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大阪市の神社と狛犬 ⑪中央区 ⑤少彦名神社~神農さんの虎~

大阪市中央区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。中央区は、かつての東区と南区が合区となって1989年に発足した新しい区です。大阪市のほぼ中央にあり、上町台地とその西側の地域になります。この区には、大阪府庁などの官公庁街、船場と呼ばれる商業街、ミナミと呼ばれる繁華街などに加えて、大阪城や難波宮跡などの歴史的建造物もあります。

中央区には、生國魂神社行宮を含めて11社の神社があります。さらに、神社ではありませんが、大阪城公園内に明代の中国獅子があります。この12箇所について、順次紹介したいと思います。

5社目は、少彦名すくなひこな神社です。少彦名神社は薬の町である道修町どしょうまちに鎮座し、「神農さん」の愛称で親しまれています。大阪メトロ北浜駅からは、徒歩で5分ほどのところです。

少彦名すくなひこな神社

■所在地 〒541-0045 大阪市中央区道修町2-1-8
■主祭神 少彦名命・神農炎帝
■由緒  大阪道修町どしょうまちは、豊臣時代頃から薬種取引の場として薬種業者が集まるようになった.。薬種中買仲間の団体組織である伊勢講が、薬の安全と薬業の繁栄を願うために、安永9年(1780)に京都の五條天神より少彦名命の分霊を勧請し、薬種仲間の寄合所に以前よりお祀りしていた中国の医薬と農業の神、神農炎帝とともにお祀りしたのが当社の始まりである。

少彦名神社 社殿

神農さんの虎

少彦名神社には狛犬は安置されていない。その代わりというか、「虎」が少彦名神社のシンボルになっている。
江戸末期の文政5年(1822)、大坂でコレラ(虎狼痢)が流行した際、虎の頭骨などの和漢薬を配合して「虎頭殺鬼雄黄圓ことうさっきうおうえん」という丸薬が作られたが、病名と薬に「虎」の字が当てられていたことから、当社では「張り子の虎」を疫病除け、災厄除けのお守りとして配った。これが「神農さんの虎」として広まっていった。

神農さんの虎
神農さんの虎

神農祭
少彦名神社では、毎年11月22日・23日の2日間「神農祭」が開かれている。このとき、家内安全無病息災の御守として、五葉笹に張り子の虎と少彦名神社の御札をつけて授与している。


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