見出し画像

【おすすめ本】世界中で迷子になって

画像1

著者 角田光代
出版社 小学館

角田光代さんの文章は、読みやすく、すっと入ってくる。
そして、特にエッセイは感覚や感じ方に共感できる部分が多く大好き。今回紹介している本「世界中で迷子になって」は、旅と買い物に関するエッセイ。ほのぼのするイラストもとてもいい。

コロナ禍でふらっと旅に出ることが難しくなった今、本の中で旅をするというのも楽しみのひとつ。
空想には国境はない。
自由にどこへでも行くことができる。

「世界中で迷子になって」

前半部分は、旅のストーリー
20代にバックパッカーで訪れたアジアの旅を懐かしく思いながら読んだ。
普段はどちらかというとボーっとしている性格だが、旅に出ると野生の感というか、鋭い感覚がさえてきて、目の前に現れた人が自分をだまそうとしているとか、この人の言っていることは本当かなどわかったりする。そのようなことが書かれていて、「確かに~」と思ったのである。

また、旅で経験したことは実生活で生かされる、旅の仕方は生き方に反映される。角田さんのこの本を読んでしみじみ思った。

後半部分は、買い物のストーリー
「自分へのご褒美」として自分でがんばって働いて得たお金で自分で購入する可笑しさ。
キッチンの便利グッズは本当に便利なのか、あると便利だけどなくてもいいもの。不便と思いつつもその使い方に慣れているため、便利グッズ購入してもその出番がないものなどなど。私は読み進めながら「ある、ある」とほくそ笑んでいた。
私だけかと思っていたことも、この本を読んできっと大勢の共感者がいるのだろうと思い、なんだか安心した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?