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ZOZO前澤さんに学ぶ、新時代マーケティングの幕開け #月に行くならお年玉

マーケターの皆さん、そうでない皆さん。
本当に自身の頭を使って考えていますか?

日々変化するマーケティング手法ですが、最近は根底からひっくり返されるような変化をよく目にします。

マーケティングにおいて最重要なスキルは、運用力でも、知識でも、パッションでもありません。もちろんそれらも必要なスキルですが、何より大切なのは

**
思考力と、対応力です。**

この記事ではZOZO前澤さんのプロモーションから感じた『新時代のマーケティング』についての考察と、未来予測について記述していきます。

初投稿なのでまずは軽く自己紹介。ナルシストマーケターのこまみー(@KomamyDX)です。顔がイケメンなのでナルシストとして生きていて、2019年内には株式会社ナルシストを設立予定です。

ちなみに20歳くらい(現在25歳)の時はテレビ出たりしてました。

モデルをやっていた時期もありました。
いや~やはりイケメンですね。最近は少し劣化していますが、まだまだイケメンなのでしばらくナルシストとして生きていけそうです。

月に行くならお年玉キャンペーンとは?

おふざけはさておき、ただの怠慢で今までnote童貞だった僕がついに重い腰を上げる要因にもなった「#月に行くならお年玉キャンペーン」

皆さん既にご存知の方も多いかと思いますが

「このツイートをRT&フォローしたら
 抽選で100人にお年玉100万円を
 無条件であげちゃいます!」 ※1/7まで

簡単に要約するとZOZO前澤さんによる『100万円を100人にあげちゃうキャンペーン』です。しかもこれ、会社のお金ではなく個人キャッシュです。
どれくらい反響があるか、フォロワー数/各エンゲージメントを見てみると

執筆時(2019/01/06/14:00時点)
フォロワー|2,438,047(前日+1,938,047)
リツイート|2,000,000 RT
  いいね|439,000 いいね

200万RT??普段の目にするバズツイートと桁が2つくらい違う...
この時点で同じ人類なのか疑いますね。

今回noteを書くに至ったのは、このキャンペーンを見てナルシストマーケターなりにいくつか肌で感じたことがあったからです。

ここから先は真面目な内容になるので、もし僕の顔を見ることを目的としている方はFacebook(Naoki Komamiya )の”俺様”という延々と自撮りをUPしているアルバムがあるので、そちらをご参照ください。

#月に行くならお年玉 ** の再現性**

さて本題に入ります。まず最初に、今回これだけの反響を生んだ #月に行くならお年玉 キャンペーンは、他の手法で同等パフォーマンスを出すことはできるのでしょうか?

もう少し具体的に言うと、

1億円の広告予算投下により
①同等のリーチやエンゲージメントの獲得は可能か?
②企業での再現性はあるか?

あえて結論は後述として伏せます。

まずは前提として、1日で1億円(月間30億円ペース)の広告投下はどのような広告媒体であったら可能か。

例えばテレビCM。プロモーションの中ではかなり高単価な部類で、1億~数億円単位でのGRP(Gross Rating Point)投下が一般的です。タイム・スポット(買付形式)/購入枠/キャスティングなど金額を左右する要素は多くありますが、1億円でのプロモーションも可能です。

ただ今回(#月に行くならお年玉)はエンゲージメントありきのキャンペーンであり、キャスティングや事前に必要なものが限りなくゼロに近いため、比較対象はマスではなくダイレクトとして、デジタルマーケティング(以降デジマ)に絞って考えてみます。

デジマで1日1億円を活用する難しさ

結論から言いますが、相当キツいです。ナショクラでもかなり大型販促でない限り使わない金額感ですし、そもそも使わないというよりは使えないといったほうが正しいかもしれません。

例えば運用型広告、今回は造語によるトレンドKW作成型であり特定のニーズに対してのソリューションでもないため、リスティング広告の実施は不可能です。国内主要SNSは平均MAU2〜3千万人ほどのため、CPMにもよりますがデイリーでの投下量はおおよそ数千万円ほど。

