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ころばぁちゃん

おばあちゃんに会いに来た。
母方の祖母で、ここ最近はほとんど会えてなかった。

父から入った家族LINE
「覚悟を決めなければいけない状況です。」

今年の年始に会いに行った時はお散歩出来る状態だったので、ここ最近がどういう状態なのか全然知らなかった。びっくりした。

おばあちゃん家では昔、「ころちゃん」という柴犬を飼っていて、そこから母方の祖母の事を「ころばぁちゃん」と呼んでいる。

ころばぁちゃんはおしゃべりなイメージはなかったけど、何かあると「ありがと、ありがと、ありがとね〜♪」と独特のメロディーをつけてお礼を言うようなユニークな人だった。

わたしの母のコミカルさは、ころばぁちゃんの血を受け継いでいるのだな。

「ころばぁちゃん、分かる?会いに来たよ」
うんうんと頷いてくれたけど、たぶん私のことは分かってないみたいだった。

ベッドの横に座り、手を握ったら握り返してくれた。
すごく力強くぎゅっと。

正直わたしに何が出来るのか分からなかった。
もう何も出来ないかもしれないけど、それでもわたしに出来る事を探した。
自己満なのかもしれないけど、そばにいたいと思った。

ここ数年は実家に帰るタイミングがあっても全然会いに行けてなかったから、わたしには幼かった頃の思い出しか色濃いものがない。
一緒にころちゃんの散歩したり、お団子食べたり、近所のお祭りに行ったり。
でも、それでも今、なるべくそばにいたいと思った。

母や母の兄弟がいられない時間はわたしがころばぁちゃんのそばに居た。

わたしには見つめて身体をさすることしか出来ない。
ころばぁちゃんのひと呼吸ひと呼吸に「生きるということ」へのパワーを感じた。

頑張ってということすら申し訳なく感じるほどパワーを感じる呼吸。

ころばぁちゃんが握り返してくれる手の力には、言葉以上にパワーを感じる。

生きるというのはあったかい。
こんなにもあったかいんだ。
あったかくてパワーがあるんだ。

おばあちゃんおばあちゃんおばあちゃん。
一旦東京に戻らなくてはいけないけど、また会いに来るからね。

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