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アジア紀行~カンボジア・アンコール遺跡の旅⑧~


シェムリアップ3日目の午後

午前中に訪れたプリヤ・カーン(Preah Khan)の印象が強烈で、まだ余韻が残っている。バイクタクシーのキーさんとの約束の時間は午後3時にしてあるので、時間的に余裕があるのがうれしい。

まずは腹ごしらえ。ホテルのレストランで、ハムサンドとグレープフルーツのジュースを注文する。サンドウィッチに入っているタマネギの味が強烈だが、それがまた美味しい。
部屋に戻ってシャワーを浴びる。ホットシャワーのはずだが、湯がほとんど出ない。この部屋だけがだめなのか、ホテル全体の問題なのかわからないが、1泊20ドルだから文句は言えない。バスルームを出てベッドに横になると、一気に眠りの世界に引き込まれる。時間を気にしながらも、しばしの昼寝タイムになった。


オールドマーケット

3時ちょうどにホテルを出ると、キーさんが待っていた。今から寺院見学というのも疲れそうなので、シェムリアップの町のほうに行ってもらう。
まず4日後にバンコクに戻る飛行機のリコンファームだ。Bangkok Airways のオフィスは、ホテル前の国道をずっと西に行ったところにある。この道は空港にも続いている。リコンファームはあっけないほどすぐに終わってしまった。出国の際に空港税が8ドル必要だとのこと。

マーケットに行きたいと言うと、キーさんは観光客相手の土産物屋へ連れていった。予想通り値段だけは高いが見るべきものはあまりない。自分が行きたいのは、地元の人も利用するようなマーケットだと言うと、じゃあオールドマーケットに行こう、ということになった。

オールドマーケットは、国道からシェムリアップ川沿いに南に下ったところにあって、付近にはホテルやレストランも多く、この辺りが町の中心のようだ。開設は1996年だというから、なぜ「オールド」なのかわからないが、何でも売っている大きな市場である。
キーさんは外で待っているというので、1人で迷路のような市場に足を踏み入れる。食料品はもちろん、日用品、衣類、宝石、土産物、食堂に美容院まである。食料品売り場には、肉や魚、野菜に果物などが並び、独特のにおいがする。ナンプラーのような調味料の売り場は強烈で、ハエが飛び回っているのにはまいった。日本ではいつの頃からか、ハエを見かけなくなったな。カメラは持って行ったが、写真を撮るような雰囲気ではなかったのであきらめる。

土産物店の中で、アンティークらしきものを並べている店に入る。店のお姉さんが熱心に売りつけようとするのでイヤになるが、気持ちがひかれるものもある。細かい草花模様の壺が目にとまる。本当に古いものかどうかはわからない。


象の鼻の先に合掌する菩薩像がついている青銅製の金具もおもしろい。これも古そうに見える。


値札はもちろんついていない。最初はいくらと言われたのか忘れたが、最終的に20ドルなら買うというと、お姉さんは怒ってしまった。「そんなに安くしたら儲からん!」って言ってるみたいだ。
しかし、結局20ドルで購入。最後はお姉さんも笑っていたので、よしよし。

1時間あまりマーケットの中を歩き回り、果物売り場でバナナを2,000リエルで買う。リエル(Riel)はカンボジアの通貨単位だが、外国人観光客はドルが通用するので、リエルを使う場面は少ない。ただ、ドルで支払ったお釣りがリエルで返ってくるので、財布にリエルがたまっていく。2,000リエルは60円ぐらいだ。リエルを使ったのは初めてだった。

マーケットを出てキーさんがバイクを駐めているところに戻る。旅に出ると町を放浪するのが楽しみの一つだが、今回はアンコール遺跡が目的なので、シェムリアップの町中はまったく歩いていない。夜には川沿いに屋台が並ぶそうだが、ホテルが町の中心から少し離れているうえに、前の道路がまっ暗になる。しかしなんと言っても、昼間の遺跡見学がハードで、夜はゆっくりしたいと思ってしまう。
時計を見ると午後4時半だったが、買い物をした荷物もあるし、ホテルに戻ることにする。

夕食はホテルのレストランで軽くすませる。ヌードルスープとフレンチ・フライドポテト、そしてビール。合計で3.5ドルだ。
レストランは涼しかったが、部屋に戻ると蒸し暑い。エアコンのスイッチを入れてバスルームに入る。相変わらず湯が出てこない。水をかぶると、逆に寒くなる。旅の途中で風はひきたくないな。
今夜はゆっくり眠れそうな気がする。

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