デモグラで広く浅く配信したとしても、そもそもリーチ数ですら到達が怪しく、無理やり入札額上げてリーチを取りにいくこともできますが、デモグラ配信のエンゲージメントはたかが知れているので、前澤さんのアカウントでの告知と比べて極めて効果は低くなります。

では運用型で数千万円を投下をするとして
他にどのような手法があるか。

純広告や他手法と組み合わせることで
効率を維持しパイを広げることは可能です。

純広告にも色々ありますが、例えばツイッターならこちらのプロモトレンドという純広告が存在します。

1日1社24時間表示できる固定枠で、数百万円単位の金額感です。

皆さん、画像を良~く見てください。
「前澤さん」がオーガニックでトレンド1位。
そして流石前澤さん。スクリーンショットのタイミングでちょうど月のニュース。

わざわざ純広告を出さずとも、こちらの面は1位獲得ができることを見せつけられる結果となりました。完敗です。

その他にも大規模リーチが出来る純広告は、Yahooブランドパネルなどいくつかあります。純広告以外でも、LINEスポンサードスタンプや、インフルエンサー施策など他にもいくつか考えられますが、どれもエンゲージメントを比べたら大きく見劣りする結果となるでしょう。そもそも広告費に大きく費用を割いてリーチは取れても、肝心の中身が無ければエンゲージメントは愚か、クリック等、第一アクションで詰まるでしょう。

LINE株式会社 取締役 CSMOの舛田 淳さんも言及されている通り、50万人という数のフォロワーが起爆剤になっていることは明らかですが、そもそもユーザーのモチベーションはクリエイティブの見え方ではなく、圧倒的なキャンペーンのメリット・インパクトに向いています。

あれ?どの広告使っても勝てなくない?
前澤さんの個人アカウントより効果的な1億円のデジタルプロモーションって出来なくない?

勘の良い方々はお気づきかもしれません。

そうなんです。今回の1億円は、
広告費ではなく販促費 なんです。

広告費をゼロとし全てを販促費として
ユーザーを楽しませることだけに投下していることがポイントです。だから広告費の土俵で勝負しても、そもそも既存広告の費用対効果を上回ります。

「そんなんわかってるよ!」
「だからプロモーション効果を推察しているんだよ!」

というツッコミが多く来そうなので、もう少し具体的に言語化します。

広告費と販促費の差配

前澤さんのTwitterアカウントは50万フォロワーですが、Twitterで50万人のフォロワーを有するインフルエンサーを起用した場合は1投稿当たり50万円~100万円ほどの価値です。前澤さんの投稿価値を費用換算して100万円とすると、計1.01億円の費用。
**
もし1.01億円の費用でプロモーションを行う場合、あなたはどのように広告費と販促費を差配しますか?**

目的やKPIにもよりますが、僕だったら広告費0.01億円/販促費1.00億円という差配は取りません。というかリスクを恐れて取れません。この判断を取れること自体が異常で、まずここに優位性が存在します。

ただ、先述の通りこれは個人がやったからこそであって、企業がやってもインパクトはここまでないのでは?と僕自身思い、色々なケースを想像していました。

しかし、少し考えるとすぐに
「あれこの差配どこかで見たことがあるな」
「... あ!!!!!」

そうです。直近話題になったPayPayの「100億円あげちゃう」キャンペーンと酷似しています。

\ ちなみに僕は10万円当たりました!! /

ガンガンCMもデジマも広告投下していたので、全部で5~10億円ほどは投下していてもおかしくないです。かなり巨額のプロモーションに見えますが、実際に差配を考えてみると 広告費推定5~10億円/販促費100億円。通常ならあり得ないくらい販促費に傾倒しています。

