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アジア紀行~ミャンマー・バガン③~

出発までのいろいろ

今回の旅は、いつになく綿密な計画を立てた。初めてのミャンマーということもあったが、何回か移動がある。移動はほとんど飛行機なので、当然日時が限定される。宿泊地が変わるので、それぞれの場所でホテルも予約しておかなければならない。
若い頃は、現地に着いてからホテルを探したものだ。ネットで予約なんてなかった時代だったので、空港のツーリストで安ホテルを見つけた。それを思うと、最近は便利になった。
ミャンマー入国にはビザが必要なので、20日前に取得しておく。

《今回の旅程》
大阪~台北~YANGON~BAGAN~INLE LAKE~YANGON~台北~大阪

出国から帰国まで、16日間の予定。台北を経由するのは、いつも旅の最後の数日を台湾で過ごすのがお決まりになっているからだ。
昔、「一粒で二度おいしい」というフレーズがあったけれども、一度の旅でミャンマーと台湾を楽しむ、というのがこの旅の目的でもある。

旅立ちの日

いよいよその日がやって来た。
フライトは夜なので、午前中にパッキングをする。何か足りないものはないか、忘れ物はないか、いつもながら不安になる。最近は電子機器が多いので、バッテリーや接続用のコードなどが必需品になる。

午後5時、関空到着。南ウィングのチャイナエアラインのカウンターでチェックイン。発券は「関空ー台北」のみで、「台北ーヤンゴン」は日付がかわるので台北で行うということだった。
出発までまだ2時間ほど余裕がある。両替所で円をドルに換える。ホテル代などはすでに支払い済みなので、500ドルあれば足りるかな。

空港の窓から搭乗予定と思われる飛行機が見える。

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飛行機は約50分遅れで関空を離れる。台北までの所要時間は3時間だが、2時間あまりで台北桃園国際空港に到着する。飛行機にスピード違反はないのかな。時差が1時間あるので、現地時間は21:10。
スカイトレインで第二ターミナルから第一ターミナルに移動する。「転機」という表示がいくつもあって、迷いそう。
チャイナエアラインの乗り継ぎカウンターで、ヤンゴンまでの搭乗券を発券してもらう。明朝だとばかり思っていたが、早々と終わってしまった。
ヤンゴン行きは翌日の朝7時発なので、それまでこの附近で夜を明かすしかない。幸い近くにいくつもソファーがあるので、その一角を確保して横になる。自分と同じような夜を過ごす人が、周囲に何人もいる。エアコンが効きすぎて、じっとしていると寒くてしかたがない。
薄暗い中で本も読めず、身を縮めてウトウトしているうちに浅い眠りに入ってしまった。

周囲がざわざわし出したので時計を見ると、朝の4時。眠ったのは3時間ぐらいだ。しばらくすると、早くも出国の搭乗ゲートAに人が並び出す。旅の2日目の始まりだ。

ミャンマー入国

台北からミャンマーのヤンゴンに向かうチャイナエアラインは、左右3席ずつの中型機だった。モニターは天井にとびとびに設置されていて、前席背もたれ側にはない。フライト時間は約4時間だ。小説を読んだり、寝不足でうつらうつらしているうちに、飛行機はヤンゴン国際空港に到着。
現地時間は朝の9:45。日本とは、台湾で1時間、さらにミャンマーで1時間半、合計2時間半の時差がある。腕時計の針をグルグルと戻さなくちゃ。

入国審査も手荷物受け取りも、滞りなく進行する。税関も通過し、ついにミャンマーに入国!
「ミャンマー」という呼び名にはいつの間にか慣らされたが、やはり「ビルマ」のほうが懐かしい気がする。1989年に、当時の軍事政権が、国名の英語表記を「Union of Burma」から 「Union of Myanmar」に変更したという。改名が軍事政権による一方的なものだとして英語国名の変更を認めていない国もあるそうだ。軍事政権の横暴の歴史は古く、根は深い。

さて、現実に戻って、次にしなければならないのは何か。重い荷物を持って、まずはホテルまで移動すること。その前に、この国で使う通貨に両替することが必要だ。
ミャンマーの通貨単位は「チャット」という。市中には、50、100、200、500、1,000、5,000、10,000チャットの7種類の紙幣が流通している。
空港でのレートは、1USD=1,182チャットだったので、300USDを両替すると、354,600チャットになった。分厚い札束である。
1USD=約108円だったので、1000チャットで91円ぐらいに相当する。

ミャンマーkyats

紙幣の図柄を見ると、獅子が多い。さすがは仏教の国である。

ヤンゴン国際空港のタクシー・カウンターに行き、この日宿泊予定のHOLLY HOTEL までのタクシーチケットを購入する。6,000チャット。
知らない土地でタクシーに乗ると、メーターがなかったり、あってもメーターをたおさなかったり・・・という経験が何度もある。乗る前に値段交渉をすることもよくある。しかし、このように空港の施設で決まった額を支払う方法は安心できる。
ホテルまでは4kmぐらいだと思うが、20分近くかかった。ドライバーの名前はAungさん。アウンサンスーチーさんと同じ「アウン」さんだ。

名刺

ミャンマーに住むビルマ民族は、性別に関係なく姓を持たないらしい。アウンサンスーチーさんの名前も、父親の名前(アウンサン)に、父方の祖母の名前(スー)と母親の名前(キンチー)から一音節ずつ取ってつけられたものである。だからこれがひと続きの名前だそうだ。(Wikipediaより)

名前についてもう一つ言うと、ミャンマーには8曜日(水曜日だけ午前と午後に分ける)というものがあって、その曜日によってそれぞれ名前がある。ドライバーの「Mr.Aung」の名刺に「Win」とあるのは、この人が水曜日の午前に生まれたことを示している。

さて、到着したHOLLY HOTEL は、この年の春にオープンしたばかりの新しいホテルで、シンプルだがとても清潔だった。

ミャンマー・ホテル1

さて、ここからミャンマー街歩きがスタートすることになる。



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