見出し画像

旅は誰かの日常にそっとお邪魔すること。

皆さん、旅に出るきっかけはどんなことが多いですか?
テレビや雑誌の特集で素敵な旅先を見つけた時、友達のSNSの投稿で美しい写真や美味しそうな食べ物の写真を見つけた時、もう疲れちゃってとにかくどこでもいいから現実逃避したくなった時…、色々ありそう。私もきっかけは色々。最近はテレビを殆ど見なくなってしまったので、主にSNSでの投稿や仕事柄、新しいホテルや温泉旅館のオープン情報、地域で面白いことをしている人たちとの繋がりが日常的にあるので、いつも無意識に次の旅先を探している、そんな感じです。

そんな私の旅に行くタイミングや動機も様々。
主に、入念にネットや雑誌で調べて早めに宿や航空便などの予約をして備える「準備万端型」や、行きたいと思った時が旅時!(だいたい疲れてる時、リセットしたい時に多い…)の「急性・旅に行きたい病発症型」の2つ。どちらも旅が始まる前から楽しいのだけれど最近は後者が多い。一緒に連れて行かれる家族はさぞかし迷惑だろうけれど。ひとり旅の感覚がどうも抜けていないのかもしれない。

昨年の初夏は家族でふらっと群馬へ。とても楽しかった。中之条のカフェでまったり、会いたい人に会って、温泉旅館でのんびり。どうして群馬にしたのかというと、前から泊まってみたかった温泉旅館があって、それがたまたま群馬だったから。旅先よりも目的が先行。最近は殆どこのかたち。全国に行きたい旅館やホテルがあり過ぎるのです。まだまだ行きたいところはたくさんあるけれど、昨年は温泉旅館に10泊しました。今年は10泊超えが目標。

この時は旅の前日に群馬の友達に「普段行っているカフェとかごはん屋さんとか、お気に入りのところ教えて!」と伝えたら地元の友達がたくさん教えてくれました。最近はガイドブックの情報よりも、こんなふうにそこに住んでいる友達に聞いて彼等の好きな場所に訪れるのが楽しい。生活に根付いた場所に魅力を感じるのです。

じつはこの「普段行っているところ」がとても
大事なポイント。
私にとって旅は「誰かの日常にそっとお邪魔すること」。旅中でそこの土地に住む人との他愛もない会話ややり取り、触れ合い、日常の何気ない風景が旅に彩りを与えてくれる。

旅先で見た美しい景色や美味しい食べ物も記憶に残るけれど、また行きたいと思うところはそこで触れ合った「人」が真っ先に頭に浮かぶ。はじめての場所なら有名な観光名所をなぞるのも良いと思う。もし、次にまた訪れるなら、「日常にそっとお邪魔する旅」をぜひおすすめしたい。親切にして貰った記憶、優しい笑顔、楽しそうな笑い声…、人の印象がその土地の風景とかその時の匂いとか空気なんかとリンクして記憶にいつまでも残る。

海外でも同じ。仕事だったけれど、昨年末にバルセロナを訪れた。早朝にホテルの周りを海辺まで歩いて散歩した時のこと。「hola! (オラ!=こんにちは!おはよう!)」と開店準備をするカフェの店員や犬の散歩をしていた老紳士が通りすがりの私にニッコリ微笑んで声をかけてくれる。街の人との何気ない会話。そんなちょっとしたやりとりも旅の記憶を色鮮やかに鮮明にしてくれる。海外だと余計に感受性が高まっているからもっと強くそう感じるのかもしれない。そんなやりとりが下地にあると、何気ないことも印象的に映る。バルセロナはまた訪れたい場所のひとつになった。

▲地元のデパ地下。旅先では地元の人に混ざってスーパーでお買い物をするのが好き。そこならではの食べ物とかディスプレイも楽しい。

▲バルセロナ市内のポスト。黄色で目立つのだけれど街並みに溶け込んでいておしゃれ。そしてかわいい。

▲「私たちの写真撮って!」とお願いしたら、この写真が残っていた。茶目っ気たっぷりの店員さん。バルでの一コマ。

▲海岸まで散歩。美しい朝焼け。

国内では、もう10年以上も前に行った京都の東山にある片泊まりの宿。宿の主人の心温まる対応はいまも鮮やかに思い出せるし、また訪ねたいと思っている。
一方で昨年泊まった旅館なのに名前も、下手したら場所すら思い出せないところも残念ながらある。申し訳ないけれど、そういうこと。

優しい思い出は強く鮮やかに記憶に残る。
それがまた旅ごころをくすぐるし、まだ見ぬ土地にもそんな出会いを期待し、やっぱり旅に出たくなる。

旅のかたちも人それぞれ。千差万別、正解は無くて無限大。さて、次はどこに行こうかな。

#旅 #旅のこと #旅の記憶 #温泉旅館