布はやはり嫌な匂いがする。ハムスターの小屋の匂い。

顔・体用のタオルと、陰部用のタオルは決められていて別の物なのだが、患者に配布される

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3:入院1日目

ここから私の入院生活が始まる。汗だくで仕事をしている途中で運ばれてきたものだから、化粧もしたままだし体もベタベタのまま。明日、詳しい検査をする予定で、未だに痙攣の詳しい原因はわかっていない。ただ、身体が動かしづらいとかもなく、会話も普通にできるし、構音障害もない。

しかし、廊下の蛍光灯の明るさでさえ、やたらと眩しく感じて、頭痛を助長する。窓のカーテンを全て閉めてもらい、部屋のドアも閉めたままにし

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