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いつの間にかハックされていたそんな時代に僕らは生きている。

『デジタル・ポピュリズム』操作される世論と民主主義 福田直子著

ポピュリズムについて、とうとうと語っているのかと思いきやそんなことはなくて、FBやTwitterやyoutubeを見続けていると知らないうちに、ハックされ人心操作にあう危険があることを実例を交えながら解説した本でした。時々あるんですが、期待した方向とは違うんですが当たりというやつでした。

SNS上の情報をプロファイリングに利用されると、それに基づいたターゲット型マイクロ宣伝を打つのは容易いことであり、その効果は個別最適化したメッセージなのでエンドユーザ一人一人に非常に刺さるものになる。

先の参院選でも浮動票がネットの影響を受けて大きく動く結果となりました。これはインターネットが商用化当初から言われていた「これからはワン・トゥ・ワン・マーケティングの時代」が、テクノロジーの進化に伴い現実のものとなったことの証左ではないかと思われます。

人は自分の見たいもの、知りたいもの、聞きたいものに目と耳を貸すものです。それが事実なのかそうでないのかは関係なく、自分の信じたいものを補強する内容であれば、それはその人にとっての真実になるのです。

なので、SNSを利用して人心をハックする輩には相当な感度を持って警戒しないといけない時代になったということを皆自覚してほしいということを著者は訴えて言います。

これは、『サピエンス全史』の著者でもあるユヴァルもWIREDの鼎談記事の中で危惧していました。曰く、「人間はハックされる動物である」と。なんだか『マトリックス』の世界に近づいているように感じるかもしれませんが、もうすでに私達はスマートフォンの画面を通してネットの中へダイブし、知らないうちに人形使いにハックされているかもしれません。

最後に、ポピュリズムの話を。著者は、「怒れる市民」の特徴を以下のようにあげています。

1、大げさで簡単な言葉しか使わない。
2、嘘でも繰り返し同じことを言う。
3、反難民、反イスラム、反エスタブリッシュメント、反グローバル化などを主張し、不安を煽る。

そして、
・私達は善良な市民で、悪いのは「お上」だとの思い込み。
・自分達の声は何があっても聞かせようとする。
・注目されるために奇想天外の演出もする。
人々の不安を煽り、利用する。
・時には偽ニュース、陰謀説とわかっていても拡散する。

と言うことが特徴だそうです。あなたはあなたの見たいものだけを見ていませんか。

#ポピュリズム
#ハック
#デジタル
#プライバシー



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