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大阪市の神社と狛犬 ➏北区⑦堀川神社~えべっさんの狛犬~

大阪市北区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。淀川のすぐ南側には5つの区がありますが、北区はその中央にあり、大阪市役所の所在地です。北区の中心地梅田は、西日本最大の鉄道ターミナルで、JR大阪駅や阪急・阪神の梅田駅ががあります。地勢的には、北は淀川、東は大川、南は土佐堀川と三方を河川に囲まれ、西は福島区に隣接しています。北区には、神社が11社あります。

堀川神社は、通称は「堀川戎神社」と言われ、商売繁昌の神様です。大阪メトロ谷町線・堺筋線の南森町駅から、またJR東西線の大阪天満宮駅から、それぞれ徒歩5分ほどの便利な場所に鎮座しています。神社のすぐ前には、阪神高速道路が走っています。

堀川神社(堀川戎神社)

■所在地 〒530-0047 大阪市北区西天満5-4-17
■主祭神 蛭子大神えびすのおおかみ
■由緒  社伝によると、欽明天皇の御代に止美連吉雄とみのむらじよしおが蛭子大神の神託を受けて堀江で玉を得て、これを御神体として蛭子大神を富島に祀ったのが始まりだという。後に平治の乱を避けて丹波に遷座したが、文和年間(1352~5)現在地に遷座し、堀川戎社として信仰を集めるようになった。明治40年(1907)には近隣の神社を合祀して「堀川神社」と改称した。

狛犬1

■奉献年 明治四十四年八月吉日(1911) 戎俵講
■石工  不明
■材質  花崗岩
■設置  正面鳥居後方

堀川神社 正面鳥居後方の狛犬
堀川神社 正面鳥居後方の狛犬(阿形)
堀川神社 正面鳥居後方の狛犬(吽形)

堀川神社は歴史のある古い神社だが、昭和20年の大阪大空襲で社殿は焼失してしまう。狛犬は明治44年の奉納なので、戦災を生き延びたのだろう。吽形の表情には江戸末期から明治にかけての浪速狛犬の雰囲気がわずかに残るが、たてがみの広がり方や尾の形状は、やはり近代の花崗岩製狛犬である。
境内はさほど広くはなく、正面に戦後再建された社殿があるが、狛犬は置かれていない。

堀川神社拝殿

狛犬2

■奉献年 不明 
■石工  不明
■材質  砂岩
■設置  境内社 榎木神社前

境内社 榎木神社

堀川神社の境内に入ると、すぐ右手に小さな境内社がある。鳥居や神額には「榎木神社」とあるが、提灯には「地車だんじり稲荷神社」と書かれている。こちらが通称のようだが、その名のとおり、本殿は地車の形をしている。

榎木神社本殿 地車稲荷

社殿の前に置かれている狛犬は小型で、残念ながら紀年銘などは見当たらない。江戸時代の浪速狛犬のようでもあるが、彫りが甘く、雑な印象が拭えない。第一台座の法面があまりにもピシッと削られているのも気になる。

榎木神社前狛犬(阿形)
榎木神社前狛犬(吽形)


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