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ホームランけんぱ

小学校3年生の孫のMが、冬休みの宿題を持ってやって来た。

「昔の遊びについて、教えて」

宿題は、「昔の遊び」について話をきいて、その内容と自分の感想を書くというものだった。
以前noteに書いた「胴馬」を思い出したが、これは男の子の遊びだったので、女の子もする遊びを思い浮かべた。

「ホームランけんぱ」

これは、よくやったなあ。
「カカシけんぱ」というのもあったけど、「ホームランけんぱ」のほうがおもしろかった。

地面に、まず棒きれや石ころで線を引いた。
運動靴のつま先でゴシゴシ引くこともあったが、これでは線が太くなり、おまけに靴のつま先を補強するゴムと靴の間に砂が入ってしまう。

どんなけんぱだったか説明するのに、思い出しながら簡単に絵を描くと、孫Mが自分でもう一度紙に描きなおした。

ホームランけんぱ

最初に、靴の長さよりちょっと広い目の枠の中に自分の「タマ」を置いて、その中に立つ。
「タマ」は平べったい石で、瓦のかけらがあれば、なおよかった。
あまり大きいと、線にかかるとアウトなので、「タマ」選びは重要だった。

次に片足で次の枠に、その「タマ」を蹴り出す。
ぼくはいつも左足で蹴った。

次の枠は「けんぱ」の「ぱ」。
両足を開いて休めるが、ここに「タマ」を入れるとアウト。
右上まで行くと、今度は左のコーナーへ移る。
このコーナーには斜めに線が引いてあって、奥の三角に「タマ」が入ったらアウト。
このあたりのことは記憶がぼんやりしているのだが、奥の三角は温泉マーク♨で、その中で休めたような気がする。

その後、ここからけんけんで次の枠に「タマ」を蹴るが、一気にゴールの狭い枠まで蹴ってもかまわない。
入ったら「ホームラン」。
これが「ホームランけんぱ」の名前の由来だ。
一気に「タマ」を蹴ることができるのは、三角コーナーではなくて、次の枠からだったような気もする。
いずれにしても、「ホームラン」になるのは難しいので、地道に進む方が賢明だった。

最後の枠まで来ると、狭いスペースに「タマ」を入れた後、自分も線を踏まずにその枠の中に両足を入れて、やっとゴールになる。
勝ち負けや得点をどうしていたのかということも忘れてしまったが、普通にゴールできれば「ヒット」だったのかもしれない。

今から思えば、「けんぱ」という遊びは、地面にまっすぐの線を引いたり、体のバランス感覚を養ったり、勝負の綾を見抜いたり等々、いろんな要素を持ったステキな遊びだったんだなあ。


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