既存のプロモ手法では到達不可能

今回僕のnoteでは広告効果の換算値や細かいシミュレーション等は伝えたい内容とズレるので割愛しますが、ざっくり推定しても「#月に行くならお年玉」や「100億円あげちゃうキャンペーン」は既存のプロモーションにおいて同額を使った際の費用対効果(※)は超えてきます。
※費用対効果:勝手に前者はフォロワー、後者はユーザー獲得と仮定しています。

結論として、既存手法で前澤さん以上のリーチ/エンゲージメントを出すことは極めて困難と判断します。正直マーケター泣かせの施策です。

ただ1つ。僕は再現性があると思ってます。
そしてそれこそが、新時代におけるマーケティングのあるべき姿だと思っています。

新時代のマーケティングとは

発言力のあるアーリーアダプターへの初期リーチのみを担保し、残りの投下費用を全て販促に回す。

先ほどとは趣向を変えて結論から。
再現性を持たせるにはこれに尽きると思います。

「結局リーンかよ!」というツッコミが聞こえた気もしますが、起業ではなく個人・企業のキャンペーンにおいてもこれに特化してみる価値はあります。アーリーアダプターへのリーチは、キャッシュがあれば費用を支払ってもいいですが、マルチな情報を取り扱う方々中心に、自ら投稿したくなるくらい販促を特化させ、それらの方々がフォローしている数千フォロワーの人間に拡散を仕込むこと さえ出来れば十分かと思います。今回の文脈に合わせて"販促"と記載しましたが、広告主事由ではないユーザーのための費用投下を指します。

① 最低限の起爆剤(アーリーアダプター)
② 話題性のある特化型販とユーザーメリット

もう少し抽象的な言葉でまとめると上記になります。もちろん、サービスにもよるため全ての共通するわけではないですが、少なくともある程度広域なデモグラを対象としたtoCサービスであれば、試してみる価値は大いにあるかと思います。

僕が語ると安っぽくなるので多くは語らないですが、当たるかも!と夢を持てるだけでそれが一番のユーザーにとっての楽しさなのかもしれません。

ここまでで、再現性についての考察は終わりにします。最後に個人的に思った広告業界の今後について後書き程度に書きますが、こちらは流し読み程度でお願いします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

あとがき

今回広告費から販促費へのアロケーションを提案した背景として、今まではWEBやAPPの台頭後に最適化がかかりきっておらず、リーチにも大分余剰がありました。完全に個人的な推察ですが、広告費が増え続けている主要因の1つはこれで、もう1つはWEBに参入していない古い業界の広告主が後から参入したことによる押し上げだと思っています。ユーザー自体は既に現在の広告に対して閉塞感を感じていると思っていて、ユーザーリテラシーの高い業界に絞ったら直近2~3年くらいで広告費の成長率は頭打ちになる気がします。(多くの広告関係者の方々、先に謝っておきます。ごめんなさい。)

ここを深堀りすると長くなり過ぎてしまうのでかる~くにしておきますが、広告費・販促費を投下した際、ユーザーにとってのメリットが大きいのは言うまでもなく販促費です。

広告費はあくまでも広告主側の事情であり、ユーザーのニーズに正しく当てられない限り基本的には販促やそれらの口コミ・シェアで辿ったほうが圧倒的にユーザーメリットが大きいです。法人の採用でリファラルのほうが相性が良い人を見つけられるのと同じ原理です。

では何故全額を販促費に回せないのか?それらは当たり前で、ユーザーにリーチできなかったらどれだけ高品質なサービス・販促であっても利用されずに終わるからです。

これは真理です。僕自身ゴリゴリデジマをやっている人間なので、ただきれいごとで「ユーザーのために!」という気は毛頭ないです。

ただ、今の広告って結構押し付けが多い気がするので、もうちょっとネットの閉塞感がなくなる方向に動いていくんじゃないかなあと思ってます。

だからと言って広告を辞める気もSEOを辞める気もないですが、並行して本当に少し先のマーケティングを思考して、対応しておかないとどこかのタイミングで一瞬で振り落とされちゃうんじゃないかなあと考えた正月の最終日でした。

皆さん今年も頑張りましょう!

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