国立国際美術館 「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」その3~展覧会#32~
国立国際美術館「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」の報告の3回目です。その1「ピカソ」・その2「クレー」に続いて、
今回は、マティスとジャコメッティの展示作品を紹介します。
アンリ・マティス(Henri Matisse)
ピカソ、クレーに次いで、ハインツ・ベルクグリューンの収集の中心となったのが、アンリ・マティスの作品でした。今回の展覧会での出品数は多くはありませんが、マティスの芸術の一端を十分に感じさせてくれます。
アンリ・マティス(1869~1954)はフランスで生まれ、20世紀初頭にはフォーヴィズムの中心的画家になりました。1910年代に入ると、幾何学的構成による抽象的・構築的傾向が強くなり、やがて線の単純化、色彩の純化を追求した結果、晩年には「切り紙絵」の境地を開拓しました。
それでは今回の展示作品を年代順に見ていきます。
アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)
アルベルト・ジャコメッティ(1901~1966)といえば、針金のような人物彫刻を思い浮かべます。スイスで生まれたジャコメッティは、一般には彫刻家として有名ですが、絵画や版画も多数手がけていました。今回の展示はわずか4点ですが、そのうちの1点は絵画作品です。
「ヤナイハラ」とは、日本の哲学者、矢内原伊作のことです。矢内原は1950年半ばにフランス留学し、ジャコメッティと深い親交を結びました。ジャコメッティは、矢内原をモデルにした作品を多数制作します。
3回にわたって国立国際美術館で開催中の「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」について紹介してきました。
この展覧会は、まず東京の国立西洋美術館で開催され、次に現在大阪に巡回中です。国立国際美術館での会期は、2023年2月4日(土)~5月21日(日)です。
まだ2カ月間ほど開催されていますので、ぜひ大勢の方に足を運んでいただきたいですね。
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