ちょこトリップ~近江八幡(後編)~
先日出かけた近江八幡散策。思った以上に長くなったので、前回の続き(後編)を書きます。
八幡山城跡
日牟禮八幡宮のすぐ北側に、八幡山ロープウェイ乗り場があります。ここは山麓駅。
標高271.9mの山頂には、かつて豊臣秀次が築いた山城の跡が残っています。秀次は秀吉の養子で、安土城が落城してから3年後に、この城を築きました。
現在は石垣を残すのみですが、西の丸跡や北の丸跡から琵琶湖が眺望できます。すばらしい眺めですね。
豊臣秀次は、秀吉に実子秀頼が生まれたことから秀吉と対立し、28歳で自害に追い込まれました。本丸跡には、秀次の菩提寺の村雲御所瑞龍寺があります。もとは京都市内にありましたが、昭和36年に秀次の居城であったこの八幡山城址に移築されました。
16世門跡の尼さんが、お庭を掃いておられました。村雲御所瑞龍寺からロープウェイ山頂駅はすぐそこです。途中の展望館からは東側の安土城跡の方角が眺められます。
帰りもロープウェイで降ります。往復と山頂の城跡散策で約1時間です。
町歩きをしながら近江八幡駅へ
時刻はちょうど午後2時。曇っていた空が晴れてきました。再び日牟禮八幡宮の前を通り、参道を南に下ります。
「たねや」と「クラブハリエ」をまた横目で見ます。
「たねや」の横の道を東に折れると、もう人はあまり通っていません。
東に少し行くと、稲荷神社がありました。
道を隔てたところに本殿があり、玉垣のなかに石造の狐像が置かれていました。大きな耳と切れ長の目。一方は玉を咥え、もう一方は鍵を咥えています。
稲荷神社からほんの少し南に下ったところに「かわらミュージアム」があります。時間の関係で、外から建物を見るだけで、観覧は次回にお預けです。
かわらミュージアムの裏手に回ると、八幡堀に出ました。近江八幡の町のよさは、やはりこの堀に負うところが大きいですね。
川沿いに黄菖蒲が咲いています。
このままお堀端を端から端まで歩いてみたくなりますが、予定の時間は残すところ40分ほど。駅の方向に歩くことにします。
仲屋町通りを南に下ると、左手に古い建物がありました。旧八幡郵便局です。
この郵便局は大正10年(1921)に建てられたもので、建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)が設計したものです。
土日祝日だけ公開しているそうですが、この日は平日で閉まっていました。窓から中をのぞくと、こんな感じ。
ヴォーリズは英語教師として来日した後、近江八幡に定住し、日本国籍を取得しました。キリスト教の伝道にも熱心で、社会事業を展開し、メンソレータム(現在はメンターム。メンソレータムはロート製薬が買収)で有名な近江兄弟社を設立したのもこの人です。
ヴォーリズ建築は、アーチ型の玄関や大きな窓が特徴だとか。
次の角を西に折れると、アンドリュース記念館と八幡教会があります。現在の八幡教会は火災の後に再建されたものですが、これらもヴォーリズ建築です。
もっと東の慈恩寺町通りには、晩年のヴォーリズ夫妻が住んでいたというヴォーリズ記念館もあります。残念ながら行けませんでした。
時計を見ると、午後2時45分。近江八幡駅まで2km。歩いていたら予定の新快速には乗れそうにないので、急遽バスに変更しました。小幡町資料館前のバス停まで急いで歩き、近江八幡駅に着いたのは午後3時5分。無事15:09発の電車に滑り込みで間に合いました。
今回いちばん心残りだったのは、舟に乗れなかったこと。近江八幡市では、堀めぐりと水郷巡りの2種類の舟があるそうです。これも次回のお楽しみです。やはりもっと計画的に、時間の余裕をもって訪れたいですね。
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