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陣地取りん

「陣地取りん」の最後の「ん」はおもしろいな。
昔は何も疑問をいだかず、そのように呼んでいた。
そう言えば、「釘刺しん」というのもあった。

「べったん」「ビーだん」の「ん」ともちょっと違う。
しかし、最後を「ん」で終わることによって、何か落ち着きができるような気がする。
「陣地取りん」は正しくは「陣地取り」で、地面で自分の陣地を拡大していく遊びだ。
前に「高射砲陣地」の思い出を書いたが、「陣地」という言葉が遊びの中に、普通に残っている時代だった。

「陣地取りん」を思い出したのは、「ホームランけんぱ」のときと同様、孫Mの冬休みの宿題である。
昔の遊びを家の人に聞いてくる宿題のプリントには、遊びを書く欄が二カ所あった。

「陣地取りん」は、まず地面に大きな四角を描くところから始まる。
コーナーが四つあるので、4人で遊ぶのがいちばんいい。

それぞれが自分の陣地とするコーナーに、手のひらで扇形を描く。
ジャンケンで順番を決めて、そこから自分の「タマ」を指ではじき出す。
はじくのは3回で、3発目に自分の陣地に「タマ」を戻さなければならない。
うまくいけば、「タマ」が止まった箇所を線で結んだ内部が、新しい自分の陣地になる。

陣地とり

「タマ」が四角い枠の外に出たり、敵の陣地を通ったり、3発目に自分の陣地に戻れなかったりすると失敗で、次の人の順番になる。
それぞれの陣地が拡大していくと、「タマ」の通り道が限られてきて、新たな陣地を取るのが難しくなっていく。
それ以上身動きができなくなったら、「陣地取りん」は終了になる。
いちばん大きな陣地を獲得した人が勝ち。

少しずつ確実に陣地を増やす子どもや、「タマ」を一気に遠くに飛ばして陣地を広げようとする子どもがいて、それぞれの性格があらわれて、おもしろかったな。

「ホームランけんぱ」にしても「陣地取りん」にしても、舗装されていない土の地面があればこその遊びだ。
子どもたちは、土の地面と仲良しだったんだね。



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