映画館のジュースを置く穴(小山の戯言)
映画館に行った時、右手に持ったジュースをそのまま椅子の右側にある穴に入れた。俺は右利きだった。
すると隣の席におじさんが座った。そこで俺は思った。
「おじさんも右利きなのだろうか」
右利きだったらそのまま右の穴にジュースを置く可能性が高い。しかし、左利きだとしたら左の穴に入れたいかもしれない。
そこには今、俺のジュースが置かれている。
俺は一回自分のジュースを手に持ち、飲んだフリをしながらおじさんの動向を伺った。おじさんはジュースを右側に置いた。
おじさんは右利きだったようだ。
世界は右利きの人向けに作られている。マイノリティである左利きは不便を感じることが多いらしい。
俺は右利きだから考えてもなかったけど、ボールペンが書きにくいとか、駅の自動改札機は右側だとか。そういうちょっとした不便がたくさんあった。 多数派はどうしても少数派のことを忘れてしまうけど、ちょっとした想像力と思いやりが大事だなって改めて思った。
あ、ちなみに映画館で出会ったおじさん、途中で爆睡かましてました。 映画館で爆睡かます人は左利きの確率より珍しい気がする。
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