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朝五時半にお花見を

変わる時に変わらないものがあること。それが大事なのかもしれません。そんなことを思いながら小牧幸助は昨日の早朝、電車に乗りました。

photo by Komaki Kosuke

降り立ったのは中目黒。四月の上旬にはとても混雑する駅です。なぜなら目黒川沿いの桜並木がとても有名だから。けれど、いまは朝の五時半。同じ街とは思えないほど人が少ないのです。私は早朝の桜を撮りに来ました。

前日は夜遅くまで仕事をしていて、そうでなくとも最近は毎晩引っ越しの準備に追われているのに、どこにそんな気力が残っていたというのか。自分でもふしぎですが、昨年は雨続きであまり桜が撮れなかったのが心残りだったのかもしれません。

photo by Komaki Kosuke

そうして撮りました、目黒川の桜です! 曇り空がちょっぴり残念ですけれど、見事な桜ですね。人気のない静かな街を歩きながら、桜を撮っていきます。

photo by Komaki Kosuke

桜の花びらの色合いほど春らしい色はない気がします。子どもの頃は桜をピンク色で描いていましたけれど、どちらかといえば白に近いですよね。同じ白色の冷たい雪との対照的な温度感が、味わい深く思われます。

photo by Komaki Kosuke

よく見ると葉が見えます。風が吹くと、それこそ雪のように花びらが舞います。一日、一日と桜は姿を変えてゆき、同じ景色は二度と見られないと気づかされます。毎日同じような日々を過ごしている気がしても、今日と同じ日は、もう来ません。

photo by Komaki Kosuke

目黒川沿いのお店のガラス扉に映る桜は、額縁に入った絵のようでした。あるいはステンドグラスみたいです。思わず足を止めてしまいました。

photo by Komaki Kosuke

残念ながら小雨が降ってきてしまったので、大人しく帰りの電車に乗りました。それでも、去年より良い写真が撮れたので、早起きしたかいはありました。

そして、今日。まだ入居はしていませんが、新居の近くを散歩してみようと思い立って、私は家を出ました(近場でのお引っ越しなのです)。

photo by Komaki Kosuke

そうしましたら、思いがけず桜に出会いました。ベンチがひとつしかないような、こぢんまりとした公園です。勉強不足で四月に紅葉している木があることにも驚きました。天気もよく、色彩のコントラストにしばらく立ち尽くしました。

このときはカメラも持っていなかったので、スマホで撮影しましたが、良い景色に道具はさほど関係ないのかもしれませんね。

photo by Komaki Kosuke

近くの和菓子屋さんに立ち寄ったら、「お花見団子」が売られていたので、迷わず買いました。花より団子といいますが、花と団子を両方楽しんでもいいのですね。たっぷりのあんこにふくまれるかすかな塩味が、桜にぴったりでしたよ。

四月になって新生活を送られている読者さんもいらっしゃると思います。私も新しい生活へ向けて、少しずつ進んでおります。

そうした「変わる時」に変わらないものがあること。やっぱりそれが大事です。

たとえば桜の花びらが散り、葉桜へのその姿が変わってしまっても、大丈夫です。地面にしっかり根を張った、丈夫な幹は変わりません。揺るぎません。

変わっていく日々にちょっと疲れたら、ひと休みしてお団子を食べればよいのです。そうなのです。安心して新しい季節を迎えましょう。

ではまた!




photo by Komaki Kosuke

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