【す】数学

1.人間が発明した汎用語

2.厳密である、論理的である、ということの例えに用いられることが多い。しかし、なぜそう「感じる」のか、という部分は放置されている。

3.多くの人が「概念的に閉じている」と感じる不思議さを持つ(*1)。この事が、2のように感じさせる原因である事が推測される。

【参考文献】
(*1)長尾真著・「わかる」とはなにか・岩波新書・P67・L9

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【解説】
「世界は数学でできている」とか「数学で描かれている」と言っているのを見るが、正しくは、そうではない。

 なぜなら、数学は、クリエイター(★1)のものではなく、あくまで人間が理解しているものだからだ。世界が数学でできていたら、それを理解するヒトは、クリエイターレベルということになる。

 数学は、人間サイドのものだ。
 因果をつくし、徹底して再現性にこだわった逸品なのだろう。
 そう、数学は明らかに「言語」だ。
 以前は、数学を言語であると言い切っている人は少なく、自然科学と同列に扱い、現象=数学としている人が多かった。一部、未だにいる。

 だが、今では、はっきり数学は言語であると言っている人も多く(★2)、そこからしか展開しない次がある。正しく言葉を扱うことと思考展開とは密接な相互関係にあるので、「世界が数学でできている」と考えることと「人間は、世界を数学で翻訳している」と考えることでは、無視できない乖離があると考える。

【参考文献】
(★1)小松雨暗「世界事典」【く】クリエイター 参照
(★2)大栗博司 ブルーバックス創刊50年記念特別対談 「数学と科学の違い」対談部分

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