見出し画像

春の一日、町歩き

坐摩いかすり神社行宮あんぐう

4月下旬の一日、大阪市中央区石町にある坐摩神社行宮にお参りしました。
ビルの谷間に鎮座する当社は、坐摩神社の元宮です。令和2年より御大典奉祝記念事業として改築事業がすすめられ、この4月に竣工しました。一般参拝は4月23日から始まったばかりです。

詳しいことは、「大阪市の神社と狛犬」シリーズの中で紹介したいと思いますが、こちらにお参りしたいちばんの目的は、社殿前に安置されている石造白鷺像を見るためでした。

社殿前の動物といえば「狛犬」を思い浮かべます。稲荷神社では「狐」です。ところが、こちらは「白鷺しらさぎ」。とても珍しいですね。これは坐摩神社の御神紋が「鷺丸」紋であることに由来します。

この白鷺像の制作者は、愛知県岡崎市の「巽彫刻」の名工・綱川潔氏です。綱川さんは狛犬の同好の士でもあります。先日その綱川さんから、白鷺像を奉納したという報告がfacebookにあったので、是非拝観したいと思っていました。

すっくと立つ白鷺。神々しさを感じさせますね。


高麗橋

坐摩神社行宮の次に向かったのは、道修町どしょうまち少彦名すくなひこな神社です。
途中、東横堀川に架かる高麗橋を渡ります。

東横堀川は大坂城築城の際に開削された運河で、高麗橋は商都大坂の中心地にありました。ここは大阪周辺の街道の起点とされ、橋のたもとには「里程元標」の碑が建っています。
現在は鉄筋コンクリート製ですが、その前は鉄製、さらにその前は木製の橋でした。

「浪花百景」高麗橋



蔦のからまる古建築

堺筋を渡り、少彦名神社の一つ北側の通りで、見覚えのあるビルを発見しました。大正10年建築の青山ビルです。この蔦がからまった外壁は忘れられません。

学生の頃知り合ったK大学の先輩が、このビルの一室で小さな広告代理店を開いていました。懐かしくて思わずビルの中をウロウロ。
このビルのことも、別にもう一度紹介しようと思います。


神農さん

青山ビルの背中側にあたる場所に、少彦名神社があります。
ここ道修町は薬問屋で栄えた町で、今でも武田薬品工業、塩野義製薬をはじめ、多くの薬品会社の本社がここにあります。
少彦名神社は、日本医薬総鎮守、病気平癒・健康成就の神様で、日本医薬の祖神・少彦名命と中国医薬の祖神・炎帝神農をお祀りしていることから、「神農さん」という愛称で親しまれています。

少彦名神社には、狛犬はいません。その代わりというわけではありませんが、虎がいますね。
江戸末期の文政5年(1822)、大坂でコレラ(虎狼痢)が流行した際、虎の頭骨などの和漢薬を配合して「虎頭殺鬼雄黄圓ことうさつきうおうえん」が作られました。そして、病名と薬に「虎」の字が当てられていたことから「張り子の虎」がお守りとして薬とともに配られました。それ以来、張り子の虎は、家内安全・無病息災のお守りとして全国に広まったということです。

賑やかな町の中にある少彦名神社。「人気」という表現はよくないかもしれませんが、この神社に参拝する人は多いですね。

少彦名神社については、こちらもご覧ください。


美食の店

間もなく昼時。少彦名神社から徒歩で10分ほどのところに、美味しいフレンチの店があります。店名は「ビストロ・モーベギャルソン」。
前の週に、小学校時代の友人6人が集まった店です。二度目のランチ。この日も満足しました。

店を出た後、堺筋本町駅から地下鉄で阿波座駅へ。そこから歩いて、西区の土佐稲荷神社にお参りしました。こちらには、十数対の狛犬がいます。狛犬天国ですね。
土佐稲荷神社についても、近いうちに「大阪市の神社と狛犬」で紹介したいと思います。

いろいろあった、楽しい一日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?