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幸せの鍵は上司との関係に尽きるという身も蓋もないお話

『あなたの職場の繊細くんと残念な上司』を読んで

最近、新書のラノベ化が酷く、ああこれもタイトルで釣られたかと思いながらもつい手をだしてしまったうちの一冊。内容的には、残念な上司にならないためにはどうすればよいのかということが戦術面で具体化され、列挙されていた。

曰く、支配型のリーダーシップはやめて、支援型のリーダーシップを取るようにする。具体的にはコーチングメソッドを用いて部下とコミュニケーションを図ることで自律的に仕事への打ち込めるように誘導するというもので、例えば、頑張ってSNSをつかっていても実は若手はFBは使わない。逆にFBでリア従自慢されるのはウザいと感じているので注意という記述もあって、ああそれな。わかっているけど・・・。そこは仕方がないんじゃないの。そこ気を付けてどうなるもんでもないし・・・。などと思っていた。

で、読んでる途中で、日立のハピネスの矢野さん(最近、出島としてハピネスの会社を立ち上げたとのこと。日立のDXもそれなりなと思ったり)のウェビナーを眺めていたら、結局人がハピネスを感じるかどうかということにおいて、人がコントロールできる部分としては、マインドセットの部分(ウェルビーイングってやつね)もあるけど、普段取り組んでいる仕事が面白いかどうか、充実しているかどうかという部分に焦点をあてるのが大事だと改めて解説されていて、ああそうだよなと。

社員が会社に対してロイヤルティ感じるのは給与っていう物理もあるけど、やっている仕事が面白いとか、一緒に仕事している上司が尊敬できるとかの心理ロイヤリティも大事だよな。カスタマーサクセスでも顧客の心理ロイヤリティをいかに高めるかが勝負だと言っていたし、そう考えると部下の心理ロイヤリティを高められない上司は残念な上司になってしまうということか・・・。

などどつらつらと思っていたところに、マッキンからメールが届いて、上司は部下との関係を良くして、社員の業務上の満足度を上げることが最重要課題だなんてレポートがあるよということでああやっぱりそうなのねと。

レポート曰く、労働者が抱く満足度に仕事の満足度が占める割合は25%。で其の中で人間関係が占める割合は約4割。で、その約4割のうちの約9割(ほぼ全部)は直属の上司とのコミュニケーションが占めるという調査結果あると。つまり、日々の仕事に満足しているかどうか、充実した仕事ができているかどうかを感じられるかどうかは、ひとえに上司との人間関係が上手くいっているかどうかにかかっているということらしい。

また、別の調査でも、上司との人間関係が良好な場合は、仕事に対する満足度も高くなるという相関関係がきれいに出てきており、因果関係までは特定できないものの、こと上司と部下の関係を取ってみれば、折れやすい、指示待ちの部下を嘆くよりも、自律的に働くように促すことができない上司が問題なのだというこらしい。これはキツイ話だなと。

従業員満足度が高い企業は、顧客満足度も高い。業績も高い。つまり従業員の生産性も高いというレポートは世にごまんとあふれているわけで、いまや俺がなんとかする的なリーダーよりも、周りを思いやり、共感し、共に歩んでくれるサーバント・リーダーが求められていると。

で、サーバント・リーダーってもう随分と前から重要(マネジャーの4タイプのうちの一つ)っていわれていたけれど、いまいちパッとしなかったよね。というのも、マネジャーに求められる資質としては、業務遂行能力だったり、そのために高度な技術やビジネススキルを持っているかどうかだったりして、従業員の満足度を高められるスキルなどというのはプライオリティが低く見られていたわけだから、それを高めようなんて思ってきたマネージャーはなかなかいないよねと。

でも、仕事はチームでアジャイルでやっていくのがいまどきとなると、チームをひっぱるのではなくて、チームを盛り立てる、ワンチームにできる能力がマネージャーに最も求められる能力ということに時代が変わったと。そのことに気が付かないとねと。

じゃあ上司は何をすればよいのってHowの部分になっちゃうわけで、そうすると1on1で適切なFBができるようになること、コミュニケーションはコーチングのメソッドを用いてやるってことで、冒頭の本の内容に戻ると。そう考えると、この本もそんなに悪くないのねってことで、ただ、なぜそれをやるのかという理論的なフレームワークがないと、なんでそれをやっているのかもぶれちゃうから、やっぱりWhyが一番大事だなと。まあ、そんな感じでした。

#ハピネス
#1on1
#あなたの職場の繊細くんと残念な上司
#書評

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